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東洋医学講座 40

〇三才の原理の応用

三才の原理は、華道や茶道をはじめ、社会のいろいろなところで応用されていますが、医学ではあまり使われていません。古典には書いてあるのに、その使い方を知らない人が多いようです。

三才にはいろいろありますが、顔も三つに分かれます。「上停」「中停」「下停」といいます。

〇顔の三才

人体のすべてが2、3、5に分けることができます。顔を見れば、左顔面と右顔面の陰陽、二つの眉、二つの目、二つの耳、上下の唇、二つの鼻孔などの陰陽があり、そして、鼻を中心に眉・目・耳・口の五つがあります。また、顔を上から三等分した上停、中停、下停の三才があります。

顔の三才は別に上停、中停、下停だけではなく、例えば耳は耳輪・耳殻・垂珠の三つに区分され、目も白目・睛・瞳の三才からなっています。このように、顔の三才はどこにでもあります。

上停は、その人の初年運、父母に恵まれていたかどうか、少年時代の境遇はどうだったか、ということをみます。上停は、天人地の天にあたり、天がいちばんは初めに働くからです。また、天と関係がある祖先・父母・上長・知力(頭脳の大きさや、どういう方向に特徴づいているかなど)・官禄・宿命などが表れます。つまり、額のあり方によってわかるのです。額が狭いか広いか、傷の有無、シミやホクロの有無などは、全部意味があるのです。額が狭かったり、傷などがあったりすると、父母との縁が薄く、目上の引き立ても乏しく、浮沈や波乱の多い人生になりやすいのです。

中停は、中年運とともに、その人自身の力量や意思を表します。また、人気が表れます。特に鼻をみると、その人の意志力が分かります。高すぎる鼻の人は、意志が強すぎて「俺が俺が」という気持ちが強く、自尊心が高いとか、そういうことが全部わかります。

〝下停は家庭なり〟というように、下停は情をみるところです。人体の臓器でいえば、腎の支配しているところです。ですから、ここが発達している人は、非常に家庭的で晩年運がいいです。子供が晩年を背負うので、家庭的な人は晩年運がいいと決まっています。また、情が厚いから部下にも恵まれます。

以上のように、顔をみれば、その人の履歴や今考えていること、さらには将来の生活までわかるようになります。このようなことも、天人地の三才と関連して理解して、はじめてわかるようになります。

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