見出し画像

初海外駐在でパワハラ上司に遭遇 〜パワハラ上司の考察〜

「パワハラ上司との遭遇」はサラリーマンにとってはかなり大きめの悲劇ではないでしょうか。

上司ガチャという言葉があるように、部下は上司を選べないし、一度捕まったら数年は変わらないのが一般的。

うつ病に追い込まれるケースもあり、人生そのものが狂いかねない一大イベントです。

ずいぶん前ですが、僕にもそういうイベントがありました。しかも初めての海外駐在先で。

逃げ場の無い海外駐在先でパワハラ上司とどう向かい合ったか。

今日はそんな話。

著者について

  • 現役有名JTC海外駐在員

  • 駐在は2社、2カ国、3回目

  • パワハラサバイバー

初の海外駐在の上司がパワハラ気質。さぁどうする?

25歳で初めて就職した僕は、20代後半で希望していた海外駐在(中国)に行くことになりました。それ自体は希望がかなったので良かったのですが、問題は駐在先の上司。社内でも有名なフダツキのパワハラ上司だったのです。

結果的にはうまくやることができましたが、正直再現性のある話ではないと思います。あくまで一例として参考にしていただければ幸いです。

フダツキのパワハラ上司

希望の海外駐在が通って喜んだのもつかの間、当面の上司が有名なパワハラ男(以後Xさん)であることがわかりました。先にも後にも部下や後輩をうつ状態に追い込んだモノホンです。

正確には前任になるのですが、職位は上だし、当面は上司になります。唯一の救いは数ヶ月で別の拠点に異動になる予定だったことですが、なんだかんだ延長して結構長いこといました。

普通に日本の職場でもパワハラ上司は部下を心身ともに追い込むわけですが、海外駐在先はまったく逃げ場がありません。

  • 職場に日本人は数人しかいない。

  • 通勤の送迎車も同乗。

  • 出張者のアテンドなどでやたら会食も多い。

という環境ですから、「呑まれたら死ぬな・・・」と覚悟しての赴任となりました。しかも当時入社三年目。社会人としてもまだまだ新人の時期です。

しばらく付き合った無駄な残業

Xさんは典型的な昭和型モーレツサラリーマンでした。長時間労働こそ正義という感じで、毎日残業していることを誇っている様子。

部下であり、引き継ぎを受ける後任である以上これに付き合わないという選択肢はなく、イヤイヤ毎日残っていました。言っても8時位までだったので、この辺はJTC(Japanese Traditional Company)メーカーのぬるさですね。(ちなみに海外駐在員は平社員でも管理職になることが多く、残業代は出ません。その分の固定残業費的な手当が出ます。)

印象深かったのはこのXさんが、Vlookupというエクセルの関数を使えば5分で終わる作業を手作業で1〜2時間とかかけていたこと。

無知なこと自体はわかるのですが、心底不思議だったのは後に僕がVlookupで効率化し、本当に5〜10分で終わるようにした時、

「Vlookupなんかでラクしやがって」

と言ったことです。「あぁ、思考回路自体がぜんぜん違うんだな」と理解した瞬間です。

怒鳴るし、物を蹴りまくる

このXさんパワハラ上司の典型で、とにかく怒鳴りまくる。僕には遠慮していたのか(後に詳述)一回だけでしたが、まぁ色んなところで怒鳴る怒鳴る。

怒鳴るだけでは飽き足らず、ブッちぎれてプラスチックの部品が入った段ボールを蹴り飛ばして部品が散らばったり。

今思い出しながら書いてても、なかなかハイレベルなパワハラ上司だった気がします。

面白いのが本人こういうのをやった後、食事に行くと気にして凹んでるんですよね。被害者サイドからしたら「知るかよ」って話なんですが、結局のところ本人でもコントロールが効かないんだろうと思います。

ある種の病なので、会社側が部下のいないポジションに配置するとかの必要があるわけですが、この手の人ってそれなりに仕事はできたりするから放置されたりします。

パワハラ上司に殺されないための作戦

さて、実際に生き残るためにどうしたか。気をつけたのは2点、

  • 気弱さを見せない

  • 能力で上回る部分を一つでも見せる

よく言われることですが、パワハラ上司も誰彼構わずパワハラするわけではありません。部下全員に高圧的な人もいるにはいますが、そこには必ず濃淡があるはずです。

ターゲットになり易い人ってのはいて、気弱で、反論できず、そして怒られてもなかなか改善できない。こういう人は本当に危ないです。

どこに行ってもパワハラ上司になる人はいますが、その一方でどこに行ってもパワハラを受ける人もいます。もちろん本人が悪いわけじゃないんですが、個人の防衛策としてはそういう人にならないことが一番大事。

とにかく大きな声でハキハキ話すこと。メールの返信は早く。堂々としていること。重要なのはこのあたりですが、正直これって性格ですよね。

もともと僕は気が強いのでそんなに難しくは無いのですが、おとなしい性格の人がどうすれば良いかは正直わかりません。冒頭に「再現性がない」と書いたのはこういう理由からです。

能力で上回る部分を見せるというのも重要です。パワハラ上司は仕事できる人であることが多く、当然先輩で年長です。会社の仕事については知識も多いので、そこで勝負することはできない。

そこでベーシックスキルで上回っている部分を見せつける。気弱さを見せないという事ともにているのですが、要するにナメられたら終わりなので、ナメさせない何かを作るということです。

僕の場合は語学を選びました。中国語。Xさんのほうが先に中国に来ているし、それなりに話せる人だったので難しいように見えますが、これを短期間で追いつき、追い抜けばインパクトあるだろうなと。

日本人の語学コンプレックスは半端じゃないので、効果は大きいと考えました。僕はもともと英語人材としてこの会社に入っているので、英語はそれなりにできました。中国語と英語は文法がよくにているので、勝算ありと見込んだわけです。

それからはカシオの電子辞書を肌見放さず持ち歩き勉強し続け、就業後にはスナックみたいなお店に電子辞書とノートを持ち込んでカウンターでお姉ちゃんを先生に勉強したり、とにかく短期間でガッと伸ばしました。

こういう姿勢と成果を見せるとXさんに限らず、周りの人は一目置いてくれるものです。語学習得はそもそも駐在の目的でもあったので、パワハラ回避策にもなって一石二鳥でした。

結果的にXさんに認めてもらうこともでき、目立ったパワハラを受けることなく無事にこの中国駐在を終えることができました。後に「お前と働いていた時が一番良かった。」と言ってもらったので、「完全勝利」と言って良いと思います(笑)

語学はちょっと難しい場合は会計でもITでもなんでも良いと思います。1点で良いから一目置かれるポイントを作り、ちゃんと見せてあげること。これが重要なんだと思います。

なんだかんだ勉強にはなった

なんか悪口みたいになってしまいましたが、実際のところは仕事上は大変勉強になりました。やっぱり量をこなしている人は能力が高まっているものです。特に財務会計に関しては、基礎知識は僕のほうが多いハズにもかかわらず、多くを学ばせてもらいました。

後にアラフォーで転職して今でも財務をやっていられるのは紛れもなくXさんのおかげです。

これはまるっきり生存者バイアスなので注意が必要ですが、やっぱり成長するためにある程度のプレッシャーが必要なのも事実。昨今のホワイト社会ではこれが許されないので、なかなか難しいものだなぁとも思います。

パワハラ上司という生き物

この経験を経て思うのは、やはりパワハラ上司は自信と余裕が無いのかなと思います。

今働いている会社は超絶ホワイトなのでパワハラ気質の人には余り遭遇しないのですが、どうしてもにじみ出てる人っています。やはりXさんとにている匂いを感じます。

自信がないから自分を守る。守る方法もわからないから他人を攻撃する。結果として部下が潰れるので自分でも気に病む。感情をコントロールできないから、ダメだとわかっていてもまたやってしまう。

パワハラ上司にも色んな種類がいるとは思いますが、Xさんはこんな感じの人でした。結構仲良く飲んでいたので、「性格的には起業したほうが良いんじゃないですか?」とか話してみたのですが、そもそも自信がないからそれもできない。

被害者が存在するので安易に擁護はできませんが、これはこれでなかなか生きづらそうな人生だなぁと思いました。

本当は自分の弱さや欠点を認めて、周りにさらけ出してでも改善していくべきですが、そもそもその強さが無い。

そして被害者は再生産され続けていくわけです。弱いものいじめと同じく、どうにもならない人間のサガのようなものなのかもしれません。

まとめ

とまぁ僕の体験記でした。やはり再現性が高いとは思いませんが、生き残りに成功した一例として誰かの役に立てば良いなと思います。

今回はXさんを題材にしましたが、それ以外に出会ったパワハラ気質の人はだいたい同じ感じでした。「自信も能力もあるけど単に感情のコントロールができない」などの亜種はいましたが。

会社で働く以上パワハラ上司と出会うリスクはゼロにできませんので、いつか来るその時に備えて心構えやスキルを作っておくのも重要かもしれません。

ちなみに今の僕の心構えは、

「やられたら刺し違えてでも殺す。」

です(笑)

バカみたいですが、結果的にこういう人はパワハラを受けにくい気もします。

今は録音してSNSにさらすとか通報するとか色々対策もあると思いますが、パワハラはさらないことが一番ですもんね。

ナメられないように頑張っていきましょう。

かしこ












この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?