2021年スワローズドラフト戦略

スワローズが首位争いをしているなかで、すっかり忘れがちですが早いものでドラフトまで約2週間となりました。
そこで、今年のドラフト候補をスワローズの補強ポイントと合わせて紹介していきたいと思います。

ドラフトをはじめるにあたって、現在のスワローズのメンバー構成を確認しなくてはいけません。
そこで、2021年現在のスワローズの年齢別構成を表にしてみました。
スワローズ年齢別構成表

年齢別構成表に沿って補強ポイントを確認していきたいと思います。

■右先発投手
エース小川が健在なのに加え、奥川、原が戦力として計算が立つようになった。また、サイスニード、スアレスの両外国人投手がローテーションをしっかりと守ってくれる算段もできることからそこまで緊急性は高いとは感じない。右の先発投手においては高校生投手を数名補強すれば十分と考えられる。

■左先発投手
高橋がローテーションの柱的存在になってきたが、一軍の戦力として計算できるのは高橋に加えてベテランの石川のみとなっている。
上記の2人以外にも山野と育成の下しか左の先発候補がいないため、複数の投手を獲得したいところである。

■右リリーフ投手
清水を中心に今野、大西、星と一軍で実績をあげた投手が複数いる。離脱しているものの梅野、近藤も戦力としてカウントすることができる。ただ、このポジションはいくら数がいても過剰ということはないので、良い素材があれば獲得したい。

■左リリーフ投手
一軍で安定して実績をあげている投手がいない。田口を完全にリリーフとして定着させても長谷川、寺島など昨年成績をあげた投手が今年はあまり戦力になっていない。早急に補強したいポイントと言える。ただ、アマチュア時代からリリーフ専任でやっている投手は多くないので、トレードなどの獲得も視野に入れる必要がある。

■捕手
中村の後継者をそろそろ育てておきたいなかで、内山壮真が二軍で実績を積んでいる。一軍では古賀が二番手捕手として帯同しているが、大卒が古賀の1歳下となるので、古賀のライバルに獲得してもよいと思う。

■一三塁タイプ内野手
村上、オスナでほぼ固定されているうえにいざとなれば外国人で補うことが可能なポジション。ドラフト上位でこのポジションの指名を使うことはないだろうが、下位でよい素材があれば獲得しておくのは良いと思う。

■二遊間タイプ内野手
若い層では圧倒的に左打者だらけとなっており、右打者の最年少が来年30歳になる山田という偏りっぷり。右の内野手は大社でも高校生でも獲得しておく必要はある。

■強打者タイプ外野手
濱田が故障で一年間を棒に振り、中山も現状戦力になっていないことから欲しいポジションである。左右問わずドラフト上位で指名したいところ。

■一二番打者タイプ外野手
こちらは内野手と反対に左打者が少なく、最年少の左外野手は山崎という現状である。左の外野手は獲得する必要はある。また、センターを守れる選手が塩見、山崎、渡邉と限定的なのでセンターが守れる選手を獲得したい。

補強まとめ
・先発投手は左は大社、高校生問わず獲得したい。右投手は高校生。
・リリーフ投手は左投手必須(ただし、手段はドラフトと限らず)。
・捕手は大卒でよい素材がいれば獲得。
・内野手は右打者必須。
・外野手は左打者必須。センター守れる選手。

上記を踏まえて今年スワローズに獲得してほしい選手は以下の通り。

ドラフト1位
森木大智(高知高)右投手
佐藤隼輔(筑波大)左投手
ドラフト1位はこの2択が良いのではないかと思う。

森木大智は市立和歌山の小園健太、明桜の風間球打と並んで高校BIG3と言われている。
小園は完成度が高くカットボールを中心に操るタイプ。
風間は高い位置から角度ある直球で打者を打ち取るタイプ。
森木は150km超の直球に質の高いカーブ、スライダーを交えて抑えるタイプ。
中学時代から150kmの速球を投げていたにもかかわらず驕ることなくクレーバーに研究熱心とのこと。将来的に奥川と並び2枚看板として期待できる素材である。

筑波大の佐藤隼輔は今ドラフトナンバーワン左腕。球速も150オーバーで変化球もキレがあり、制球も安定している。ただ、今月右内腹斜筋の肉離れで戦線離脱しており、これがどう評価に繋がっていくかというところ。大卒ではあるが、まだ成長過程であり2年目に先発ローテーションに入ってくるイメージ。

森木も佐藤もおそらく重複指名になると思われる。そこで、抽選を外した際の候補も押さえておきたい。

ハズレ1位
達孝太(天理高)右投手
隅田知一郎(西日本工大)左投手

達孝太は森木、小園ほどの完成度はないもののスケールなどの素材では今ドラフトトップクラスといえる。球速も着実に伸びており、3年時点では148キロを記録している。時間はかかりそうだが、今年は幸い時間の猶予はあるので、育てることができれば球界を代表にする投手に化ける可能性は高い。ただ、メジャー指向も強いため将来は渡米を希望すると思われる。

隅田知一郎は多彩な変化球を制球力も安定して操る即戦力左腕。三振を奪れると同時に走者を出せば打たせてとるピッチングもできるとゲームメイクに優れた投手といえる。ただ、所属する大学連盟のレベルがやや低いことから、その評価がどのようになるかが注目である。この投手は1巡目に重複を嫌う球団が一本釣りを狙って指名する可能性もあるが、もし指名されなければチャレンジしていただきたい。余談だが、2020ドラフトで育成指名した丸山投手もこの大学の出身である。

ドラフト2位
廣畑敦也(三菱自動車倉敷オーシャンズ)右投手
黒原拓未(関西学院大)左投手
梶原昂希(神奈川大)外野手・左打
ポジションも異なる3名を挙げさせてもらった。

ドラフト1位候補にも挙げられている廣畑敦也をここにあげたのは、直近の都市対抗野球中国予選で炎上したため、1位入札する球団がなくなるのでは?と推測してのもの。そうでなくても大卒・社会人は敬遠されることが多く2巡目に残っている可能性はあるだろう。ただ、ドラフト直近の順位で指名順が決まることから、スワローズの指名は後半となっており、そこまで残っているかは不明。残っているなら迷うことなく獲得すべきである。
この投手は昨年の都市対抗野球1回戦で前年覇者のJFE東日本と戦いジャイアントキリングを達成した投球を観たが、球場を支配する能力に優れており、ゲームメイクする能力が高いと感じたが、今年の予選で予想を裏切られたと感じてしまった。

黒原拓未は球速も140キロ台後半に加え、カットボール、カーブ、チェンジアップなどと緩急を使って投球を組み立てることができる。制球も安定しており、完投能力もある。ただ、身長173cmと小柄なことが他球団スカウトを遠ざけることになる可能性もあり、スワローズの2位指名まで残っている可能性はあると思う。

梶原昂希はスワローズ待望の左打ちでセンターを守れる外野手。長打力もあり、脚も速いので将来的にはホークスの柳田選手やカープの鈴木誠也選手をも目指すことができる。総合力だけでいえば、去年の佐藤輝明選手より上だと思う。山田、村上と並んでクリーンナップを任せられる選手と言える。

ドラフト3位
柴田大地(日本通運)右投手
赤星優志(日本大)右投手
鈴木勇斗(創価大)左投手
藤井健平(NTT西日本)外野手・左打

ドラフト下位にいくにつれて、候補者が増えていくのはそこまでのドラフトで他球団の影響を大きく受けるためである。

柴田大地はトミージョン手術を受け、大学時代も公式戦は登板なし。社会人になっても登板は限定的となっているため、あまり他球団がマークしていない選手。直近でZOZOで投球を観たが、直球で打球を詰まらせ、打ち取ることができる投手。昨年の栗林よりも球質は上だが、故障がちなのが珠に瑕。そのため、他球団が上位指名回避のため、3位でも十分獲得できる可能性は高い。

赤星優志はこの順位で残っているか微妙だと思う。今春に東都の2部リーグで防御率0.78とチームを率いて1部リーグ昇進を決めた過程は原樹理の大学時代の成績と被る。秋のリーグ戦でも1部で2試合に先発し、完封1、完投1と好投しているところから、高いレベルでも十分に通用することがわかった。丁寧に投げて打たせてとる投球を3年秋ぐらいからしており、調子が悪い時でも試合を作ることができるのが魅力。

鈴木勇斗は今春までは制球に安定を欠いていたが、秋になって制球力をつけ成長を見せている。緩急をうまく使い、カーブでも三振が獲れる。身長174cmながらも球には力があり、MAX152kmを記録する。試合を作れるので先発が理想ではあるが、二段モーションの独特な投球フォームのため、リリーフで起用することも考えられる。

藤井健平は走攻守そろったプレーヤー。バットコントロールもよく、パンチ力も秘めている。肩がめっぽう強く、即戦力として期待できる。左投げであるため、ライトもしくはセンターに起用が限定されるが、それらのポジションをこなすだけの十分なポテンシャルを持ち合わせている。

ここからは、下位~育成で獲得して欲しい選手を紹介したい。

木村大成(北海高)左投手
MAX150kmにキレのあるスライダーが武器の左投手。
まだまだフォームに安定感もなく課題が多いため時間はかかると思うが、たたずまいが投手っぽい感じで、3~4年辛抱してみる価値はありそう。
制球には安定感があるので、身体を一回り大きくして下半身に安定感がでてくれば、球速もまだ伸びると思う。

羽田慎之介(八王子学園八王子高)左投手
左投手で191cmというだけでロマンを感じる。球速も2年時から5km以上伸び、MAX149km。ただ、3年時に肘を故障しており、投げられなくなっていた。メスを入れるほどではなかったが、気になるところ。こちらもまずは身体づくりで3~4年の時間はかかると思う。

秋山正雲(二松学舎大附高)左投手
3年時に甲子園でベスト16まで進んだ左腕なので、知名度は高い。ただ、身長171cmのため各球団がどう判断するか? MAXは146kmながらも緩急を使ったと投球術に優れ三振を奪う。また、制球も安定している。ちなみに秋山はスワローズJr出身のため、ぜひとも獲得してほしいと思う。

桐敷拓馬(新潟医療福祉大)左投手
奪三振率11.62を誇る本格派左腕。MAX150kmの直球を中心にスライダー、スプリット、チェンジアップを投げ分ける。スプリットでもしっかりとコントロールができており、完成度が高い投手。先発よりもリリーフの方が力を発揮できるのではないだろうか?

高木翔斗(県立岐阜商業高)捕手
186cm88kgと捕手らしい体格をもっている。捕手としての能力は成長過程ではあるものの二塁送球2.0秒台と素質は十分といえる。魅力は打撃で特にパンチ力があり、大阪桐蔭の松浦投手からもバックスクリーンへホームランを放っている。内山壮真選手とともに切磋琢磨育てていける存在になりそう。

粟飯原龍之介(東京学館高)遊撃手・左打
走攻守すべてに素質を持っており、将来性は非常にある選手。遊撃手のほかに投手、外野手も務めた経験もあり、スワローズでは外野手を前提として獲得したら面白いと思う。

大内信之介(JPアセット)二塁手/遊撃手・左打
守備特化型の内野手。走力もあり、バントもうまいので即一軍のベンチに置いておきたい選手。守備固め、代走、ピンチバンターとこなすことができる。プロに入ったら遊撃手よりも二塁手になると思う。

前川誠太(敦賀気比)遊撃手
シェアな打撃と広い守備範囲をもつ守備力がウリ。178cm68kgとまだ身体が出来上がっておらず、2年ぐらいは基礎体力づくりに励むことにはなりそう。ただ、その後の伸びしろなどはあり、右の内野手が不足しているスワローズとしては押さえておきたい選手。また、父も高校球児で伊藤智仁コーチと京都予選で凌ぎを削っている。

谷川刀麻(東芝)外野手・左打
最近のスワローズで流行りの星陵ブランドの一人。奥川投手の4学年上。投手もやっていたことがあるため肩が強く、脚も速い。パンチ力もあるが、プロでは中距離ヒッターに落ち着きそうでバランスが取れた外野手といえる。

他球団の兼ね合いもあり、なかなかうまくはいかないだろうが、個人的に理想と思う指名は以下の通り。
ドラフト1位 森木大智(高知高)右投手
(ドラフト1位 達孝太(天理高)右投手)
ドラフト2位 
梶原昂希(神奈川大)外野手・左
ドラフト3位 柴田大地(日本通運)右投手
ドラフト4位 
桐敷拓馬(新潟医療福祉大)左投手
ドラフト5位 
粟飯原龍之介(東京学館高)内野手・左
ドラフト6位 
高木翔斗(県立岐阜商業高)捕手

育成1位 羽田慎之介(八王子学園八王子高)左投手
育成2位 前川誠太(敦賀気比)内野手
育成3位 岩田幸宏(信濃グランセローズ)外野手・左

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