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【106本目】「認知バイアス事典」読後感想
情報を正しく選択するための認知バイアス事典
「情報を正しく選択するための認知バイアス事典」(フォレスト出版)という本を読みました。
結論から言うと、読んで損はありません。
論理学的アプローチ、認知科学的アプローチ、社会心理学的アプローチからさまざまなバイアスを紹介してくれる本です。
バイアス
人間はさまざまなバイアス(偏り)を持って物事を認識してしまいます。
自分は正しいとか、みんながやっているから正しいとかです。
このバイアスがあることを知っているだけで、社会に潜む罠に気付けるだろうと思います。
具体的には、限定品と書かれていてつい購入してしまいたくなることはよくあります(スノッブ効果。人の持っていないものが欲しい欲望)。私自身、これでポチってしまったことも多々あります。
他にもファイントラックの製品を購入しておきながら、ファイントラックの製品を高評価しているレビューを見てしまう(確証バイアス。自分の都合の良い情報を探してしまう)ようなことがありました。
そして、誰でも知っているだろうと思い、漫画「ワンピース」を例えに出すものの、相手がポカンとしていること(知識の呪縛。自分が知っていることを他人も知っていると思い込んでしまう)などは職業柄よくあります。
メリット
上記のように、自分が陥っている罠を知ることができるのが本書を読む最大のメリットだと思いました。
前述した「知識の呪縛」は最後の項目にあり、その中でこう書かれています。
「認知バイアスのほとんどは、無意識に作用する。よって、知識がない状態では、気づくことも防ぐことも難しいのである。」
この言葉は至言だと思います。学ぶことの重要性を教えてくれます。
知っておいた方がいいバイアス3選
スノッブ効果
よく私がハマる罠です。限定品に目がありません。
ファイントラックという会社が12月ごろに型落ち品をアウトレット価格で販売します。モノがいいのは信頼しているため、この時によくポチってしまいます。そしていつも新製品を「いいなぁ」と思ってしまいます。ガレージブランドなんかも好きで、〜着のみ、などと書かれているとついポチろうとしてしまいます。
「影響力の武器」という本でも、マーケティングでは「希少性」というアピールポイントが使われると書かれてありました。
確証バイアス
自分が正しいと思う情報にばかり目がいくバイアスです。
「4枚カード問題」というのがあります。
A、K、4、7というカードがあります。ここで使われているカードは全て、片面にはアルファベットが、もう片面には数字が書かれている。これらのカードを数枚裏返して、「一方の面が母音ならば、もう一方の面は偶数である」という仮説が正しいのかどうか確かめたい。裏返す必要のある、最小限のカードのみ選択して答えよ。
この問題を出されると、ほとんどの人はAと4を選んでしまうそうです。Aが母音なので、裏が偶数かどうか確かめるのは必須です。
しかし、4を確かめる必要はありません。「一方が偶数なら、もう一方の面は母音である」とは言ってないからです。
確かめる必要があるのは7の裏面で、奇数の裏面が母音であってはいけません。母音の裏は偶数だからです。
これが「確証バイアス」です。偶数という言葉に釣られて、ほとんどの人が4の裏を確かめたくなってしまうそうです。
わかりやすくしてみましょう。
米・うどんとカレー・シチューの組み合わせがあります。横からは米・うどん・カレー・シチューしか見えません。
米には必ずカレーが盛り付けられていることを確かめたいなら、カレーを確かめる必要はありません。米の奥にカレーが隠れていることと、シチューの奥に米が隠れていないか確かめればいいだけです。
このように、人は、「カレー」という言葉に引きずられて、つまり「確証バイアス」に陥って、カレーに盛り付けられているものを確認してしまうそうです。これは「主題内容効果」というバイアスも含まれており、人間が簡単に陥りやすいそうです。
知識の呪縛
人は「自分が知っていることを他人も知っている」と思ってしまう現象です。
冒頭にも述べたワンピースの例えが全然通じないという話はもちろん、子供に掛け算を教えたことのある方なら共感していただけると思います。
九九を知っている人は2×3=6がすぐ分かります。「にさんがろく」を知っているからです。
しかし、掛け算を知らない人は2+2+2=6と計算するしかありません。「にさんがろく」を知らないからです。
しかし九九を知っている人は「にさんがろく」と覚えていることを忘れています。そこで2+2+2=6と計算するしかない人の気持ちがわかりません。
ここで知識の呪縛が我々を縛ります。
まとめ
「情報を正しく選択するための認知バイアス事典」という本を読んだ読後感想文を記事にしました。
特に最後の「知識の呪縛」に関してはあまり上手く書けてないと思いますが、読んでためになりました。
読む気になっていただければ幸いです。
それでは皆様、良い1日をお過ごしください。
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