88 宇多田ヒカル ☆ Automatic

【MY FAVORITE SONGS 88(私は音楽でできている)】

 車を走らせながらラジオから流れてきた「Automatic」を聞いて、すぐにCDショップに買いに行ってしまいました。その後発売されたアルバム『First Love』はミリオンセラーとなり、現在までに世界で990万枚以上売り上げて、ダントツで日本歴代1位です。これからネット配信だけになってCDが販売されなくなることも考えると、この記録は、もう破られることはないでしょう。

 15歳の女の子が歌っているとは到底思えませんでした。東芝EMIが作った彼女のHP(まだブログもなく米国から日記の原稿をメールしていたと思われる)が更新されるたびに、とても(精神的に)危なっかしい感じがして、この子の命は大丈夫かなとハラハラしながら読んでいました。当時チャイルドラインで子どもの厳しい相談を山ほど聞いていましたが、彼女は飛び切り危ない感じがしました。

 その頃、宇多田ヒカルさんが「文芸春秋」でダニエル・キイス氏(『アルジャーノンに花束を』の著者)と対談したときには、年齢差が60歳くらいあるのに知的に対等な感じで話しているので、凄いと感じると同時に、早熟な才能が生きる困難さは私の想像をはるかに超えるものなんだろうと、とても心配しました。

 宇多田ヒカルさんといえば歌姫という言葉が当てはまると思います。そして母親の藤圭子さんもすばらしい歌手で、親子で歌姫というのが本当に凄いのです。藤圭子さんがどれくらい凄いかというと、『新宿の女』『女のブルース』の2つのアルバムは、合わせてオリコンチャート37週連続1位という空前絶後の記録をもっているのです。

 以前藤圭子さんの人生について詳しく調べたことがありますが、なかなか困難な生い立ちで、そこから宇多田ヒカルさんの大変さにまでつながっているなと思いました。

 6年に及ぶ、自ら『人間活動』と呼んだ休養期間を経て、音楽活動に復帰されました。嬉しくもありますが、静かで平和な時間をたくさん過ごしてほしいと心から願っています。

応援よろしくお願い致します。