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psycho-passから学ぶ。すべてがスコア化された近未来はどんな社会?

psycho-passは近未来を設定にしたお話です。
シュビラシステムというシステムが国を管理しており、人間の心理状態をも数値化された世界で 人々はAIに管理されながら暮らしています。

AIにより毎日の服装から職業・結婚相手まで最良のものがはじき出され、一見便利で満たされている生活に見えます。

ちなみにpsycho-passはゲームも出されていますが、そのサブタイトルが「選択なき幸福」でした。
確かに人が生活する上で何をするにも選択の連続です。選択しないことで幸福となる世界ということでしょうね。

しかし、AIによる最適化された社会では、犯罪に関する数値も「犯罪係数」と表示され、犯罪を犯していなくても「犯罪係数」が高いというだけで、セラピーを受けることを強要されたり隔離 されたりします。

生活支援から犯罪者予備軍の可能性までスコアでチェックされてしまう世界なのです。

こんな社会で治安を守る公安局の刑事課が舞台となり、監視官と執行官が犯罪係数が規定値を超えた 犯罪者を取り締まっていきますが、それだけではない、奥の深い話です。

システムにとってスコアの高い人間とは?

きっとpsycho-passの世界みたいになったら、政府にとって都合のいい人間は良いスコアが出るように なるんでしょうね。
人間的な考えが逆に異物とされ、危険な対象とされてしまう。

スコア化されるってことは、一見皆が平等であるということのように見えるけど、 少しでも政府の批判や国家転覆をはかるような思想をしたらすぐに隔離→セラピーコーズになりそうです。
結局は平均値の扱いやすい人間を量産するようにシステムが働いてるってだけなんでしょうね。

そんな社会で国民は、潜在犯認定されたらそこで人生終わり。
きっと毎回の定期健診みたいなものをドキドキしながら受けるんですね。
そして、みんな色相をクリアにすることを第一に考えながら行動するんでしょう。
この世界だと、自粛期間中に旅行行ったりバーベキューしたりしたら、きっと色相が濁りますね。 怖い怖い。


このアニメを見ていると、やっぱり絶対的な価値観なんてないと感じます。
絶対的なシュビラシステムであってもその価値観は偏っていたり、システム自体が完璧になろうと成長を望んでいます。
主人公サイドにしても最初はこの世界で適応して、疑問を持たず暮らしているが、展開が進むにつれ その状況に疑問を持ち、危機感を感じ、打破すべく行動しています。

安宅和人さんの著書で「シン・ニホン」という本がありますが、この中で安宅さんは 小さい時からドラえもんなどの漫画と接している日本人は想像力・妄想力が鍛えられていると 日本人の強みについて語っています。

確かに、スーパーシティ法案が騒がれだしたころにその内容を読んで、真っ先にこのpsycho-passを 思い出しました。Twitterなどを見ても、psycho-passのことを書かれてるかたが結構いました。

監視管理、スコア化社会に近づいていく日本

 
所詮、アニメの世界ですが、中国の信用スコアや現在のマイナンバーに国民の個人情報を紐づけしたいという方針は 少なからずpsycho-passサイドの世界への歩みに感じてしまいます。

今回は口座の紐づけ義務化は見送られましたが 、反対意見の多くが、現政権への圧倒的不信感でした。

じゃあ、仮に信頼できる政権が誕生したとして、個人情報を災害援助など弱者支援のために活用するといわれた時にはたしてどうするか?
AI管理を便利な社会ととるか、監視管理社会ととるか。
大事なのは悪意ある人間にシステムを悪用させず、システムとうまく共存しながら生活することですね。

このアニメを見てない人は、ぜひ一度見てみてください。
なかなかリアリティのある設定で楽しめます。

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