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日本学術会議民営化のすすめと、選出方法への疑問

どうも今の仕組み自体に問題があるようですね。

前回この問題の記事を書いたときに、もう遅かったかなと思ったのですが、まだまだ盛り上がっていらっしゃいますね。

普段だったら、読み飛ばしてしまうところなのですが、どうにも気になって仕方ないのは、自分で意見をまとめてみたからかもしれませんね。なるほど、noteって面白いな。

私なりの整理

さて、関連して様々な意見が飛び交っていまして、かんたんに対立の争点をまとめると

A 学問を代表する組織の構成を決めるのは学問の自由を守ること。独立して運営することとされている会議が推薦した任命を拒否するのはそこへの介入であり、けしからん。最終的には学問の統治に繋がりかねない。

B 10億円以上の税金で運営されている内閣府の組織である会議の会員任命について判断をすることに問題はない。任命は会議メンバーの構成についての問題であり、学問の自由とは関係がない。

ということでいいでしょうか。過去、任命は形式的なものだとした答弁を変更するのか、とか前例主義にとらわれる必要があるのかという手続き的な問題はあるのですが、これはどうも本質とは違う議論のような気がしています。本質を訴えにくいときに、枝葉の問題提起で騒ぐことはよくあるとこです。

民営化のすすめ

そんななかで、面白いなと思ったのがNEWSWEEK日本版のコラム(電子記事)でした。要約すると

・多様な科学者の意見を集約してと謳うには、日本学術会議の人数が少なすぎる。より門戸を開くべき。

・科学者の政治的主張は認められるべきだが、その主張が政府から干渉を受けないために、国から財政的・身分的に独立した状態で行われるべき。

ということになります。根拠としてあげている2003年に日本学術会議の委員会が行った「各国アカデミー等調査報告書」によれば、(アカデミーというのは日本の日本学術会議にほぼ相当する組織。43カ国を対象に調査。)

・日本学術会議の会員数は210人で全科学者の1/3,500で、非常に少ない。米、英、独、仏、伊、カナダ、スウェーデンでは 1/50~820

・外国人の科学者がいない点も日本は特殊。

・ほぼすべての国のアカデミー会員は無報酬。一部の国では、会費を取っているところもある。

・日本を含むアジア圏のアカデミーの大半は政府機関であるが、欧米は独立民間組織。

ということだそうです。その他にも私が、この報告書から見たところでは、

・日本のように予算が全額国費なのは、まれなケース。多くの国は、30〜80%の行政からの補助金以外に、委託研究等による報酬、民間からの寄付、独自財産の運用、大学や学会からの収入、事業収入などさまざまな収入を活用している。

・日本学術会議より予算規模の大きいアカデミーもあるが、その中には日本学術会議が持たない研究助成金等が含まれているところがある。

そして報告書も、実際には政府からの支援を受けるのはやむを得ないとしながらも、「アカデミーが、独立性、中立性、公正性を保つには、その組織運営資金は出版や講演会などの独自の活動、あるいは拘束力のない寄付や会員の会費などによって賄われるのが理想的である。」と述べています。

なるほど、学術会議側も独立性を守るために努力をする余地はありそうですね。(独立性と学問の自由の関係は、一旦脇においておきましょう。)

選出方法

そして、独立性の問題と別に気になったのが、選出方法。同報告書によれば、
「日本学術会議は既存の学会・研究団体から選出されるのに対し、各国アカデミーは、ほぼ全ての機関において、そのアカデミー内の会員により推薦・選出される方式(co-optation)を採用している。」ということらしい。

既存のというところで、新しい発言力の弱い学会はどうなるのかという疑問もあるけど、外国のやりかたも結局は、身内の推薦。まあ、人数が多ければそれでも多様性は担保され、新しい考え方もはいってくるとは思いますけれど。

今回の問題で、「首相は耳障りな意見には耳を閉ざすのか」という意見があリますが、日本学術会議が政府に直接提言する枠組みが国のガバナンスとして正しいのかどうか。アメリカの最高裁判事の思想の偏りについて疑問視されていますよね。まあ、任期性であり、提言にとどまるという意味で学術会議が政治を支配するというリスクは、はるかに低いし、科学という政治と離れた見識を活用することはもちろん価値があるのですが。

そもそも耳障りなことを言って政治を正していくのは、国民の付託を受けた国会議員ですよね。彼らが様々な科学者の声にも耳を傾け、理路整然と日本の将来を議論する材料に活用したらいかがかと思うのです。有権者としても、票を投じた代議士に政治の議論を任せたくないですか?自分の知らない偉い先生たちに国を左右されるのは平気なのかしら。

こうなると、野党の組織する第2科学者会議が出てきたりして、中には自分の学問の成果を政治利用するのかという議論も出る可能性もありますが、任命されなくて憤っているタイプの先生たちは、そんな反論はしないでしょう。

ああ、他のこと書きたいのに、気になってしょうがない。次回はちくわ料理のレシピを掲載。にしたいなぁ

#日本学術会議 #noteって面白い

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