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私はあなたのままでいて欲しい


私は貴方のままでいて欲しい
貴方のなりたい貴方になって欲しい
貴方のなりたくない貴方にならないで欲しい
貴方のなりたくない貴方になる為に苦しまないで欲しい

これは私と出会って7年目になる私の親友の話



高校生の頃、彼女は学校の先生の勧めもあってヘアメイクアップアーティストになりたいと語っていた。


高校を卒業したら美容系の専門学校に通う事が決まった。

高校の間に彼女は将来の為にメイクの検定を受けたり、
私に
「将来はヘアメイクアップアーティストになって東京に出て行きたい。そして後々にはアメリカにも行きたいんだ」と

一見キラキラしてて楽しそうな事をしていたり話しているのに、
すごく切なそうな苦しそうな楽しくなさそうな顔をしていたのをとても覚えている。

(正直当時この表情に気が付けたのは3年間連れ添った親友の私だったからだと自負している。)


私はその時から、彼女は本当にこの仕事がしたいのだろうかと疑問を抱きながらそばにいた。




そして高校を卒業し、別々の専門学校にお互いに入学した。
その生活は中々忙しく今まで毎日のように一緒だったのにLINEで連絡は取り合うものの中々会う機会が無かった。


久しぶりに会う彼女は、
「こういう授業があってね、こういう子がいてね、充実しているんだよ!!」
ととても疲れたような苦しそうな顔をして私に話した。

ヘアメイクアップの夢を語る時も、今回も、その苦しい顔を隠すように必死に作った笑顔で笑う顔を今でも鮮明に思い出せる。
貴方のなりたくない貴方になる為に苦しむ顔を。
そして自分自身に嘘をつく顔を。


私はそんな顔を見たくない。

正直自意識過剰かもしれないが貴方を貴方以上に分かってる自信がある。
全部全部分かってる。
それなのに何もしてあげられない。


どんなに
「今本当にやりたいことやれてる?苦しんでない?貴方は貴方のままでいいよ」
と言ってあげられたらと何度も思った。


こんなに気付いている自信があるのに助けてあげられない。
こんなに何年も一緒にいるのに何もしてあげられない。

彼女の話を聞きながら自分に絶望したのを覚えている。



入学してから約1年彼女から退学すると連絡があった。
退学すると連絡があってこんな感情になってしまうのは不謹慎かもしれないが正直ホッとした。
もう苦しそうな顔をさせなくていい。
もう彼女自身に嘘をつかせなくていい。
体から力が抜けるような自然と口から空気が出ていくような感覚だった。
安心した。



その後私は専門学校を卒業しアイリストとして就職した。
彼女はバイトをしたりしなかったりしながら生活していた。
割と常に連絡は取り合っていたと思う。

そして最近
「やりたい夢が見つかった!」と話をしてくれた。

4年前の彼女とは違った。
すごく楽しそうで嬉しそうで本当にキラキラしていた。
とても嬉しかった
自分の事のように嬉しかった
嬉しさで体の体温が上がる感覚だった
(前の記事でも若干触れたが自分の中で焦りを感じたのも事実だが)


あぁこれでやっと彼女に
「貴方は貴方のままでいいよ」
と言う事ができる。

電話で伝えた。
今まで苦しんでいた事全部分かっていた事も含めて。

電話越しの彼女は今まで聞いた事ない位に泣いていた。
正直お互いにプライドが高くて負けず嫌いだった思う。この7年間こんなに泣く彼女を電話越しですら見たことがない。


泣きながら
まだ出発し始めたばかりで本当に自分が今不安であること
自分が幸せそうにしているか分からないこと
でもこれは本当にやりたいと思っているということ
他にもいくつか私に確認するように話してくれた。

それを聞いて私はもう一度心から
「貴方にはそれをする才能があると思う
そして今すごく幸せそうにしていると思うよ
大丈夫 貴方はなりたい貴方のままでいい」
と伝えた。


やっと貴方のままでいて欲しいと言うことが出来た。
私の脳内にこの言葉が浮かび上がってから3年が経った。

今の彼女は私の知っている
すごく優しくて暖かくてピュアで繊細
そして真っ直ぐな本当の彼女だ。

もう笑顔で嘘を隠す表情は無いと思う。
電話越しだから分からないが声から浮かんでくる彼女の顔は、本当に私の好きな親友の笑顔だったと思う。


私は彼女と一生親友の関係でいられると信じている。
私の中で彼女は唯一無二の存在
私の親友は彼女しか有り得ない。
他の人には変わりは出来ない。

私は、
これからも本当にやりたい夢に向かって歩いていく彼女と私も正面から向き合って自分自信のやりたい夢に向かって歩いていきたいと思っている。


これからもよろしくね
いつもありがとう。
大好き。

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