#55 距離感の問題

人間にはそれぞれパーソナルスペースというものがある。親しい人であればパーソナルスペースに近い範囲でも許容することができるし、親しくない人は許容することができない。また、パーソナルスペースは自分の前方の方が後方よりも広いらしい。なぜなら、前側は視野の範囲内にあり視覚的な圧迫感のハードルが上がるからだ。

とある授業でこの話を聞いて、自分のパーソナルスペースについて考えてみた。私は比較的パーソナルスペースは広い方なのかなと感じる。これは、人と話すときに目を合わせることができるか否かが自分の中では判断基準になっている。

私は人と目を合わせながら会話することが苦手だ。これは社会で生活していく上でかなり致命的なことではあるから直していきたいと思う。だがいきなり直すのは難しいから、どうすればいいか検討した結果、距離感でグラデーションをつけていけば良いと思った。

人と隣り合うくらいの近い距離で話す時は目を合わせるのが一番難しいからこれは優先順位が最後になるだろう。どのくらいから目が合わせられなくなるかというと、大体5mくらいだと思う。これは、ゼミなどで先生と目が合う時の距離である。

先生の話を目を見て聞かないといけないが、ずっと目を見ていると、何故か笑ってしまいそうになるのでタイミングを見計らって目線を逸らしている。いつ目を逸らすのかのタイミングを伺うことばかりに神経を集中させすぎて肝心の話している内容に集中力を全て持っていくことができない。

そうなると大体5m以上離れると目が合わせられるということになるが、5m以上の距離をとってコミュニケーションするタイミングはいつだろうか。

昔はサッカーをしており、プレーをしている時は味方に声をかける時味方の方を見て大きな声を出していた。遠い距離で相手を見ないというのは、側から見たら一体誰に話しかけているのか皆目検討がつかなくなるので、相手を見ることは当然の流れとなる。だが、現在ではそのような状況はほとんどない。

では、5mの距離感で目を合わせられるようにするには、逆にずっとこちら側が目線を外さずに凝視すれば良いのだろうか。こちらの目力で相手を圧倒させれば良いのだ。だが、それだと目力を発揮することに神経が持っていかれるから、また肝心の話の内容に集中できなくなる。

集中しながら相手の目を見て話すというのはこう考えるとかなり難しいことだと感じられた。もっと至近距離の状態で目を合わせるとなると、もっと話に集中できなくなる。そうすると結局、目を見て話さないという元のスタイルに戻ることになる。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?