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気持ちがモロに伝わる宝喜温泉@鳥取県東部

我ら素人温泉探泉隊は、結成まもないながら、温泉は、源泉か掛け流し、消毒なし、できれば硫黄臭という温泉3原則を信望しており、そういう意味で、逆に駆け出しの温泉フリークだと言うことがバレる。まあ、それはそれでいいのだ。

温泉にはまった当初は、かけ流しやら循環やらの仕組みを気にすることなく、どこの温泉に行っても、「ああ、ここはいいね」「露天風呂からの景色最高だね」などと無邪気に楽しめた。
それが、どうしたことか、温泉通の人たちの本やSNS投稿を拝読するうちに、さきに書いた3原則に行き着くどころか、温泉たるもの、そーじゃなければ温泉じゃない!的な温泉原理主義に行き着くことになるのである。それが幸せかと言えば、うーむと唸らざるを得ない。

例えば、城崎温泉や下呂温泉は、街中が循環だから入る気がしないとか、有馬温泉の金泉は昔に比べてタオルに色がつかなくなっただとか、シルク温泉はあれだけ最高だ!とはしゃいでいたのに、塩素臭がどうのとか、なにかと心がうるさいのである。騒がしいのである。大脳が邪魔するのである。

3原則の中でも、とくに我々が素人っぽいのが「掛け流し」でなければならないという、固い固い隊の掟である。
掛け流しでない施設だと知ると「ちっ」と舌打ちをし、「ここはダメね」といきなり訪問リストから削除したりしてしまう。
ところが逆に、近場に「掛け流し」温泉があると聞くと、小躍りして訪れる日々。偉大なる勘違いに気づくにはもっと時間がかかるのであろう。

そんな中、我々が訪れたのが鳥取県東部の宝喜温泉なのだ。
ここは隊長の私が以前単独で三朝温泉に訪れたときに立ち寄ったという投稿をしたけれど、今回はあらためて隊員を連れての訪問だ。

広い駐車場がある

「いいか、ここはシャワーもカランも何もかも掛け流しだからね。施設はまあ都会によくある趣もなんにもない感じなんだけど、とにかく、かけ流し愛が強い温泉だからね。そうだからね。驚くからね」が隊長からの訓示である。そうなのである。
ここ宝喜温泉は、ホームページを意訳すると、『とにかくこの地に温泉が出ないはずがないというヒラメキの元、堀りに掘ってやっと出たのが最高の湯で、しかもドバドバだから皆、心して入れよ。どんな病もよくなるからね。だから薬湯と言うからね』(意訳どころか超訳)とある。

自己主張が強い店内の掲示
事実なのだが、そこまで書かなくても・・。

実際訪れてみると、広い!しかも、プールがある!
そうプールなのだ。しかも源泉掛け流しプール。4m✖️8mくらいか? もちろん、源泉掛け流しのプールがある温泉もたくさんあるが、ここは、ゴーグル禁止、飛び込み禁止、浮き輪は直径60センチまでとかの表示があり、まさに在り方もプールである。プールサイドに焼きそばとアメリカンドッグの売店があれば、100%プール認定なのだが、ここにあったのは、源泉掛け流しの打たせ湯であった。このお湯がプールにとうとうとかけ流されているのである。

もちろん、それ以外に、内湯も充実している。例えば、ジャグジーの寝湯もあるけれど、これも掛け流しだ。普通は、こういうのは循環にしているところが多いと思う。しかし、ここは、気にせず掛け流しなのだ。とにかく掛け流し一本って感じが潔い。それでもやはりプールのインパクトが強い。かの高橋一喜氏も『泳いでしまった』と例の書籍に書いてあるくらいである。
泳いではいけないのかなと思っていたら、なんと注意書きに「バタ足禁止」とあり、「平泳ぎならええんかい!っ」と一人ツッコミ入れてたら、(おそらく)地元のおっちゃんが悠々と静かに泳いではった。

施設内は、とにかく、源泉掛け流しだからねウチら、世の中にはニセモンの温泉が多いけど、とにかくウチは本物だからねといった表示がいたるところにあり、ちょっとどうかなと思ったけど、でもわかったのだ。そう、これが老人の見識と言うものである。よく聞けよ皆の衆。
ここのオーナーは、自慢したいのではなく、嬉しかったのだ。
掘りに掘ってやっといいお湯が出た。しかも湯量たっぷりのが出た。嬉しい!これを皆にシェアしたい!
そんな思いがガンガン伝わる宝喜温泉。私は非常に気に入りました。一度おいでませ。

宝喜温泉
温泉内は撮禁のため写真はありません。

温泉分析書




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