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東洋医学講座 262

〇心と腎

▽心と腎の拮抗関係について

▼腎系の補法

女性は、男性に比べ腎の力が必要です。なぜかといいますと、体を維持するのにホルモン調整がより必要で、また、ホルモン系の失調からくる症状も非常に多く、治療する場合は腎を補う必要があります。

腎系の補法とは、腎兪、志室などを補すだけではなく、からだを温めることも腎の補であります。全ての病気は寒さからきます。

『傷寒論』は、腸チフスのことだけを述べているのではなく、寒さに傷つけられた病気の全てを述べています。臓器の機能が低下すると、働きが落ち、冷えが発生します。もちろん、冷える材料を食べてもそうなります。そして、99%まで疾病は、内臓機能の低下によって起こる冷えから発しています。

▼循環力は心腎一体

過運動をすると心臓に負担がいき、それを続けますと疲労困憊し、腎臓の萎縮につながります。

扁桃腺になると心臓が亢進します。そして、扁桃腺熱が出て、それが続けば腎盂炎になります。要するに、極度の腎虚になるからです。

また、深夜に仕事や勉強をすると、心が休むべき時間に働かされて、腎は亢進します。そうしますと、心はすっかり剋されて、昼間疲れやすくなり、心虚の状態になります。

腎は血管を司り、肝・肺は運動を司っています。したがって、循環する力は心臓だけで行われているのではありません。

循環力には腎肝肺が大きく関与しています。その中でも腎の力が重要で、心腎一体となっています。

もっと大きな観点からみますと、人体は腎精体なので、この中の心臓は腎の葉っぱ一枚と考えます。

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