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ミスター・妄想癖が想う樋口円香 前編

WINGコミュを見て感情が高ぶりすぎたので、某所にぶちまけてきたんですが、あまりにとっ散らかっててまとめきれなかったんでnoteとやらを試してみることに。怪文書を、というか文章を発信するようなこと自体ほぼ無いので、読み辛いところも多々あると思いますが良ければお付き合いください。

よし、予防線なら十分!

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実装前から「冷たい態度を取る」とは紹介されていたものの、シャニPに対するあまりに切れ味の鋭すぎる口撃は予想以上で、それを華麗に受け流す鋼メンタルのシャニPと共に、早速Twitterトレンド入りを果たした283プロの狂犬こと樋口円香さん。

コミュを追う前に、まずWINGコミュから解釈した「樋口円香」の本質について、筆者なりの結論を語り、前提としたいと思う。

円香の本質は非常に「臆病」で「悲観的」な子ではないかと思う。そしてそれは、透を初めとした「幼馴染との関係」を大切に想うあまり、「今」を守ろうとして生まれたもの。つまり彼女の行動原理は「変化を恐れている」という点に集約していくと思う。彼女のきつい言動は「変化をもたらす外敵」から大切なものを守るためであり、また、自分を「保つ」ため、何かに深入りせず常に一歩引こうとする姿勢が彼女のシニカルな面を形成しているのだと考える。

これを踏まえた上で、コミュを解釈していく。


夜に待つ

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出会いコミュ。樋口が事務所に凸するところから始まる。正に狂犬、といった感じの行動力だが、後のコミュを読んだPたん達は既にご存知の通り、樋口はかなり良識ある真面目な子で、ここまでぶっ飛んだ行動を安易に行うタイプではない。

では何故こうなったのかと言うと、透がアイドルになったという状況が、樋口にとって脅威となり得るほどのイレギュラーだったからではなかろうか。

透の出会いコミュで、シャニPがスカウト話を持ち出した瞬間の塩対応から分かるように、普段の透ならアイドルに興味すら持たず断ったであろうし、樋口の認識する透もそうだったはず。しかし、シャニPが「ジャングルジムの人」だったというイレギュラーにより態度一変、あっさりアイドルになった挙句にPと急接近。これは樋口にとっては晴天の霹靂といった事態だったであろう。

これにより樋口の中に「透が変えられてしまう」という恐怖心が芽生え、極端な行動に走ってしまった。

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この時点での樋口はばーりばりに警戒心MAX。事務所の中だと監禁すら有り得る、とほぼ犯罪者扱い。

ただ、「騙されてるかもしれない」という心配は半分建前のようなもので、根が常識的な子だし、シャニPからきちんと説明を聞いた時点である程度事務所への不信は落ち着いているのだと思う。本命は名刺を渡されたときの「こいつが透を変えた元凶だ!」という敵意。

一方シャニP側は「まっすぐな瞳」から円香の資質を見抜いている。まだ具体的なところは何も知らないけど、円香の根っこの部分に対する信頼のようなものは生まれていて、これが後のシャニPの鋼メンタルの軸になっている面もあるのではないか?


カメラ・レンズに笑う

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樋口構文初出。一度喜ばせておいての切れ味ある皮肉に、流石のシャニPも思わず閉口。樋口にとってシャニPは「透を変える敵」なので、露骨に敵意をぶつけてくる。それにしてもこの煽りセンスの高さ、樋口は頭の回転が速く地頭が良いタイプとみた。それだけに、自分の敵意が身勝手なものであるという自覚もあるのではないかと思う。

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イマイチ乗り切れない樋口に路上ライブを見せるシャニP。しかし樋口は一切興味を持たず、そればかりかアイドルを見下したような発言をする。

初見の時は正直読んでてヒヤヒヤした。シャニPにきついのはまだしも、アイドル自体に悪意をぶつけるのは、アイマスPにとっては禁忌では?と。このあたりで樋口無理、となってしまったPたんも居るのではないかと思う。

この発言については、単にアイドルを見下してる、またはシャニPが嫌いだから「坊主憎ければ袈裟まで」精神から発されたものだと最初は考えたが、先述で触れた「変化を恐れる」性質に起因するものだと考えを改めた。

変化を恐れる樋口は、新しい人間関係や新しい価値観をなるべく自分に入れたくないという保守的な考え方が染みついている。だから、根の真面目さから礼儀等はしっかりしているものの、一定以上に誰かと親しくなったり、アイドルに限らず、自分の知らない何かに興味を抱いて深入りするようなことを避けるのではないか。その為に敢えて物事を斜視して、シニカルな態度を取っているんだと思う。そうして偽悪的な態度を取ることで、意図して嫌われ者となり、周りを寄せ付けまいとしてる面もあるのだろう。

それだけ聞くと相当な厄介者だが、忘れないで欲しいのは、そういう殻を作ってまで変化を恐れるのは「幼馴染」という大切な関係を守りたいが故であるということ。敢えて斜視するのは逆に言えば、物事を真っ直ぐ見れば簡単には無視できないからであって、根の部分では情が深い子なんだと思う。


バウンダリー


タイトルの『バウンダリー』とは、ざっくり言うと「心の境界線」のこと。

三峰を彷彿とさせるワードだが、三峰のそれが「他人と人間関係を構築する上で定める距離感」であるのに対し、樋口の境界線とは「自身や大切な人と、それ以外を隔てる城壁」のことだと思う。

城壁の外側は斜視し、興味を持たず、近づこうとするものは高火力の偽悪的口撃で排除する。そうすることで城壁内の不変を守っているのだ。それを念頭に置き、読み進める。

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つよい。カメラからの行間の中で、毒を吐く樋口と堪えないシャニPという構図も繰り返されてきたのだろう。煽り流しが熟練の域に達している。出会いの夜に樋口の「まっすぐ」な本質を見抜き、そして行間で実態をも理解してきたシャニPにとって、樋口の口撃はもはや牽制にならないのだ。

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事務所への道中ファンに声をかけられる。戸惑いながらも対応する樋口。今までの言動から考えると、ここは拒否しそうな場面ではあるが、「仕事」である以上はきちんと対応しよう、と真面目さが発揮されたのかもしれない。

そしてファンが去った後、樋口の内に湧いたのは「否定」よりも「疑問」だった。この時点で、既に樋口は少なからずアイドルに興味を持ってしまっている。仕事としてやっている以上、「アイドル」を斜視して城壁に近づかれる前に否定するいつもの戦法が徹底できなかったのだろう。

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アイドルと同様、シャニPのことも斜視を維持するのは当然難しい。立場の上では「敵」のままであるものの、シャニP自身の人間性が信頼のおける人物というのは十分に伝わっていると思う。

「見張る」と建前を口にはしても、同じ事務所側の人間であるはづきさんへの態度からも分かるように、樋口に残っているのは変化を忌避する身勝手な感情でしかない。

だからこそ、非がないはずのシャニPが自分の「八つ当たり」に素直に謝罪の言葉を口にするのが「癇にさわる」のではないか。「いっそ嫌な奴であってくれたらいいのに」と。

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出会ってすぐにでも言ってそうなシャニPとの会話を拒絶する言葉を、このタイミングになって言い出した理由。それは当初は「透を変える外敵を探る」ために会話していたが、シャニP個人が嫌な奴ではないと知ってしまった樋口にとって、シャニPが「自分を変えてしまう存在」という脅威になったからだと思う。

一見相変わらずきついこと言ってるようだが、内心ではシャニPを認め始めているが故に出た、いわゆる「好き避け」的な台詞と考えると大層萌える。

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樋口を理解してきたシャニPにとって目下の悩みは、樋口の自己評価の低さにあると思う。

宣材写真撮った時もだが、「真面目にきっちりこなす」のは十分評価に値することだと思う。なし崩し的にアイドルになった樋口が真摯に向き合ってくれる姿は、シャニPにとって十分に「全力で取り組み、頑張っている」ように見えていて、決して雰囲気で褒めていたわけではない。

なんとかそれを分かって欲しいと願いながら声をかけてきたシャニPだから、樋口の「そうですね」で一瞬めーっちゃ喜ぶ。ところが続く「そうですね」で適当に流されていたと判明し、まだまだ言葉だけじゃ届かない、だったら「ちゃんと行動で伝えられるようにするよ」と決意表明。この「樋口自身の頑張りを分かって欲しい」という願いは後の大事な伏線になっている。


以上、この『バウンダリー』はシャニP及びアイドルが、樋口の「境界線」ギリギリの位置に踏み込んでいる状態の話なのだと思う。樋口が自力で逃げられる最後のライン。それと同時にプレイヤーにとってもここが樋口というキャラの魅力の境界線になってると思う。

どの選択肢を選んでも最後に「樋口が休みの日なのに自主レッスンしていた」と判明し、今まで説明不足だった樋口の魅力をプレイヤーにも分かりやすく伝え、ただキツイだけだった印象を一変させてくる。なお、シャニPは出会いの夜の眼力や、直接描かれていない行間の中で既に樋口のそういう部分を既に理解していたと思われる。プレイヤーから見て、人間味が無いとさえ感じさせるほどのシャニPの打たれ強さはそれが理由。

ともあれ、このコミュでプレイヤーの得た情報がシャニP視点にある程度重なる形となり、以降の樋口の魅力はとても判り易いものとなる。


続く

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