日常短篇シリーズ:何もない、何かある。

現在の頭の空っぽさと言ったら、ここ10年で1番だ。少し頭の中を見渡すくらいではなんの素材も見つからない。
不快なものを貯めないようにしていたら、少し歪で変なもの、興味が湧くものもどこかへ消えてしまったようだった。



でも暗くて見えないだけかもしれない。何故なら頭の中は暗闇だからだ。小さな懐中電灯で照らした足元くらいしか見えない。これ以上探すには歩き周る他ない。歩き周るには結局労力がいる。労力を使って少し疲れるくらいが健康的な生活にはちょうどいいのかもしれないが。




鳥の囀りと犬の鳴き声が聞こえる。鳥の囀りがキーボードを叩く音だとしたら、犬の鳴き声は遊ぶ子供たちの楽しそうに呼び合う声だ。




今の僕の心には静かに風が吹いている。またすぐに嵐が来ることの方が経験上多い。

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