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【RIZIN.46超絶簡単解説】イデオロギーの対立は拳でしか極められない 俺だけのかめはめ波で未来を掴め

*この記事は執筆者の個人的な考えや推測が多く含んでおり、また格闘技関係者から直接話を聞いて執筆したというものではなくただの一格闘技オタクが書いたものであるため間違った情報が書かれている可能性があります。もし間違いやご指摘、誤字脱字があった場合はコメントなどで教えていただけると嬉しいです。
 またこの記事内で選手や格闘技関係者の敬称を省略している場合があります。予めご了承ください。



➀はじめに

この記事は「RIZIN.46」(4月29日16時開始予定)の全カードを簡単に解説していこうという記事です。
激動のフェザー級タイトルマッチや日韓対抗戦など非常に濃厚なカードばかりですので盛り上がっていきましょう!


②高木遼vs西谷大成

カテゴライズは若手育成枠ですがRIZINの投稿した例の闇谷君の動画で一気にヒーローvsヒールの視点が形成されたのは流石RIZINのプロモーション力ですね。ここら辺の魅せる力はマジで世界一だと思います。

高木遼選手は若干24歳ながら現PANCRASEフェザー級1位でKO率83%の殺傷力の高い打撃が特徴の選手です。

西谷大成選手は「朝倉未来1年チャレンジ」1期生としてヒロヤ選手と共にプロデビューした選手で、MMAの傍らBreaking DownやFight Clubなど多岐にわたり活躍している選手です。

高木選手がストライカー、西谷選手がグラップラーという構図の試合ですが、試合のカギはどうやって西谷選手が複数回近づくかですね。
高木選手はその打撃の殺傷能力がフィーチャーされますが個人的な最大の強みは距離設定がバツグンにうまいことですね。敗北はしましたが前戦のコレスニック戦や遠藤来生戦でもそうですが相手のカーフキックを際で避けてカウンターを入れる技術は天下一品です。

それに対して西谷選手はどう近づくかというと基本的に西谷選手は頭を下げたフェイントや緩急でタックルに行くか、打撃をやって距離をじわじわ潰しながらテイクダウンという2択で試合を組み立てます。今回はおそらく対戦相手が打撃巧者の高木選手なので前者のプランで勝負すると思いますが、このプランはフェイントや緩急のバリエーションがあまりなく初見では高木選手を捕まえられますが、その後に対応されると一気に攻め手を失う状況が想定されます。そこでどれだけ西谷選手が踏ん張れるかが重要だと思います。

この試合が無料枠というのがこの大会の身の詰まり方を表していますね。LANDMARKだったらもっと上の方に位置付けるカードであることは間違いないです。
また今回でRIZINにヒールキャラを与えられた西谷選手の言動にも注目ですね。どういうキャラの方向性で行くのかもRIZIN生き残りに関わっていると思うと試合後の会見も一種の注目ポイントですね。


③山本空良vsイルホム・ノジモフ

2試合目にこういう玄人好みの試合を置くのはある意味凄いですね。素人でしたら3試合目のベアナックルの試合をこういう枠に置いてお客さんの目を引こうと思ってしまうので、その意図が気になります。

山本空良選手はアグレッシブな試合展開と攻め続けるグラップリングが特徴の若干23歳の選手です。またこれが1年ぶりの試合で現在地味に3連敗中と崖っぷちな選手でもあります。

イルホム・ノジモフ選手はアゼルバイジャンで行われた「RIZIN LANDMARK 7」でRIZINデビューした選手で卓越した蹴りの技術が特徴の選手です。

試合展開のカギは両選手の近距離の打撃ですね。
その戦績とスタイルからグラップラーのイメージが強い山本選手ですが個人的にはそのグラップリングの技術があるから打てる思い切りの良い打撃が特徴の選手だと思っています。サトシ選手やクレベル選手が打撃が強い事と同じ感じですね。
ノジモフ選手はホアレス・ディア選手を圧倒した蹴りで今回も組み立てると思います。遠距離では前蹴りやハイ、近距離ではジャブとロー、膝で削っていくとは思いますが、蹴り足を山本選手にキャッチされる危険性があるため序盤は長い蹴りを出さないかなとは思います。

なのでストライカーvsグラップラーながら近い距離の打撃戦が長い試合になると思うんですよね。
距離を開けると山本選手は組みにくいしノジモフ選手も蹴り足キャッチの危険性とワンツー、ローで近距離でも戦えるので意外と近距離バチバチになりそうです。キーになる攻撃はノジモフ選手の四つの膝で山本選手がどれだけダメージをもらうかと、山本選手はノジモフ選手の蹴りをキャッチできるのかというところですね。

フェザー級が本格的に動いてから約4年目ですが日本人エース候補と強い外国人のつぶし合いマッチが良く言えば雑に組めるのは良い傾向ですね。ジャンルや会社運営でもなんにでもいえることですが、下がにぎやかにならなければ衰退していくだけですからね。こういうパワーあるカードのは良いと思います。


④篠塚辰樹vsX

RIZINがこのMr.Xのスタイルをこすっていることがこの試合1番の驚きですね。もうそろ10年目が見えてくるRIZINですが変わらない味や伝統が出来てきて良かったです。まぁこれでいいのかはさておき。

篠塚辰樹選手は元Krushフェザー級王者でバックボーンのボクシングを活かしたシャープな打撃が特徴です。「RIZIN.45」では盟友平本連選手と共にRIZINに参戦して鮮烈なデビューを飾りました。

また今回はBare Knuckle Fighting Ship(以下BKFC)が日本初上陸ということで話題になりました。
BKFCとは2018年に開始されたアメリカ生まれのスポーツで拳にグローブではなくバンテージのみを巻いたボクシングマッチです。試合時間は2分5ラウンドで行われます。過去にはボクシング元世界王者やメダリスト、UFCファイターが参戦したりと全米で大きな話題を作っています。

まぁ相手がMr.Xである以上試合展開のカギもなんもないのでこの試合は余計なことは考えずに頭からっぽにして観るのが正しいのかもしれません。
そういえば篠塚選手がMr.Xに関してこんなポストをしました。

もしこれが本当ならRIZINから匂わせすぎだ!って怒られるんでしょうかねぇ。基本的に格闘技に関わる人たちのあの匂わせ癖はなんなんでしょうか。格オタやってますがそれだけはちょっと理解が出来て否にですが、これ以上それについて書くと渋谷区で襲撃の危険性があるのでこれくらいにします。


⑤中原由喜vsビクター・コレスニック

今回の裏メイン枠ですね。あともう1つの裏メイン枠は中島太一vsキム・スーチョルだと思いますが、体感こっちを楽しみにしている人の方が多い気がします。

中原由喜選手はOne Chanpionshipに参戦していた選手でその時は4戦3勝1敗でその1敗もタイトル挑戦経験のあるゲイリー・トノン選手と戦ってきたレベルの高さがうかがえます。RIZINでも通算戦績3勝1敗でその1敗も現フェザー級王者鈴木千尋選手とRIZINでもその強さを見せています。
RIZINフェザー級でもトップクラスのボクシング技術の高さに安定したテイクダウンディフェンス、バックボーンの柔道で鍛えたフィジカルの強さと実績、実力ともにRIZINフェザー級上位の選手です。

ビクター・コレスニック選手は現在7連勝中と非常に勢いに乗っている選手です。強烈なカーフキックと相手を確実に仕留めるパンチ、そしてそれらを5分3Rやり続ける驚異的なスタミナが武器です。

試合展開のカギは近距離の組みの攻防です。
中原選手としては得意のボクシングとフットワークを生かした出入りでコレスニック選手の間合い外からコツコツダメージを与えていきたくて、コレスニック選手はプレッシャーをかけてカーフでダメージを与えるという試合展開になると思います。

打撃の技術やスピード的には中原選手に分があると思いますが、コレスニック選手はその驚異的なスタミナでどれだけ蹴りを相手に避けられてもかまわず追っかけていくのと、中原選手は鈴木千裕戦や白川陸斗戦で露呈したのですが結構被弾ちがちなんですよね。鈴木戦でも組での攻防で優位になったものの右ストレートから流れを持っていかれての敗北で、白川戦も勝利したものの危ない膝のシーンがあったことからなんかもらってしまうんですよね。
となると、どこかでコレスニック選手が動き回る中原選手を捕まえてカーフ→パンチ→タックルのコンボをして相手が立ってもまた同じことを延々とやり続ける無間地獄コンボを叩き込むことはそう難しくありません。

その際に重要なのは近距離の組み、具体的には中原選手の投げにコレスニック選手がどう対応するのか?というところですね。スペシャルな打撃のスキルとフットワークを持っていますが実は柔道バックボーンである中原選手は近距離戦になると組んで投げて攻防をリセットする傾向にあります。これが上手くハマればそのまま中原選手が押し切れそうですがこれすら対処されるとなるといよいよコレスニック選手の無間地獄コンボで畳みかけられそうです。

正直かなりタイトルに近い選手同士の試合だとは思います。
これに勝った選手は次戦に斎藤裕選手やケラモフ選手と言った元王者など明確に立ち位置が上の選手との試合をしてタイトル挑戦の気運を上げるか、いきなりタイトルマッチでも良いと思います。実は2023年に荒れまくって焼け野原疑惑のフェザー級に新しい風を吹かせてほしいですね。


⑥”ブラックパンサー”ベイノアvs井上雄策

見た目は色物っぽいんですが中身は結構ガチっぽいカードの印象です。
まぁ多分筆者がマッスルグリルを一切見たことが無くて井上雄策選手の印象がc plus gymのしゃべりが面白い人というのが原因なんでしょうかね。

”ブラックパンサー”ベイノア選手は極真空手で鍛えた一発の鋭さとフィジカルの強さが特徴でキックボクシングでは第2代RISEウェルター級王者になった選手です。ただMMAでは1勝3敗、本職のお笑いではM1GP2回戦敗退と不振続きです。そんな現状を打破するためにベイノア選手はAKA(American Kickboxing Academy以下AKA 元UFC王者ハビブ・ヌルマゴメドフやケイン・ヴェラスケス、ダニエル・コーミエが所属していた世界最高峰のジム。)に1年間武者修行に行き、この試合が修行後初めての試合です。

井上雄策選手は元修斗ミドル級新人王で柔道やレスリングをバックボーンに持ちながら強烈な打撃が武器のストライカーです。RIZIN初参戦となった「RIZIN LANDMARK 6」の渡慶次浩平戦ではストライカー相手に一歩も引かず約5年半ぶりのMMAをKO勝利で飾っています。

正直この試合は試合展開のカギもないと思うんですよね。
如何せんベイノア選手がAKA修行でどこまでMMAファイターとして進化しているかというのがあまりにも未知数すぎて、本当に試合が始まらないと何もわかりません。

ただ以前のベイノア選手よりかは明らかに強くなっているとは思います。なぜなら芸人さんなら1年も充電期間があれば以前よりかは確実に面白くなっているはずでしょうが、ベイノア選手の例のマイクを見る感じそっち方向の進化はしていないと思うんですよね。なんだったらちょっと後退してるかもしれません。
ということは芸のキレを失うくらいしっかりと格闘技に打ち込んでいるということの証明なので、少なくとも進化したベイノア選手は見れるという点は期待してもいいのかなぁと個人的には思いますね。


⑦倉本一真vsヤン・ジヨン

今大会の目玉の1つの日韓対抗戦の先鋒戦です。
まぁ日韓戦と謳ってはいますが実のところはRIZINvsRoad FCの団体対抗戦ですが、Bellatorほど名前があるわけではないRoad FCとの対抗戦といったところで見る人も困惑すると思うので日韓戦というわかりやすい眼鏡を作ったという感じなんでじゃないんでしょうか。

倉本一真選手は全日本大学グレコローマンレスリング、全日本レスリング選手権グレコローマン3連覇などの実績を引っ提げてMMAに参戦した選手です。グレコローマンレスリングで培った四つ組みやガブりの強さ、圧倒的パワーが特徴ですが現在元谷友貴選手、太田忍選手に敗北していて連敗中でもあります。そんな状況を打破するために太田忍戦の前ですがアメリカの名門ジムのFight Ready Teamに2か月修行に行き元UFC2階級王者ヘンリー・セフード選手などと汗を流しました。そこから約1年たっているのでどれだけ進化してるかが非常に楽しみな選手です。

ヤン・ジヨン選手は現在RIZINでは2連勝中、主戦団体のRoad Fcでは通算6勝1敗で2か月に1回は試合をしているコンスタントに活躍している選手です。キックボクシングがバックボーンでその実力は韓国の団体で王者になるほどで、組みの実力もRIZIN初参戦時に昇侍選手をバックチョークで倒したりと隙の無い選手です。

組に行きたい倉本選手と打撃を当てたいジヨン選手と言うわかりやすい構図ですが、この2人には14㎝のリーチ差がありしかも14㎝長いのがストライカーのジヨン選手ですので、倉本選手は組み付くどころか普通なら前に出ることも厳しいです。

なのでこの試合展開のカギは倉本選手のアメリカ修行の成果をどこまで落とし込めているかですね。
前戦の太田忍戦では開始27秒でKOされてしまい修行の成果もまともにだせなかったのですが、わずかな試合時間と修行先からおそらく新スタイルの理想形はセフード選手のようなレスリング力を活かしたプレッシャーと空手のような半身の構えからのステップと打撃を軸としたスタイルだと思います。
セフード選手の紹介は個人的おススメの北方大地選手の選手紹介動画がありますのでそちらを見ていただければと思います。ぎゅっとまとまった良い動画ですので見ていただけると幸いです。

そんなセフード選手と倉本選手は共通点が多く(レスリングバックボーン、階級ではサイズが小さい)参考にするならこれ以上ないと思います。
実際太田忍戦ではセフード選手っぽい半身の構えと前足のフェイントなど明らかにスタイルを変えてきていることがうかがえます。ここからプレッシャーと飛び込みで戦う気だったのではないかと思いますね。

そしてこれをそのままジヨン選手にぶつけるのではと思います。
リーチ差はかなりありますがやはりあの圧倒的なレスリング力はどんな相手でもプレッシャーになりますし、そこにセフード選手のような前後に強い動きを取り入れることでステップ&ジャブで距離を取るジヨン選手を捕まえられるのでは…という試合展開です。勿論倉本選手のプレッシャーが弱かったりジヨン選手がガンガン前に出て打撃を振ったりすれば一気に流れは持ってかれそうです。最初に2人の前手が接触した時と倉本選手のタックルへのジヨン選手の対処が大きな見心ですね。

実は37歳と意外な年齢の倉本選手とすれば2連敗という現状ここを落とすわけにはいきません。またジヨン選手も自身初敗北の相手であるラジャバリ・シャイデュラエフ選手がRIZINと契約したことでリベンジマッチのことを考えると、ただの日韓戦とは違う味わいがしてきましたと思います。
いろんな視点がブレンドされた味わい深いコーヒーのような試合ですね。意外と負けたら苦い立ち位置にいるということも含めて。


⑧神龍誠vsイ・ジョンヒョン

日韓戦の次鋒戦ですが個人的にはかなりの格差マッチだと思っています。
ただイ・ジョンヒョン選手のスター性というかギラギラした若手の感じはいいですね。RIZINフライ級に新たな化学反応をもたらしてくれると思います。

神龍誠選手はそのグラップリング能力とフィジカルを武器に国内団体のDEEP、アメリカの団体CFFCで王者になったことがある選手で若干23歳ながら国内フライ級トップクラスの実力者です。その実力を買われ「RIZIN.45」ではRIZIN初代フライ級王座決定戦としてあの堀口恭司選手と対戦しました。結果は負けてしまったものの堀口選手をテイクダウンするなど試合前の圧倒的不利な空気を覆すほどの活躍をしました。

イ・ジョンヒョン選手は21歳ながらそのイケイケの打撃と試合決定率100%というとてつもない数字を引っ提げRoad TO UFC(以下RTU UFCがアジアの若手選手を対象に階級ごとのトーナメントを行い勝った選手と契約する大会)にも出場した韓国期待の選手です。

ただ正直やってきた対戦相手が神龍選手の方がかなりレベルが高いんですよね。
堀口選手に敗北するまでは国内フライ級トップ選手を中心に10連勝をしていたり、今回の試合が神龍選手がサウスポーでジョンヒョン選手がオーソドックスの”喧嘩四つ”ですがこれは堀口戦も同じシチュエーションだったということで神龍選手はその時に入手した経験値を丸ごと使うことが出来ます。

さらにジョンヒョン選手のキャリアの大半であるRoad FC ARCは普通のMMAと違い試合時間は3分3Rで寝技は30秒のみという変則ルールなので通常のMMA選手よりも組み技が隙なんじゃないか…
と個人的には神龍選手有利の要素がかなり多いマッチメイクだと思います。なので割とあっさり神龍選手がテイクダウンを取って固めるか一本を獲るかという試合展開予想です。

RIZINフライ級は新設された階級とはいえ王者堀口恭司選手を筆頭に扇久保博正選手や神龍誠選手、ジョン・ドッドソン選手など強者ひしめく密度の高い階級となっていますが、その王者の堀口選手がUFC参戦の噂が立っているなどまだまだ不安定な所がある階級でもあります。
個人的な予想ですが2024年下半期、もしくは2025年を使ってフライ級トーナメントを行うと思っていますので、この試合はそこにつながる試合と思えば面白いんじゃないでしょか。少なくとも筆者はそういう見方をして楽しもうと思います。


⑨中島太一vsキム・スーチョル

結構とんでもない試合があっさり決まった印象です。例えるなら会社のおすそ分けでバクバク食べたお菓子が自分の知らない高級ブランドのものだったみたいな感じです。(筆者実話)ああいう際に食べてからブランドいうのなんなんですかね。

中島太一選手は元バンタム級キングオブパンクラシストでロシア最大のMMA団体であるACAに参戦した過去がある日本バンタム級トップクラスの実力者の選手です。
ジャブとバックステップで距離感をコントロールすることに長けており「RIZIN.44」では元修斗王者岡田遼選手を完封しました。

キム・スーチョル選手は元Road FCバンタム級王者、元ONEバンタム級王者、現Road FCフェザー級王者でありRIZINの前戦である「RIZIN.40」のRIZINvsBellator対抗戦でフアン・アーチュレッタ選手とRIZINの歴史に残る大激闘をして一気にRIZINファンからの人気を得ました。

パンチや蹴りの強打を上下に振りながら前進して一歩も引かない超近距離のハードなスタイルで相手にしんどい試合を強要させます。特に四つ組みの強さが尋常ではなく組み際のアッパーや相手に大ダメージを与える膝、そこからのガブリの展開が得意でそれぞれの攻撃がよどみなく連結していき相手にプレッシャーをかけ続けます。またフィジカルが意外と強く扇久保戦では扇久保選手のタックルで完全に片足を取られた状態から回避するというシーンを創ります。

試合展開のカギはどっちが自分の試合に付き合わせるかです。具体的には試合のテンポですね。
中島選手はそのジャブと小さく下がる細やかなバックステップで相手との距離を十分にとりつつ、相手が無理に詰めてきたら左フックで迎撃するという距離を取ったゆったりとした試合展開を好みます。
反対にスーチョル選手は被弾はお構いなしにガンガンに前に出て相手をコーナーに詰めて強烈なパンチやキック、タックルで相手にダメージを与えていき相手が離れてもまた同じことを5分3R続けるハイテンポな試合が得意です。このように中島選手とスーチョル選手ではやりたい試合内容や試合のテンポ感が真逆です。

ではどうやって相手のテンポを崩すのかというとスーチョル選手はいつも通りのスクランブルで来ると思いますが、中島選手はジャブとカーフでスーチョル選手の出足をけん制しつつ、バックステップで距離を取り攻撃をちくちく当てながら無理やり相手が出てきたところを対応するものだと思います。
イメージはアレクサンドル・ヴォルカノフスキーvsマックス・ホロウェイ3ですね。ヴォルカノフスキー選手が中島選手、ホロウェイ選手がスーチョル選手と思えば中島選手がやりたい試合展開がわかりやすいかと思います。

スーチョル選手の場合はいつものスクランブルですが今回はいつもよりコーナーにしっかりと追い詰めると思います。なぜなら中島選手の大きな武器のバックステップは後ろがコーナーやロープだったら機能しなくなるのでいつもよりタフなスーチョル選手が見られるかもしれません。少なくともスーチョル選手が中島選手にコーナーを背負わせている状況が出た場合は問答無用でスーチョル選手有利というのは間違いないですね。

RIZIN黄金のバンタム級は大晦日の朝倉海vsフアン・アーチュレッタでやり切った感がありますが、この前の井上直樹vs佐藤将光や今回の試合を組めているあたりまだまだバンタム級はRIZINの中心階級なんだと再確認させられますね。
おそらくこのRIZINバンタム級ロードマップの最後にはパトリック・ミックスがいるので誰ならやれそうかという視点で観るのも面白いと思います。


⑩牛久絢太郎vs太田忍

萩原選手も階級転向を示唆していたりと日本格闘技界n度目の階級変更ブームが来ていますが、実は階級転向に欠かせないハイパーリカバリーの元祖はATT時代のJ.Z.カルバンなんですよね。ATTここで出てくるかという感じです。

牛久絢太郎選手は元RIZIN&DEEPフェザー級王者です。無類のスタミナと練習で行ったことをしっかり出せるまじめさが特徴です。現在はATT移籍&バンタム級転向という岐路に立っており今回がバンタム級初戦です。

太田忍選手はリオオリンピックグレコローマンレスリング銀メダルの実績を引っ提げてRIZINにやってきました。戦績は5勝3敗で勝つときは圧倒して勝も格上相手には競るも落としてしまう歯がゆい状態が続いています。

この両選手なんですが実は”これといった決め手がない”という共通点があるんですよね。朝倉未来選手だったら左ハイ、朝倉海選手だったら右ストレートといったようないわゆる必殺技が無い2人です。

太田選手はそのレスリング力がピックされがちですが、実は組んでからの展開が乏しく壁際で組んでも寝かしてパウンドやバックを取ってチョークというった展開がなく、ただ相手を押し付けるだけ…というのが結構目立っています。実際佐藤戦では壁に押し付けて有利な側の太田選手が佐藤選手からダメージを与えられているというちょいと不可思議なことが多発しました。
組は無敵なんですが言ってしまえば組しかないんですよね。組む前と組んだ後にそれほど怖さはないので意外と付け入る隙がある=そういう技術を持っているベテランに負けるということが、ベテラン相手に競り負ける理由かなと思います。

牛久選手もRIZIN王者になってから特に打撃が一皮むけてきましたが、朝倉未来戦では引き込み多発、萩原戦では完全なバックを取ったり打撃でも主導権を取りながらもフィニッシュはできなかったなど安定感と決めてがあまりないイメージです。
また今回は階級転向初戦ということでどれだけ動けるかという部分も未知の世界です。一般的に階級転向のメリットはフィジカルとリーチが上昇するがスタミナや耐久値が減少するのですが、今回はバンタム級でも最上位のフィジカル&スタミナの太田選手なので正直階級転向でのメリットはほぼないと個人的には思います。

なので今回の試合展開のカギはどちらが必殺技を持ってくるかですね。
牛久選手に関してはATTでの練習の影響となんだかんだ毎試合新しい一面を見せてくれているので正直必殺技の予想は困難なんですが、太田選手に関してはバックからのチョークか上を取ってのパスガード、崩してのパウンドなどが挙げられます。
そして今回は相手が決め手がないからこそ必殺技を持ってきた方がかなり有利だと思います。必殺技の影響としては大ダメージや一発逆転もさることながら、相手にポイントや印象を取られたという大きなプレッシャーを与えることが出来ます。打たれた場合はこちらも負けじと攻めたいのですが現時点の両選手は攻めの軸=必殺技が無いので一発逆転が難しく、また両選手とも相手を固める行動が上手いので取られたポイントは結構取り返せないんじゃないかと思いますね。

実は両選手ともに必殺技があればハチャメチャに面白い試合になりそうですが、逆に両選手に無かったら決め手に欠けたRIZIN史上に残る凡戦になりそうです。そうなったらどういう空気になるんですかね。そうなったら試合後の撮影で2人で並んでパァ(*'▽')ってやってほしいです。


⑪鈴木千裕vs金原正徳

今年最初のナンバーシリーズの大トリは2023年を大きくにぎわせたRIZINフェザー級タイトルマッチです。1年前にこの2人がタイトルマッチをすると予想出来た方はその先読み能力を駆使して現在江東区区議会議員選挙中の須藤元気氏に代わって政治家を目指してほしいものです。

鈴木千尋選手は現RIZINフェザー級&現KNOCK OUT BLACKスーパーライト級王者のMMAとキックボクシングの二刀流の選手です。
キックで培った左フック&右ストレートが最大の武器で前戦ではアゼルバイジャンでヴガール・ケラモフ選手に衝撃のKO勝利をしました。
ファイトスタイルは前い重心の構えで左のジャブと前蹴り、三日月蹴りで間合いを整え必殺の左フック&右ストレートの必殺コンボで倒します。

金原正徳選手は戦極やUFCで活躍した経験を持つオールラウンダーです。現在RIZINフェザー級では負けなしの4連勝中で前戦のクレベル・コイケ戦では日本人無敗のクレベル選手に真っ向からグラップリングで勝負を挑み勝利しました。
ファイトスタイルは後ろ重心で目の良さを生かしたステップで相手の攻撃を避けるので腕を下したノーガード気味の構えです。そこからノーモーション気味の右ストレートや組んでから必殺のトライポッドパス(頭と肩を動かさずに相手に密着して下半身だけで相手を跨ぐパスガード)で一本を狙います。

試合展開のカギはどれだけ自分の武器を信じられるかですね。
試合自体の主導権というよりスタンドorグラウンドのどちらで戦うかを決める選択権は組に秀でた金原選手が持っています。
なので鈴木選手としては本命は必殺コンボでのKO勝利ですが、序盤は金原選手と組みの攻防をお互い体力MAXでやりたくはないと思うので三日月蹴りや距離を取ってのジャブで様子を見つつ不用意に前進すれば強打を叩き込むというプランだと思います。
選択権を持っている側の金原選手ですが、こちらもいきなりタックルに出てカウンターのパンチをもらいたくないので序盤はカーフキックや右ストレートげダメージを与えつつ相手が出てきたところをカウンターのタックルで迎え撃つ…という感じなのかと思います。

ただこの時重要なのはお互いの必殺技が近い距離でしか発動しないんですよね。なので必然的に勝負を決めたいときは相手の危険なエリアに侵入しなければならないということです。
ここは本当にストライカーvsグラップラーの試合の1番面白いところですね。マグロでいうトロですよ。ここを制するのはそれまでの状況やお互いの武器も重要なんですが、やはりどれだけ自分の必殺技を信じられるかが最重要だと個人的には思いますね。

MMAにおけるストライカーvsグラップラーは筆者はイデオロギーの衝突のようなものだと解釈しています。どちらもその人にとっては正義であり、正義であるからこそ相手のイデオロギーを潰さなければ正当性が証明されません。これが政治や国家間で起きたなら戦争なのですが、これはMMAなんで決めるのは己が培った必殺技しかないです。
そしてMMAは非常に彩り豊かな競技ですので24歳の現役キックボクシング王者vs41歳の一度は引退したベテランというマッチメイクが日本最高峰の舞台のタイトルマッチで成立します。

この2人がそれぞれで歩んだその過程で創った自分だけのかめはめ波がこの最高の舞台でぶつかったときが非常に楽しみです。


⑫おわりに

今回の記事はいかがでしたでしょうか!
この「RIZIN.46」の視聴やチケット購入は今からでも間に合いますので、下部のリンクから自分の都合の良いPPVを買ってみて下さい!

この記事や今までのnoteに対しての感想や意見はドシドシお待ちしていますのでコメントやTwitterで反応や拡散をしていただけるととてもうれしいです!泣いて喜びます!

ここまで読んでいただきありがとうございます!

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