東洋医学講座 39
〇「三」の持つ意味
東洋では、3という数は〝無限〟とか〝すべて〟という意味をもつものとされています。それは、陰陽は万物の父母であり、「1+2」は無限のものに化していくことができるからであります。
「1+2=3」でなる統一体は、他の統一体とともに陰陽の関係になって、新しい統一体を次々に形成していくことになります。
この無限に続く生成の関係を数字で表現すれば、「3×3=9」で、9は生成数の最後にして最高の数、数の極まったものであります。9の次は10となって、0の太極に還元されてしまいます。こうして、3という数は、同時に無限大数ともなるのであります。
漢字でも、同じ字を三つ重ねることによって、広大なものや多大なものを表現しています。
森・・・もり。
品・・・しな。大勢の口を表わしたもの。また、多くの品物をも示す。晶・・・しょう。日が三つで〝あかるい〟〝あきらか〟の意味。
蟲・・・むし。虫の本字。虫はマムシの象形で、これを三つ集めて虫類の総称としている。
姦・・・カン。かしまし。不義不正の意味。「奸」に同じ。
脇・・・キョウ。力は人の筋肉の形。力を合わせること。
雧・・・あつまる。集の本字。木の上にたくさんの鳥が集まっている姿。聶・・・ささやく。耳元で小声で話すこと。
鱻・・・セン。「鮮」に同じ。新鮮の意味。
毳・・・ゼイ。むく毛のこと。
その他、芔(キ)、磊(ライ)、孱(セン、よわい)、囁(せつ)、麤(ソ、あらい)、皛(ハク)、羴(セン、くさし)、猋(ヒョウ)などがあります。
以上のように、三才とは、同時に宇宙の無限の働きを示している符号なのであります。
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