東洋医学講座 123
▼どんな爪型があるか
⑪不正爪、その他
1.爪先が高く上がっているもの
爪先は普通真っ直ぐ向いているものですが、この場合はやや先が上がり気味になっています。根元の部分が深くくい込んでいる爪型もこれに属します。
この爪をもつ人は、感情家であり、理想を追うタイプです。
2.爪の扁平
大爪の意味を持ちます。中央が平らで盛り上がっていません。
爪型は大きく分けますと、三つの基本型に分けられ、あとはその応用となっています。
一つは大爪で、脾系・肺系に特徴を持っています。もう一つは短爪・四角爪で、心系が影響します。最後の一つは狭爪です。これは腎虚が主になっているものですが、腎系・肝系の虚弱性の特徴を持つものです。基本の三つの爪型を覚えれば、あとはこの三つの爪型がミックスされたものです。
3.爪が深く食い込みすぎている
爪に変動があるのは、全て肝の変動を示します。
4.薄い爪
薄爪は肝虚です。肝に力がなければ一過性に亢進するので激しやすくなります。激しさといっても〝実〟と〝虚〟があります。実の激しさは、人の性格に例えますと、一度怒り出したらあとには引かず、カッとくる調子です。虚の場合は、激怒しても長続きせず、いつまでもブツブツいうといった具合です。この場合の薄爪は、後者のタイプの激しさを持っています。
5.厚い爪
厚い爪は敏感さに欠けます。ただし、からだ全体が立派であれば、爪もある程度は厚くてもよいです。これは胆力の強いことを示します。体の厚さと爪の厚さが比例しない場合は、少し遅鈍なところがあります。
6.爪の沿っているもの
真ん中がへこんでいるといったほうがいいかもしれません。こういう爪は、もろくて薄い場合が多いです。寄生虫、動脈硬化、アルコール中毒といった人に多くみられます。
年配の人で極端に一指だけが発達しないで変形している人をみかけますが、これはその指のもつ特徴が出ています。
五臓に分けますと、拇指は肝臓または心臓、示指は肺臓、中指は脾臓、環指は心臓、小指は腎臓に当たるといわれています。指の正・不正の変化でも、五臓の変動を示しています。前述の場合、一本の指だけをみて診断してはいけません。他の指と比較対照し、また、他の診断点と総合しながら判断します。
7.爪の縦縞
縦縞が出ているのは、肝に障害があります。
8.縦縞の上に点々がある
ニコチン中毒、薬中毒、寄生虫など。
9.爪先がもろい
寄生虫、神経衰弱。
10.爪面のくぼみ
爪面のくぼみは生理異常だけでなく、精神的変調、例えば失恋をした場合にも現れます。
11.爪面の横溝が多い
爪面に浅い横溝が多い場合は、脱腸、痔の傾向があります。腎機能の低下が原因しています。
12.アーチ型の爪
アーチ型の爪は正常ではありません。呼吸器系や心臓系に故障があります。こういう場合は、他の身体の面もみながら判断すると分かります。
13.爪面に高低
爪の高低は爪の大きなくぼみができたときに段がついてできるもので、幅の広いくぼみをいいます。肝系が悪いことを表します。高低がたくさん出ている場合は、周期的に肝機能に変動があったことが分かります。
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