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導きの旅

「五感を研ぎ澄ます」「今を感じる」「愛を深める」「着地する」
そんなワードがひっきりなしに頭の中をぐるぐる回る。


 車で4-5時間くらいかかる少し離れた場所で、友人の結婚式が開かれることになった。結婚式に参加するのがメインテーマではあるけれど、その現場に辿り着くまでの道のりを、ドライブ旅行として楽しんできた。八月末。夏の終わりの季節だ。去りつつある夏の強い日差しを追いかけて、南へ向かうプチ旅行が始まった。

旅のテーマは「導き」。
結婚式会場に向かう方向ではあるけれど、その他の計画は何もなくて、何をするか、どこのルートで行くか、そんなことはあまり考えずにフラフラとドライブする。ドライブって、公共の電車やバスとは違って自由に動きながら貴重な景色を楽しめるから大好き!

Googleマップをベースに運転をしながら、目の前に飛び込んでくる看板や、山の中に現れる神社の鳥居、なぜか引き寄せられる林道、しっぽり経営しているゴハン屋さんなど、気になるものがあれば車を止めて、そこで時間を過ごした。行動する時間にゆとりを持たせながら、頭の中を空っぽにし、自分の中から湧き出てくる好奇心や直感のままに動く。その先には、面白いご縁があるものだ。

街から山間へ入った瞬間に変わるマイナスイオンを含む空気に触れたり、空を見上げて流れる雲・風を観察して、天気の予想を立ててみたり、隆起する山々の変化やコンクリートで作られた地形に、長く長い変化の歴史を感じてみたり。ドライブ中に通り過ぎる景色だけでも、たくさんの学びがある。

 短いプチ旅行なのに、川には何度も入った。
山があるところにはいつも綺麗な川がある。通り過ぎた下流の浅瀬で、夏の日差しに照らされた砂利が、川の水を快適に保って私たちを迎えてくれた。
服を脱ぎ、吸い寄せられるように優しい川へ寝っ転がって全身を委ねてみた。留まることを知らない水の流れ。身体に合わせて水の流れも変化する。しばらくすると私の足元に、小さな魚が集まってきて休憩を始めた。滞留されたお水は魚にしてみたらプールみたいに快適なんだろうな。

川の表面では、どこから転がってきたのだろうツルツルした大小の岩が、川の流れに模様をつくっている。上流から下流へ、ぐるぐると回りながら模様を描き、同時に、笑うように様々な音を鳴らす。耳を澄まして聞き入ってみると、ショボショボ、ボコボコ、ちょろちょろ、みたいなお喋りしているような、泣いているような、笑っているような…表現のしようがない不思議な音たちが鳴り響いていた。
水は流れに流れ、岩や私の身体を受け入れて通り過ぎ、突き進む。
包容力のある、強い川の流れがあった。
深いところへ行けば、膝に力を入れなければ立っていられない箇所もあったたりして。そういえば、川瀬にある大きな岩だって、水が押し流してここまで辿り着いたんだもの。今は優しくゆっくり流れる川も、表情が変われば一気に荒れ狂った一面を見せるのだろう。

誰かがいってた。

川は、
森を海を繋いで、
植物や動物を育てる。

川は
地球の血管、なんだって。


そういえば、面白い場所に導かれたりもした。

通りすがりに、ふと気になった神社の鳥居。
急勾配に盛り上がった森の入り口となるようにひっそりと佇み、なんだか余計なものを受け付けないような重厚感と存在感のある鳥居だった。
妙に、心臓がザワザワした。中を見てみたい。ちょっと、怖い気もするけど、でも入りたい!と、思うがままの直感で、鳥居を跨ぎ入っていく。途中で「しまった!」と思ったのは、ビーチサンダルで入ったこと。通っていいのか迷ってしまうほどの細い山道、油断すれば滑ってしまう湿った土、急な階段が続く。慎重に足場を選びながら進めていた。
とあるポイントから、
胸がさっきよりもドキドキしていることに気が付いた。
ただただ、鳥居の先を進んでいるだけで、まだ特別な景色は見えていないのに、心臓が音を立てて何かを伝えてくる。
ドキドキ、
というよりは、
ドクン、ドクン、と波打つ感じ。
なんだろう。
こういう身体の反応をきっと、胸騒ぎ、というんだろうな。
その先に何があるのか分からない。
とにかく、前に開かれた道をひたすら進んだ。

そして、到着した先は、滝があった。
4-5階ビルほどの高さまである崖から滑り落ちる水。
狭い空間で巻き起こる湿った竜巻。
大きな滝の裏には、
神様がいるんじゃないかと思うほど大きく窪んだ真っ暗の空間。
圧巻だった。
私は言葉を失い、子供に無邪気になっていた。すごいすごいすごい!と単調な言葉を叫びながら滝の前へ走り寄り、地面に打ち付けられる大量の水風を全身に浴びる。目を閉じて音を聞き、上でも下でもない空気の流れを全身で感じる。フワフワと揺れ動く空気とドキドキする心臓が相まって、ピョンピョン飛び跳ねたくなった。立ち止まっていることが難しかった。身体が、分かりやすいくらいに喜びに満ちていた。なぜか涙が出るくらい、ここに辿り着いたことを嬉しく思っていた。
そこには間違いなく、私の心臓へメッセージを送っていた主が居て「よく来たね」と微笑んでいるかのようだった。

大切な人と同じ体験をしていること
この幻想的な場所に来れたこと
それだけで胸がいっぱいになった。


そうこうしているうちに、
目的地のウエディングパーティ現場へ辿り着く。
主役の、大好きな二人。
整えられた美しい会場には花が並べられ、たくさんの仲間で賑わっていた。目の前には、優しい波が押し寄せる海がお祝いするように夕日のピンク色を反射している。
パーティ会場には、いうまでもないくらい笑顔と笑顔と、笑顔。全員が二人を祝う多幸感に溢れていた。新郎新婦への愛と愛が繋がって愛が全身を包む。目が眩むほどの優しさに包まれて、楽しみ、踊っていた。
楽しい余韻が長く続き、幸せに満ち満ちて私たちも帰路に着く。
幸せを作り出せる二人は、何があっても大丈夫!
そんなパーティだった。
誘ってくれて、本当にありがとう!




流れるままに、動いてみた今回の旅。
五感を研ぎ澄まし、今を感じ、愛を深め、そこに着地する旅。

むくっと起き上がる直感、
目が離せない景色
忘れられない言葉、
なんか「気になる」
小さなことが全部、何かのメッセージ。

普段は、
時間制限があったり、
スマホ情報が多すぎたり、
頭で考えてしまったり
未来を予想したりしてしまうけど、
目の前に現れる「導き」のままに動けば、ココロは軽い。

この「導き」に沿った動き、
日常にも取り入れるトレーニングが必要そう。
あれ?と思う瞬間の、気持ちを追求するトレーニング。
気になる現場に立ちいってみるトレーニング。
ココロ晴れやかに、
自分の直感に従って生活するトレーニングを始めようと思う!

遊びすぎて、
現実社会で堕落しないようにだけ気をつけなきゃな、とは思いますが。



読んでくれてありがとう!
またね。

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