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RFIとは?要件定義で欠かせないドキュメント|RFPとの違い

 要件定義の工程で重要なドキュメント・RFIについて解説していきます。RFPとの違いも一緒に整理しましょう。

RFIとは

RFPは「提案依頼書」を意味する言葉で、依頼側のシステム構築要件を盛り込み、それに沿った提案をSIer各社やERPパッケージベンダー各社に依頼するというものです。RFPを受け取った各社は、それぞれの技術や製品の特性を捉えて、要望に沿ったシステム構築がどう可能なのか、費用はいくらかかるのか、プロジェクト期間はどれくらいかなどの情報を細かく提案します。

一方、RFIとは「情報依頼書」を意味する言葉で、SIer各社やERPパッケージベンダー各社に、会社の基本情報、技術情報、製品情報などの提示を求める依頼書です。基本情報を公式に求めるものなので、ホームページ等には記載されていない技術情報や製品情報等を得ることができ、かつRFPよりも簡単に作成できるため、依頼検討の初期段階で作成すると有効的です。

RFIで求める情報とは?

RFIではSIerやERPパッケージベンダーに保有製品や提供可能なサービスの概要、あるいはその組み合わせや実績などの情報を求めます。なので、RFIへの回答は基本的に製品カタログやパンフレット、事例集といったものでの構成が多く、価格も精緻な見積ではなく標準価格や参考価格などの情報が中心になります。そのため、RFIの場合は回答期間が1~2週間と短めに設定されるケースが大半です。

RFIで情報提供を求める際に注意したいのがSIerやERPパッケージベンダーの基本情報(会社情報、製品情報、実績等)について尋ねるときです。会社情報としては社名、本社所在地などに加えて、資本金や売上高などを尋ねるのが一般的ですが、このとき注意していただきたいのがグループ会社も含めて情報提供を求める必要があるのかどうかというです。

RFIとRFPの違い

依頼側としては、RFPとRFIの違いを明確に知り、正しくRFIを作ることが大切です。

RFPはSIerやERPパッケージベンダーにシステム構築の提案を作成してもらうための提案依頼書です。従って、RFPの場合は提案の範囲や提案の骨子になる要件、さらに提案者が必ず守らなければいけない項目などが明確に定義されています。なので、RFPの場合、SIerやERPパッケージベンダーから自由に提案してもらう部分が限定的になります。基本的にはシステム構築にあたってやってほしいことが事前に明確になっており、そのやり方とコスト等が回答として提案書に記載されます。そのため、見積金額も自然と精緻で正確なものになるしょう。

一方、RFIは前述のように会社の基本情報、技術情報、製品情報などの提示を求める依頼書なので、基本的には製品カタログやパンフレットに掲載されている情報を受け取ることになります。価格も精緻な見積ではなく、標準価格や参考価格なので、受け取れる情報の粒度がRFPとは大きく違います。

このRFPとRFIの違いをしっかりと理解していないと、RFIなのに「正確な見積を希望します」や、RFPなのに「自由に提案してください」と言った間違った依頼をしてしまうことがあります。



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