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東洋医学講座 73

〇五行の相生・相剋

●相生・相剋とは

「相生(そうしょう)」とは、お互いに生じ合う立場と、その働きをいいます。

「相剋(そうこく)」とは、お互いに制御し合う、主従のような立場と、その働きをいいます。

この地上における天・人・地の世界の展開を大別してみた場合、天には加熱・暑熱・加涼・加冷・寒冷の五気の働きがあり、地上には春・夏・長夏・秋・冬の五季の働きをはじめ、木・火・土・金・水の質をもった万物があり、人には肝旺タイプ、心旺タイプ・脾旺タイプ・肺旺タイプ・腎旺タイプの五種があります。これら五種が、お互いに上下左右に組み合わさって成立し、生成をなしているのであります。

この組み合わせには相生(あいう)む関係と相剋制(あいこくせい)する関係があります。

これを人間の関係に例えますと、相生には我を中心にして父母が生んでくれるものと、その反対に我が生み出す子孫の関係の二種に分けることができます。

相剋関係には主従のように我が制御する関係と我が制御される関係とがあります。

いわゆる〝じゃんけん〟は、この剋制だけの仕組みを使用したもので、「石は紙に負け、ハサミに勝つ」の勝ち負けの剋制するジャンルを用いているものであります。

この相剋の仕組みに相生の仕組みを加えたのが、ここで説く相生・相剋の関係であります。

また、一般でよく〝人の相性〟をいいますが、その「性に合う」「合わない」ということも、この五行の相生・相剋の組み合わせの原理を応用しているのであります。

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