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東洋医学講座 115

▽爪や脈で何をみるか?

爪は筋・腱の延長で、爪をみることで肝臓を通してからだ全体を把握できます。つまり、爪をみれば体質が分かることになります。これは脈をみるときに、心臓を通して全身をみるのと同じことです。

爪にはその外型によっていろいろな種類があります。爪の形は、先天・後天の働きを示します。爪の血色で現状が分かり、また、その血色は心臓を中心として働いている五臓色を示していますし、現状の健否は血色をみればわかります。さらに最も早く知るには脈をみることです。不健康な状態が続いているようなときは、いち早く脈の変動として現れます。脈の次に血色に変化がみられます。それから皮膚の艶、活気にもおよび、しまいには形が変形してくるという順に現れてきます。

普通、一般の人々は痩せたとか太ったとかの形の変形で、その人をみて健康状態を察しています。そして皮膚に艶があるとか活気がないとか、血色まではよく見慣れていますので分かります。ところが、脈などは見ていませんからそこまでは分かりません。したがって、脈状は唯一の武器となるものです。脈には病状が詳細に、またすぐに分かるものなのでよくマスターする必要があります。

脈は現状を示すものです。急性の場合などはとくにその変化が出ています。そればかりか、これから将来起こるべき状況までが脈で分かります。死相なども脈に出ます。「七死の脈」などと古典にも載っていますが、ある死相の形が脈となって現れるものです。

ところが、そこに正常の脈を打とうとする働きが重なってきますから、複雑で分かりにくい脈を打ちます。このような脈も鍛錬を積むことによって会得できるものです。したがって、機会があるごとに多くの人の脈を触れることを心掛け脈診をマスターしましょう。

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