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汗をかくこと、体の熱の発散のしくみ

身体があったまると汗をかく。この言葉を聞くと当たり前と思うかもしれませんが一体汗はどのように熱の発散の役割を果たすのでしょうか。

以前に熱中症の記事でも書きましたが深部温度が41度に上がった状態が続くことで熱中症の症状が生じると言われています。体はこの深部体温が上がり過ぎないようにクーリングシステムが備わっていてその代表の一つが汗の蒸発です。

安静時に心臓が血液を送り出す拍出量は1分間あたり約5ℓと言われています。(体の大きさによって個人差があります)
しかしこれが運動中になると運動に必要な酸素配給を補うために最大で5倍の25ℓもの血液量が心臓から送り出されます。そしてそのうちの大半は筋肉に回され、内臓に送られる血液量は少なくなります。体温が上昇すると体は熱を発散させるために筋肉へ送る血液量を減らし、皮膚の方へ血流を多く流して汗をかき体の深部へ血液が戻る前に血液温度を下げ深部体温の上昇を防ぎます。筋肉への血流が制限されることは酸素配給も減ることを意味し暑い中で呼吸が上がりやすくなったり疲れるのが早くなるのにはこのような要因が関連しています。また内臓への血液量の低下、ストレスホルモンの増加が運動中の気分の悪さを引き起こす要因とも考えられています。

汗をかいて蒸発することで熱が体から逃げていきますが、今のように湿度が高い時期は汗が蒸発しにくくなります。そのため熱の発散が遅れ体はより多く汗をかくといったサイクルになります。

汗をかく以外にも体には3つの代表的なクーリングシステムが備わっています。

1.輻射
外気温度が体温より低い場合は放熱が行われます。この体温と外気温の差により放熱率も決まります。皮膚からは常に赤外線の形で熱が放散される。寒いほど放熱率は高く、暑いほど低い。

2.伝導
直接物に触れることで熱が伝導されます。何か冷たいものに触れたときは体の熱は伝導されます。

3.対流
空気、水を通して熱を出します。呼吸、発汗がこのシステムにあたります。

4.汗の蒸発
最後に上記でも説明した汗の蒸発です。外気が体温より高い場合は汗の蒸発が唯一の熱の発散になります。


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