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東洋医学講座 301

脾と丑辰未戌

丑辰未戌は土性の十二支でありますが、土性は、全ての五行の基盤となり、それぞれの五行と強調しながら働いているので、この土性の四支はそれぞれ土性でありながら、他の五行を含み、これを「蔵干」といいます。

丑=土・水・金・・・寒土
辰=土・木・水・・・潤土
未=土・火・木・・・燥土
戌=土・金・火・・・蔵土

丑辰未戌の働きについて


丑辰未戌は土性の変化を持った十二支です。この土性の十二支は、春夏秋冬、あるいは24時間における中庸性のコントロールをしています。例えば、未は夏の暑さが最高に達したら、それ以上暑くならないために、今度はそれを引き下げようとする平衡の働きをします。

丑辰未戌は、土性でありながら他の五行を含んでいるという複雑さを持っています。卯酉午子のように、東西南北の四正の方角はそれぞれ単気なので、単純性を持っています。ですが、丑は土性が本気でありますが、方位グループでみると、方合の含気は水性であり、三合の含気は金性であります。三合の含気とは、金性の生旺墓は巳酉丑であるので、丑は金気の墓庫になります。したがって、丑は土性・水生・金性の三気を持つ複雑性があります。

このように辰にも、土性が本気なのですが、その他に木気・水気を含みます。未は土・火・木を含み、戌は土・金・火を含みます。

土の種類について各々みますと、丑は寒い冬の土で寒土、辰は春の養育する土で潤土、未は暑い土の燥土、戌は秋の収斂性の蔵土ということが出来ます。

人間も土用の気を持つ人は複雑性を持っていますので、性格もそのような面が出ているかと思います。よく言えば、どちらにもなじみやすい性格といえます。それに比べて卯午酉子の四正の気を持つ人は、単純な気を持っているので、やはり性格的に単純な面が多く、一つのことに夢中になるといった傾向が出てきます。同じように人体においても、土性である脾の働きは、複雑であるといえるかと思います。

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