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東洋医学講座 229

〇四神相応

▽四神相応の原理

①青龍とは

龍は上に昇ります。春は酸素性の大気がむくむくと上に昇ります。その姿を「青龍」といいます。この酸素は水から生まれるものであります。

龍は初め地より低い水中に住み、長じて陸上に活躍し、さらに成長して天に昇り〝飛龍〟となります。このようにして酸素性の大気が上昇してしまった夏は、地上の酸素が稀薄となり、これを補おうとして盛んに水を飲みます。

地上では草木が一生懸命に呼吸をして酸素を吐きますが、暑さのために上質の酸素は上昇してしまいます。古人はこのような酸素性の大気の上昇する様を仮の動物、龍に例えて表現したのであります。

龍は水中で生まれて、地上で活躍して、次いで天に昇る、これを〝飛龍天にあり〟といいます。すなわち、青龍は木気の働きを指します。

②朱雀とは

「朱雀」とは、朱(あか)い雀(すすめ)と書きますが、雀のことではありません。朱雀という鳥が真っ赤な羽を最大限に広げたように、真っ赤な空気がいっぱいに広がっている夏の大気の状況をいいます。太陽の陽気が赤々と降り注いでいる様は、あたかも孔雀が羽を最大に開大しているところに似ているところから表現したもので、火気の働きを指します。

③白虎

「白虎」とは人を食う、生気を食うというように、秋の殺滅の気のことであります。草木や葉、実を落として、収斂・内蔵し、地上は白一色となります。生命力のないものは殺滅します。これは金気の働きを指しています。

④玄武とは

「玄武」の玄は玄米の玄であり、幽玄の玄であります。玄の意味は〝原〟や〝元〟のことで、源ということであります。「玄人」「素人」という場合の玄人は、素人に比べて経験が深く、奥深い貴重なものをいっぱい持っていることを指します。そのような意味が玄にあります。

したがって、あまりにも色々なものが含まれているので、色は黒っぽく見えます。しかし、実際には純粋な黒ではなく、深い湖の青や、真っ青な空の色をさらに濃くしたような色で、活気があり、生命の源を豊富に含んだ色であります。したがって、表面では分からないですが、内面では生命力が内燃しているのであります。

また、武は守る働きで、玄武とは水の働きを指します。

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