見出し画像

東洋医学講座 38

〇生旺墓の三才

陰陽の第五定式で、万物は「生成ー発展ー成熟ー衰退ー消滅ー生成・・・」の過程をたどる運動体でありますが、三才ではこの過程を、「生(生成から発展まで)」「旺(発展ー成熟ー衰退まで)」「墓(衰退から消滅まで)」と表現しています。

「生成・・・衰退」が陽遁、陰遁の二つの働きによって成り立っているように、生旺墓は、天地が交わって人気を生じる過程によって起こります。

〈生の期〉

・天気が下降しはじめ、人気が生成されるとき
・四季でいえば、冬から春の働き
・一日でいえば、夜から朝の働き
・冬や夜の冷却凍結されていた状態から少しずつ気温が上がり、蛋白澱粉体は発芽伸長する

この生成発展期作用を「生」といいます。

〈旺の期〉

・天気が下降が一段と増し、地上が最もにぎやかになるとき
・四季でいえば、春から夏、夏から秋の働き
・一日でいえば、朝から昼、昼から夕の働き
・この間、蛋白澱粉体は、例えると、ちょうど生パンが熱いオーブンの中に入れられて膨らむように、最大膨張します

この全開膨大の成熟作用を「旺」といいます。

〈生の期〉

・天気が下降しないで天にとどまり、地は昇気をなくして凝結内在して天地が不交となり、人気が衰えるとき
・四季でいえば、秋から冬の働き
・一日でいえば、夕方から真夜中までの働き
・冷却の気が強まり、蛋白澱粉体は収斂凝固していきます

この内在、凝固、枯渇、老衰作用を「墓」といいます。

このような生旺墓が生じるのは、天気を受ける地球が球形で、しかも自転しながら公転しているからであります。そのために、地上では絶えず「生旺墓」三種の盛衰が起こっています。人間は、その生旺墓の働きを受けて生成しているのであります。

なお、地上の万物は、天気をより強く受けている人気、地気をより強く受けている人気、人気をより強く受けている人気に区別され、それぞれの性質に応じて少しずれた生旺墓を繰り返すことになります。

天気である陽気をより強く受けて成り立っているものは、陽遁期の天気下降の盛衰に強く影響され、他が生のときにすでに旺のときを迎え、また、他が墓に入る前に墓につくことになります。同じように、地気の陰気がより強く受けているものは、地気の変動に強く影響され、他が生のときにはまだなかなか生にならないが、反対に人気が墓になってもまだ旺にとどまっています。

上記のように、多少のずれがありますが、そのずれの程度は、強く受けている気が全体の中でどれだけの割合を占めているかによります。

天地人の三才と合わせて考えますと、万物は、天地人の三才の構造をもって生旺墓の三才の軌跡を描いている運動体であるといえます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?