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今日の一曲 #1【青春時代 / GOING STEADY・銀杏BOYZ】

※注意
 当記事は投稿者の個人的な見解と自己満足によって成り立っています。「自分語り乙」「隙自語」といった具合にアレルギー反応を示す方にはブラウザバックを推奨します。


「一番好きな曲は?」「あなたの人生のテーマソングは?」「死ぬ前に聴きたい曲は?」等々の質問をされたら、迷わずこの曲を答える。この世にある全音楽の中で最も好きな曲であり、僕が銀杏BOYZに出会うきっかけとなった思い出深い一曲だ。
 当時の僕は14歳。好きな音楽ジャンルはヴィジュアル系。楽曲、衣装、メイク、ライブパフォーマンス等、あらゆる側面から練り上げられた世界観と、過激かつ不気味な音楽性に夢中になっていた。今思い返しても青春パンクからは程遠い所にいた少年だったと思う。

 そんな僕の世界は、イントロ直後の絶叫によってまっぷたつに軋んだ。上手くもなんともないのに美しい、魔法みたいな峯田の歌声。青臭くて目を背けたくなるのにどこか思い当たる節のある歌詞。様々なものが失われていく切なさと根拠もなく燃え上がる野心の熱さを絶妙なバランスで演出する、チン中村・あびちゃん・村井の演奏。下品で汚いのに胸が熱くなる絶叫の数々。初めて聴いた時、付き合いの長い信頼できる友人と再会した気分になったのをよく覚えている。これは僕のための音楽だ、この曲があるから僕は大丈夫だ、と本気で思ったのだ。

 最も印象深い歌詞といえば、王道中の王道だがサビの一節だろう。

僕はなにかやらかしてみたい 
そんなひとときを青春時代と呼ぶのだろう

 若ければ若いほど、根拠もないのになぜか断定的にものを言う。やりたいことが何なのかも分からないうちから、オンリーワンの“何者か”を夢見ている。自分の限界なんて知らないし、才能なんて信じない。ただただ、なにかをやらかしてみたい。そんな自分を世界の中心に据えて、痛々しいくらいそれに酔っている。
 僕が今でも「青春時代」が好きなのは、そんな青臭さがまだ身体にこびりついているからだ。理由を並べ立てて安全圏に逃げるよりも、素っ裸でやらかしまくる人生の方が美しい。ビジョンもなく夢を見たっていいと思う。すべてのことは「やらかしてみたい」の一心から始まるのだから。何よりも残念なのは、人の目だけを見て生きて“青春”を笑うことだ。

 この曲も然り、峯田が書く歌詞はいずれも平易な言葉が用いられがちだが、それくらいシンプルなことに泣いて苦しんで怒って笑ってもいいんだと思わせてくれる。この歌詞にもそんなパワーが間違いなくある。

 最後にもう一節、好きな歌詞を引用する。

とても悲しい時だってあるのに 
なんだか なんでか 笑顔見せるよ
君と会えてほんとに良かった 
そんなぼくらを青春時代はつつむだろう

 僕にはそれなりに長く付き合っている恋人がいる。それなりの期間を一緒に過ごせばいろいろなことが起こるし、それをかいくぐった先で良好な付き合い方というのを自然と身に付けていく。それは必ずしも周囲から理解されるとは限らないし、何より自分自身が受け入れるのにとてつもなく時間がかかったりする。
 知人から「どうしてまだあの子と付き合ってるの?」「飽きないの?」「まだ若いのに他の子にいきたいとか思わないの?」等々、好き放題言われることもしばしばある。僕はそのすべてに迷わずNOと言うのだけれど。
 その理由はと聞かれれば、結局この歌詞に書かれていることが全てだ。恐ろしいほどシンプルな理由だけど、むしろ好きな人と付き合い続けることに誰しもが納得する大義など必要だろうか?
 いつまでも青春時代みたいにきらきらした恋愛ができるのなら、僕はモテる男になんてならなくてもいい。なれないことが本望だ。

 まとまりがないけれど、今後このような感じで好きな音楽について語る記事を書いていこうと思う。もちろん不定期で。
 ジャンルも時代もばらばらになると思う。解説というよりはただ“好き”を発信するだけの内容に終始するので悪しからず。ではまた。

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