【書評】それ、数学で証明できます。
数学が好きです。
得意かどうかでいうと苦手な方ですが、数学は底知れぬ面白さを持っています。おそるおそる近づいてみては難しさに打ちのめされつつ、少しずつその深淵に触れていくような奇妙な楽しさがあります。
ただただ受験勉強のためのテクニックを詰め込むだけというのは非常にもったいないと常日頃感じているのです。
今回読んだのはyoutubeでは「ナゾトキラボ」というチャンネル名で謎解きや数学の動画を投稿しているナゾトキラボ・北川郁馬さんの『それ、数学で証明できます。 日常に潜む面白すぎる数学にまつわる20の謎』
目次の紹介
本書の構成
登場キャラクターは二人(二匹?)。
数学が苦手なひよこの「ヒヨコイ」と頭脳明晰な「親鳥さん」
二匹に血縁関係はないらしいですが、親鳥さんはヒヨコイくんに数学の楽しさを教えてくれます。
本文は二人の掛け合いで進行し、日常から生まれる数学的な不思議や疑問、謎を会話調の文章と適宜挿入される図解で説明してくれます。
その説明の仕方が非常にわかりやすい!
数学において一番楽しいのは「なぜそうなるのか?」という疑問が解決される時だと思います。その疑問の解決にはわかりやすい説明とイメージが不可欠。
塾講師としてはかみ砕いて説明するということの参考になります。
謎製作者の独自の視点
実は数学の意外な面白さをうたった本、数学嫌いが数学を好きになる本といったコンセプトの本は他にもいろいろ出版されています。
以前レビューした『直感を裏切る数学』という本もその種でした。
【書評】直感を裏切る数学|ひいろ (note.com)
そして数学にあまり興味ない人の興味を引く話題となるとどうしても似通った内容になってしまうのは致し方ないところでしょう。
ですが、この本では第3章においては「5億年ボタン」というギミックと「ジャネの法則」を絡めて考えてみたり、20章で座標軸の話でドラえもんの「四次元ポケット」を説明してみたりと、なかなか斬新な視点で数学を切り取っています。
これは普段から物事を変換したり結び付けたり飛躍させたりしている謎製作者ならではの視点なのでは? と思いました。
おわりに
数学って何かと毛嫌いされるじゃないですか。
数学が好きっていうと割と変人扱いされる風潮すらあるような気がします。
ですが、学問としての楽しさは一番とっつきやすいような気がします。
必要に迫られていやいや勉強するのもやむをえないことがあるでしょう。
ですが、「あれ? 数学って楽しくね?」って思う瞬間がもしあったら、それはぜひ大事にしていきたいものです。
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