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研究ポイント【制作過程 #01】

着眼点の見つけ方

4月下旬から1ヶ月半ほど、本屋の「何に着眼するか」でずっと考えていました。日本の本屋・出版の歴史を知るほど難しくなっていく課題にかなり悩まされました。この時、自分の体験を思い出し、根本的に気になることが無いか振り返りました。また、たくさんの参考資料を読んで、いろんな時代の本屋の知識を得ながら、個人的に気になった本屋を書き留めていくことにしました。手書きでA5のノートに書き留めていたら、最終的に4冊ほど消費していました。

売ってもおかしくないクオリティ(自分が欲しい!と思える)書籍を作る上で、形態自体のアイデンティティが限られると思いました。だからこそ「どう編集すべきか、何を軸にするか」は、自己プロデュースであると考えていました。また、他ゼミの友人から「〇〇をテーマに、□□を調査・研究をし、△△を制作する」に当てはめると考えやすいというアドバイスを貰い、それを考えながらテーマの構築を行いました。

2000年以降の特徴

私が本屋に興味を持ったきっかけは古本カフェです。カフェと古本屋が組み合わさったアイデアで、ここ数年でブックカフェは増えています。書店の数のピークは1990年代後半で、それ以降、本屋の数は右下がりです。そうした背景から、特徴的で話題性のある店が増えていきました。

一方で、大学の図書館の資料を読み漁っていくと「江戸時代の声を強くする薬を売る本屋」を発見しました。めっちゃ特殊。今の時代には薬を売る本屋なんて無いです(薬局で本を売る店はありました)。この発見をした時、現代の本屋こそいろんな商品を扱うことで話題になる流れがあるけど、

特殊な店構えだったら他の時代だって存在しても不思議ではないのでは?

と思いました。文房具を売ってる光景だって昔から存在します。

この研究のポイント

現代の本屋は、「本屋減少」や「読書離れ」に対して「人と本の出会いを促すために話題性ある本を売る店が増えている」傾向を持っているけど、それ以前の時代で他の商品を売っていた本屋は、なぜそれを売っていたのか。また本屋ではない場所での書籍の販売は、昔は行われていたのか。日本で本屋が誕生した江戸時代はどうだったのか。それが気になりました。なので2つの研究ポイントを掲げることにしました。

① 本屋が誕生した江戸時代から調査すること
② 本とは別のモノとの掛け合わせが特徴的である本屋に着目すること

掛け合わせとは、「本屋で売っている書籍以外の商品・モノ」「本屋ではない場所・環境での書籍の販売」です。この2つのポイントに関しては、6月末あたりに決めたことでしたが、実際に掛け合わせの本屋を探していくのは8月以降で、資料を漁りながら方向性を定めていく感じでした。当初は『本屋×〇〇事典』というタイトルでした。これは終わった今だから言いますが、最初は『事典』と言っているからこそ網羅性を目指していました。しかし結果的に、一つ一つの本屋の歴史・出来事は簡単には説明できなかったり、特徴がダブってしまう場合もあったので、あえて外したりもしました。そうしていくうちに網羅性があるものではなくなっていきました。

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しかしながらポイントを掲げてからこの網羅性をやめるまでの間、どんな構成にするかでウロウロしていた時期があります。8月中旬から9月頭までのことです。

次回 | 編集と構成【制作過程 #02】
どう読んでもらいたいかを考える。

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