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東洋医学講座 251

〇心と脾

▽心と脾の拮抗関係について

心と脾の関係は、心は脾の消化・吸収・三焦の働きの母に当たり、母子相生関係になっています。

▼心の働きが消化力に影響する

物を食べてそれを消化するためには、余っている血液を全て消化力のために使用します。食べると眠くなるのは、頭の血が消化の方へもっていかれるためです。

昔の人は「腹の皮が突っ張ると目の皮がたるむ」といっていましたが、その通りであります。このように消化系の働きは、血液循環によって生じてくるので、心は脾の母なのであります。

心の力が弱い人は、熱の生産が少なく、血液の循環も悪くなります。したがって、冷え症にもなりますし、脾力も旺盛になれず、物を食べても活力が出ず、消化力もないので痩身で太れません。

心の力が50、脾の力が100の人が太れないのは当たり前です。このような人がもし太っているとすれば、ゴロゴロ寝ていたり、ぶらぶらしているからです。もっとも、何もせずにぶらぶらしているのは、心が弱いためであり、本人が好き好んでそうしているのではありません。脾が旺盛で心が弱く、消化の方へ血液を持っていかれるので、何をするのも嫌なのです。

太っている人は、心臓の力から見ると重いリュックサックを背負っているのと同じです。したがって、物を食べられない、食べたら走れない動けない、というのであります。心は脾と共に働いています。そして脾力、つまり消化力は心臓の有り余る力が消化力となるのが順当なのであります。

例えば、心の力が100あるとして、これを体力に100使ってしまえば、有余はなくなります。もし、100の力の内80を仕事に使い、残り20を消化に当てるとすれば、この20は有余であります。このように消化力は心の有余で成されるということが大事であります。

性行為も同じであります。精を漏らすのは、腎の有余でなさなければなりません。食事にも時間帯があるように、性行為にも時間帯があり、運動にも時間帯があります。運動は肝の有余がなければいけないということになります。勉強についても、200の力をもって100の勉強をするのが有余というものです。このように消化力がないというのは、心臓に関係していることが分かります。

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