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アラフォー歴女がwithコロナ時代に思うこと。

今日、出かけた先で「新しい生活様式」について書かれたポスターを見た。コロナ感染症対策について盛り込まれた内容で、中にはこんな一言が。

マスクのつけ忘れは、気の緩み。

この文言、何だか聞いたことがあるような・・・。

そうだ、戦時中のポスターだ。

「日本人なら贅沢は出来ない筈だ」「足らぬ足らぬは工夫が足らぬ」とか、戦時中に大量に出されたスローガンによく似ている。そう感じるのは、私だけ?

当時大量に出されたスローガンは、戦争が始まっても気が緩みがちだった国民の気持ちを引き締めるために、政府が次々に出したもの。あの戦争から75年も経ったというのに、お上のやることというのは、いつの時代も変わらないのだなあと、不思議な気分になる。マスクは周りの人にうつしたくない、という思いやりの気持ちからつけるもので、他人に強制されるのは違うと思う。

少なくとも私はひねくれ者だから、強制された瞬間気持ちが萎える。

私は歴史が好きだ。特に、当時の人たちの常識はどうだったのかとか、彼らがどんな風に世界を見ていたのかを、あれこれと想像してみるのが好きだった。時代が変われば常識も変わる。現代から最も近い激動の時代といえば太平洋戦争時代だったわけだけれど、当時の人たちは、だんだん苦しくなっていく戦況や生活に対してどんな想いを持っていたのか。

いつの間にか戦争が始まっていて、国民が協力するよう仕向けられていて、疑問は感じなかったのか?怒りは?外では周りに合わせていたけれど、家の中では本音を語っていたのだろうか?そんなことをあれこれ考えてみても、戦争時代を生きた祖父母もすでに亡くなっていて、当時の空気感覚を知ることは難しくなってしまった。

でも、今回のコロナ騒動を体験して、激動の時代を生きた人たちの気持ちが少し分かるようになった気がする。本当にいつの間にか、新しい生活様式が決められていて、世間がそれを正しいと言い始めていて、「守るのが当たり前だろう!」と声高に言う自粛警察のような人たちがいて・・・。「なんだか変だな」と思いつつ、正解が分からないから、世間の空気に従う。そんな風だったんじゃないだろうか。実際、私も同じことをやっている。

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子供たちは、よくも悪くも世間の影響を強く受ける存在で、今回もあっという間にマスクをつける生活になじんでしまった。「〇〇君はマスクをつけてなかったんだよ!ダメだよね!」とさも当たり前のように言う娘。ああ、戦争の時も、子供たちは学校の教えそのままに、「お国のために戦って死ぬ」と信じていたのだった。

いろんなことを考えながら、結局今日もマスクをつける。

なぜ私は、マスクをつけるの?

私がマスクをつける理由は、「相手を嫌な気持ちにさせないため」。布のマスクがさほど感染防止に役立つとは思えないし、今私がマスクをつけているのは、「あなたにコロナをうつすつもりはありませんよ」というアピールに過ぎない。これから世の中がどういう風に変わっていくのか予想もつかないけれど、誰か力のある人から言われたことを鵜呑みにせず、自分の頭で考えてみることだけは忘れないでおこうと思う。たとえ何の力も持たないちっぽけな人間であったとしても。



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