東洋医学講座 282
〇脾と思慮
思いつめる、考え込む、憂い悩むなどの深い思考をしますと、体内に深く流れている気がひとつに止まって、動きが鈍くなります。気が止まれば、血の流れも停滞しやすくなり、気血を鈍らせ、消化運動も鈍り、脾化を傷つけます。
あまり考えもしないで、性急な行動をとる人は、肝と心が脾・肺・腎より旺盛で、陰陽のバランスがとれていない人であります。また、沈黙の人は、肺・腎が旺盛な人であります。
脾は陰陽の両気を持っていて、脾が強く働くと、動的な陽の心を陰の沈静の方に引きとめようとします。またその反対に、陰の沈静している心を陽動させようとして、陰陽折衷のところで思いを往来させて思慮しているのであります。
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