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新卒だった僕に贈りたいJTCの不都合な真実

4月。新入社員の皆さん就職おめでとうございます。JTC(Japanese Traditional Company)に入社された皆さん、地獄へようこそ(冗談です)。

今回は有名JTCのアラフォー駐在員である僕が、新卒だった僕に贈りたい「JTCで働くうえで大事なこと」を綴ってみたいと思います。

僕は新卒カードを捨てて音楽活動とかしていたので、厳密には新卒だったときは無いんですが、それはそれとして。

著者について

  • プータロー→東証一部JTC海外営業部に入社

  • 経営企画室を経て、中国とタイで駐在(財務)

  • 独立して個人事業主を9期

  • 有名JTCに再度就職。またまた中国駐在員なう

  • フラフラしていたら氷河期が終わっていたアラフォー

能力を見せつけるとかマジで不要

入社して張り切っている新卒社員のなかには一定の割合で「私は能力が高いんです」アピールをする人がいますが、悪手です。

理由は色々ありますが、最も重要かつ見落としがちなのが、

JTCオジサンは有能な若者があんまり好きじゃない

からです。

JTCオジサンの好物は、「かわいげがあって、素直に言うことを聞く若者」であって、決して「自分より高スキルで、自己顕示欲が強い若者」では無いのです。

社員を解雇できないJTCには結構な割合で無能なオジサンがいますが、そういう相手にはむしろ自分の能力を隠すほうが好印象です。

「慌ててないけど慌てているフリ」

みたいな高等技術を駆使できると完璧です。これは思いやりです。

最近の若者は昔と違って大学でちゃんと勉強をしているので、意識高い系新入社員は、入社時点で先輩や上司よりITや語学スキルが高いケースも多いでしょう。

だからと言って入社直後から業務改善提案とかしてはいけません。確実に嫌われます。

ソースはたった10ヶ月で海外営業部を追い出されて、経営企画室に拾ってもらった僕です。

あんまりにも非効率だったから改善提案出しまくって、実際改善したんですが、すげえ嫌われました(笑)JTCでは能力や実績より「先輩や上司からの好感度」が最重要KPIです。

余談ですがこのKPIという言葉、JTCの大好物です。Key Performance Indicatorの略なのですが、意味もわからず、また本来の目的であるKGIという言葉自体を知らずに「KPIガー」と連呼する人が多いのもJTCのキュートなところです。

本当に有能な新入社員など存在しない

人の学習速度はそれぞれ違うので、「まずは3年は勉強」という言説は無意味だと思いますが、一方で入社時点で本当に有能な新入社員は存在しません。

そんな人はJTCなどに入社してこないからです。起業するでしょうし、そうでなくてもGAFAMあたりに入るでしょう。そのGAFAMですら、新入社員が無能で困った、なんて声も出ています。まぁハードルがJTCとはぜんぜん違うのでしょうが。

帰国子女だからバイリンガルとか、趣味でゲーム作ってたからプログラミングスキルが高いとか個別のスキルではありえますが、JTCでの仕事はチーム戦です。

英語が得意なら、「でも英語しか取り柄がなくて・・・」とか言っておくくらいの相手への気遣いが必要です。日本人の語学コンプレックスは尋常じゃないので、相手に言い訳をさせてあげることが重要です。

ASAPとかETAとかの略語を使うなどもっての外です。

先日中途入社直後の社員からのメールに「フレッシュアイで見て本質を判断したいと思います。」という恥ずかしいフレーズがありました。

こういう人は容赦なく「フレッシュアイ君」とか言うあだ名を拝命することになるので、本当に注意が必要です。命名したのは僕ですが。

挨拶はとにかく笑顔でしておけ

小学生に諭すような内容ですが、意外とできない人が多いんですね。

笑顔で、大きな声で挨拶するだけで好感度はバク上がりします。1円もかかりませんし、やらないと損です。

日本社会にはコレまた結構な割合で「挨拶できない人たち」が存在します。

挨拶しても返してくれない先輩も普通に存在します。が、めげてはいけません。ちゃんと挨拶している姿は周りも見ていますので、ムカついても挨拶はし続けましょう。

いつの時代もオジサンやオバサンはどうしても「最近の若者はおとなしい」とかのたまいます。新人類、ゆとり世代、Z世代と意味不明な若者をカテゴライズする言葉が生まれ続けるのも納得です。

そんな中で挨拶は普遍の武器です。笑顔で挨拶して、「今度飲みにつれてってください!」とか言えたら完璧。若者に慕われて嬉しくないオジサンは存在しないので、うまく手のひらで転がしましょう。

ポータブルスキルを身に着けろ

もしあなたが本当に能力があるなら、おそらく数年のうちに転職したくなるはずです。

JTCはいまだに年功序列の名残があり、また上司の好き嫌いで出世するので、「自分より無能なのに給料が高い人達。」が大量にいるからです。

僕の場合は勢い余って独立起業してしまいましたが、転職する人のほうがマジョリティでしょう。このときに重要になってくるのがポータブルスキルです。

ポータブル=portableとは、「持ち運び可能」という意味。つまり、他の会社でも使えるスキルが重要になります。

JTCの社内の雰囲気に流されていると、「その会社でしか通用しない知識」ばっかり身につきます。

この話は◯◯部の✗✗さんが詳しいとか、自社製品の型番の命名規則とか、社内独自のシステムの使い方とか。こういうのは会社を一歩でた途端まったく役に立ちません。

理想的には、専門性が高いポータブルスキルですね。PythonでAIの開発ができるとか、独占業務がある資格(司法試験、会計士、弁理士など)を取っちゃうとか。

一時期三種の神器とか言われた汎用スキルである、語学・IT・会計全般の勉強は当然ですが、どこかで専門性と言える分野を持っておくと吉です。

コレがないと僕のようにオジサンになってからの就職でスゲー苦労することになります。

とかくJTCはジェネラリストを養成しがちなので、自分で軸を作らないと詰みます。

まとめ

激変する世界環境のなかで相変わらず取り残されているJTCには不都合な真実がたくさんあります。

一方で低空ながら安定飛行している経営、手厚い福利厚生、クビにならない安心感などメリットが有ることも事実。

JTCにしがみつくのもよし、転職して大海に漕ぎ出すのもよし、とりあえず新卒の皆さんは上司や先輩に嫌われないように如才なく振る舞ってください。

それが後の選択肢を増やすはずです。たぶん。


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