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柵を飛び出す息子二人

2005年に最初のブログを始めて、まだ乳幼児だった息子二人のことを記録してきた。
大きくなるにつれて、私の手を離れ、個というものがしっかりしていくと、私が勝手に書いても申し訳ないし、本人たちも書かれたくないだろうし、書くことは減っていった。

でも、久々に記録したくなり、また、記録しても意に介さない二人になったと思う(笑)

昨夜、静岡から一泊で帰ってきた長男(大学3年生)と話をする中で、兄弟が小さかった頃、枠や柵の中にはおさまらないくらいに心身が活発で、おさまらない子であってほしいと願いながら育ててきて、それなりに柵の中で過ごした期間もあったけど(例えば小中学校)、二人とも自分たちの考えや力で、再び(やっぱり)柵から飛び出すような生き方をしてくれていると感じ、心からうれしく思った。
あの頃の育児が、今につながってるんだなあ~という感慨深い気持ちで涙が出た。

話の内容は、例えば長男が口にした『「空気」の研究』という山本七平の本。

<内容(「BOOK」データベースより)
日本において「空気」はある種の絶対権力を握っている…。著者の指摘から40年。現代の我々は、ますます「場の空気を読む」ことに汲々とし、誰でもないのに誰よりも強いこの妖怪を「忖度」して生きている。いまだに数多くのメディアに引用され論ぜられる名著。これぞ日本人論の原点にして決定版である。>

長男は今、本をめちゃくちゃたくさん読んでいて(幼い頃は本を読まない子だった)、勉強にも熱心(小中は学校の勉強が嫌いで、テスト週間に勉強している姿を見たこともなかった)。
この本は、コロナ禍だから読んだというよりは、大学時代に政治や経済や哲学の本を乱読する人なら、たどるような名著の様子(ゼミの教授ともこの本の話になったそう)。

理由があることには従うけれど、周りに合わせるとか、空気を気にして忖度する、ということができないし、私もしなくていいと思っている。

それゆえに当然叩かれることもあるし、はじかれることも、孤独を感じることも経験してきて、大学1,2年の時は、コロナによるオンライン授業への不満や保守的な大学や仲間の学生にも苛立ち、活発がベースにありながらも(だからこそ)精神状態が不安定で私も心配だった。

それが、3年生になり、対面授業の復活や、頼もしいゼミの教授や興味深い学びを与えてくれる教授たちとのやり取りで、ようやく充実した大学生活を送っている様子。

長男はマスクについて、必要な場面ではしつつも、思考停止にずっと着用しているのではなく、教室の一番前で授業を受け、教授との間にはパーテーションがあり、他の生徒との距離もある時はマスクを外している。
というか、見てないけど、「マスクを外すこと」をメッセージとしていると思う。
すると誰かに「ちくられ」て、生徒指導担当の教授に呼び出されたそう。
でもその教授はよく知っている法学系の教授なので、
「(マスクをしないというのは)行政事件訴訟法ではどうなんでしょうか?」とか、「罪刑法定主義では?」などと議論をしているらしい(笑)

長男の言い分としては、口頭注意ではなく文書など適正な手続きで訓告されたら、その対応を考えるとのこと。
*学部は経営情報学部だけど、本人が法律に興味があって通信でも学んだ。

このような長男の態度を「許せない」と思う人もいるだろうけど、私は、自分の息子だからではなく、若者はこのくらいでいいと思う。このくらいの若者がいてくれなくちゃ、と思う。
残念ながら、同じ大学内には、「俺もそう思う」「私もそう思う」的に、長男に続いてマスクを外す仲間がいないようだけど、私の母校の早稲田だったらどうだろう?と思う。今の早稲田はおとなしいのかな・・・

長男が知り合ったイランからの留学生(長身でモデルみたいにカッコいい、インスタでも人気の子)は、「日本人おかしいよ、こんなに真面目にマスクをしているのは日本人くらいだよ。M(長男)は、マスクしないし、沖縄みたいなファッションでいいね!」と褒めてくれるそう。

その留学生くんの目立ち加減も相当で(大きいし、ファッショナブルだし、腕にタトゥー)、長男も、その路線でいいと思う。

さらに長男は、「大学が7月までクーラーつけん、って言うから、明日、アパートの扇風機を担いでいこうと思う」と言い出したので、
ハハハハハと笑ってしまった。
扇風機って!(笑)

そんな時私も「やめておきん」とは思わず、そんなことしようとする長男、すごいなあって思ってしまう。目立っても、後ろ指差されても平気。
まあ、入学式もなかった大学の最初(健康診断)に、白いランニングシャツ&ジーンズに、付け髭(海苔で)して、フレディー・マーキュリーの格好をしていった子なので、平気なんだろうけど・・・(笑)

長男が昨夜言ったことを、幼い頃、出始めの言葉を記録していた頃のようにメモした。

<「空気」によってしか、自分の善悪を判断することができないクズどもは、他人の杓子定規でしか善悪を判断できない>

<何を言ったとしても善悪の美意識のベクトルで見るのではなく、権威のある人が、今までこういうことがあったかどうか、それに当てはまるかどうかで見る>

*まだまだ稚拙な物言いで、おかしいところもあるけど、本などの学びに自分の体験を加えて、いろいろ感じ、考えている様子が微笑ましいし頼もしい。

長男が尊敬しているステーキハウスのマスターが、成人式の頃に飲みに連れて行ってくれた時に歌った近藤真彦の「ギンギラギンにさりげなく」の、
「ギンギラギンにさりげなく そいつが俺のやり方」の、
「そいつが 俺の やり方」
の部分にとっても感銘を受けて共鳴したようで(笑)、*マスターがそういう人ということもあり、
それまではメンタルが落ちていたけど(大学2年の冬)、「そいつが俺のやり方」と割り切ったら、浮上できた様子。

長男が、「お母さんとオレに似てない?」と言った、昔のマッチ。

さらに、同じ時に知った石川さゆりの「朝花」という歌の中の、
「あの朝花の 調べに寄り添い
ハイハイ ハ~レイ ヨイサヨイと 生きて生きてきました」
が最後、
「ハイハイ ハ~レイ ヨイサヨイと 生きて生きてゆきます」
とこれからの意志(希望、決意)に変わるニュアンスからも何か感じたようで、この二つの昭和の歌が、長男を励ましてくれていることをありがたく思った。
(マスター、ありがとうございます)

マスターは
<「若い人はサーロインが好きと言う人が多い」と言われても、「俺はヒレが好きなら、ヒレが好き!」という生き方をすればいいんだ!>
とも言ってくれたみたいで、本当に、若い時の尊敬できるアニキの存在は大きい。

ちなみに次男は、クーラーがつかない間も今も、学校に毎日氷のうを持って行っていて、それにも元々ウケていたけど(誰もそんな人がいない中、貫ける姿勢を)、そんな次男に、
「むーくんは氷のうだけど、お兄ちゃんは扇風機を担いでいくんだって!」って言ったら、次男は笑った後、
「国家の損失だな!」
と言った(笑)

*兄弟とも、国公立大学を目指し、国や県から支援を受けて勉強をがんばる身として、というニュアンス
*長男の県立大学は、節約のためにクーラーをつけてないわけだけど、この猛暑に(長男以外のみなさんはマスクでさらに暑い中)クーラーをつけられないという状況は、前々から問題視されている、国が教育分野にじゅうぶんなお金を回さない、情けない問題の表れでもある。

次男は次男で、期末テストが終わり、クラスマッチのために、クラスの仲間たちとソフトボールの練習をしている。
次男は小柄なのに、キャッチャーの役目らしく、ピッチャーの子が速い球を投げるけど、受けれる子がいないとか、本当はセカンドとかライトがいいけど、勝つためのクラス内での配置だそうで、家では最も偉そうな(王様の)次男が、献身的な役回りを引き受けていることがおもしろいし、うれしい。

そして、当日はやはりまた、この菊地のユニフォームも持って行くそうで(笑)
*兄からのプレゼント!

真面目でおとなしめの子が多い高校で、「他がやらんから俺がやってる」そうです。長男も次男も「他がやらんから俺もやらん」ではないところが良い(笑) 
昔から、他に合わせようとか人の目を気にしないところがいいなと思う。

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記録としていろいろ・・・

校区の広報に出た、成人式の長男の「誓いの言葉」にまつわる記事。

小学校の頃は、何かで表彰されるということはなかったし、ひらがなはキタナイし、漢字は覚えられないし、宿題はやらないし、という子だったけど(それでも人前で何かやるのは得意だった)、中学、高校、大学と、明らかに成長していき、20歳で、多数の友達の推薦で代表を務めさせてもらえて光栄でした。
また、私自身が進学校で過ごし、次男も今がんばっているので、進学校を否定するわけではないけれど、長男は商業高校で実践科目を学び、めいっぱい楽しんで過ごし、勉強に疲れていない状態で入った大学で、びっくりするくらいに勉強している。型にはまった思考をしない。

シュタイナーの幼児教育の中に、「早期に知的に目覚めさせてはいけない」(早期に知的教育を強要してはいけない)という教えがあるけど、長男の歩みを見ていると、重要なのは、自己の軸、みたいなものを幼少期からの生育過程で養うことだと感じる。もちろん、次男にもそうしてきたし、選ぶ道は違っても、二人ともたくましくて頼もしい。

以下、長男の今回の夕食のリクエスト「肉と野菜がいっぱい食べたい」

サラダ(丼サイズ)、具だくさんの野菜スープ(丼)、親子丼の具の残り
豚ロースの焼肉(オリジナルのタレで味付け)を、ボウルいっぱいのサニーレタスでくるんで、市販の焼肉のタレ。
2回目のフライパン。
その他にビビンバも!

これは前回分、母からもらったインゲン豆のガーリックソテー。
とうもろこしも・・・
長男のTシャツ。この程度でさえ目立つくらいにみんな地味らしい。私好みの色やデザインでもある。
ついでに、野菜嫌いな次男のためのフルーツ。
ちょうど出てきた、10年前くらいの屋根に上っている兄弟の写真。
空がきれいだなあ~って思ったら二人がいた(笑)

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8月27日(土)は、石巻地区市民館で私単体の子育ての講座があり、
10月の1週目か2週目の土曜日に、アイプラザ豊橋で3年目の親子トークを開催予定です。
今年の親子トークは、長男主体で行います。
我が子ながら、言うことがすっごいおもしろいと思います。

昨年の夏休みは、バイクで野宿しながら日本一周をした長男ですが、今年の夏休みも、大きな挑戦(人様への貢献)の予定があります。

親子とも健康に気をつけて、鬱屈した世の中が、少しでも良くなるように、がんばり過ぎずに、がんばっていきたいです。



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