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東洋医学講座 125

〇肝と神経

肝と神経は深い関係を持っています。神経は全身における筋肉運動を司り、動的原動力になっています。神経系の弱りは肝の弱りを示し、肝の弱りによって神経系は弱ります。肝は、脳神経、自律神経、知覚・運動神経のすべての神経に関与しています。

▼神経は筋運動を司る

肝と神経は肝という根があり、そこから神経が出ているというように考えると分かりやすくなります。実際に、神経は神経、筋肉は筋肉、皮膚は皮膚と別個のものとしては考えられません。皆一つのものであります。

神経にしても、肝臓だけから成り立っているわけではありません。すべてのものが集合して成り立っています。人は平面思考的にできていますから、一応、肝が神経の主動源となって働いているものであると、大きく分けて考えます。

神経の母体は腎です。すべて腎が母体になっています。腎の化したものが肝であり、心であり、肺であります。腎は命力なので、最も重要であります。

神経は全身の筋運動を司っています。筋運動は、神経によって左右されます。つまり、肝→神経→筋腱と、末梢に向かって関連し合い、成り立っています。

肝の働きは動力源なので、体を起こそう、動かそう、走らせようという動力源になっています。そのため肝機能が低下しますと、体がだるくなって動きたくなくなります。筋肉がひきつってくるのも、まず肝の機能が低下していると考えていいと思います。

神経系の弱りは、肝が弱っている証拠です。また、肝の弱りは、神経系の弱りとなります。

神経系にもいろいろありますが、その一つである脳神経について考えます。例えば狂人は、まず肝の変動によってそうなります。考えるという働きは、腎の力です。それを行動させるのが肝の力です。よって、狂人というのは、肝・腎に問題があります。

水が化したものが木です、したがって、腎と肝は一体のものといえます。ただ全部が一体となっていますが、どの時点で、どの働きをみるかによって、一点をみる場合には分類して考えなければいけません。これは、西洋的な考えとは全く異なります。

西洋的な思考の人には、何もかもが腎機能の低下と片づけてしまう東洋的な考え方を単純思考だと思われるかもしれませんが、そこには奥深い真理があります。単に常識的に考えたり、表面的にみたりするのでは理解できません。まず、自然学方程式を身につけない限り、東洋の真意は理解できません。

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