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アメリカのIKEAでアメリカクオリティを実感した話

アメリカの中西部に駐在して2ヶ月目が経過。先の記事で弊社とズブズブの関係にある不動産屋(通称:ズブ屋)との格闘の末に家を決定するも、弊社内の家具購入承認申請を担当部門がブッチして盆休みに突入されてしまったため入居ができない状態が続いていたが、盆休み明けに承認が降り家具購入に至った。その際に利用したIKEAでアメリカクオリティの洗礼を受けたので備忘として記しておきたい。


概要

 先週は記録的な熱波とやらで警報まで出ていたアメリカ中西部だが、今週は朝晩の気温が13℃程度まで下がり、日中も25℃程度と過ごしやすい日が続いている。先週発令された警報級の暑さは確かに暑かったが、盆すぎたあたりの日本を彷彿とさせる湿気と日差しの強さであった。ローカルのチームメンバーと話をしていて今日の暑さはクレイジーだ!などと言っていたが、日本の夏によく似ている。来週から君は日本出張だけど、これより暑いと思うから覚悟してね。通勤電車という地獄も同時に味わっておいで♡などと言って笑い合える程度には、日本の夏の過酷さは際立っているのだろう。特に湿気の少ないアメリカ中西部で働いていると夏季の日本出張は拷問に近かろう。なんせ、朝から気温30℃超え、露点23℃の中、見知らぬオッサンと背中合わせで体温と汗を感じながら1時間過ごす満員電車なんて想像したくてもできないだろう。そんな環境で毎日働いててるんだ!ジャパニーズサラリーマンなめんなよ!24時間働けますか?なんてクレイジーなCMが流れてもクレームすら入らなかったんだぞ!クレイジーだ!
 そんな中、家具購入申請が承認されたため入居したくてもできなかった家の住環境整備を続けている。家具購入にあたりIKEA(アメ人に言わせればアイケア)のオンライン購入&配送を試みたのだが、アメリカに来て初めてアメリカクオリティの洗礼を受けたので、対処法とともに備忘として記しておきたい。

アメリカの配送業者

 Web上の情報を掻い摘んでみると、アメリカの配送業者は軒並みクソであることがわかる。ただ、この国ではこれがスタンダードであり日本のクオリティと同じ土俵で比較しようとする行為自体が間違っているんだと考えられる。私はまだ体感していないが、日本で評判が悪い佐◎急便なんかが神に思えるとの事である。

 ここまで酷くはないと思いたいが、怖いので家電製品は会社のAmazon business アカウントを利用して会社に届けてもらっている。ルンバが会社に届いても誰も気にせず席に置いといてくれる。素晴らしいぞアメリカ!そして席にルンバが置かれても仕事に全く影響無いほどにデスクが広い。素晴らしいぞアメリカ!

アメリカのIKEA

 世界に名だたる大企業であるIKEAはアメリカでも健在で,倉庫から持って帰って組み立てるスタイルもブレない.むしろDIY好き(休日にそれしかすることが無いとも言う)なアメリカ人の気質ともマッチしているのではないかと思う.美人なお姉さんがクソでかいピックアップトラックの荷台にこれでもかと積み込み颯爽と帰路に着く様を見れば,アメリカの女性の強さと自立心の高さを窺える.
 そのIKEAであるが,注意したいのは読み方くらいである.他は日本のIKEAと全く変わらない.そう,IKEAと書いて『アイケア』と読む.これを忘れてはならない.クレジットカードがトラブった際に日本語が通じるサポセンに電話しても,流暢な日本語で『このアイケアの注文が云々』と,さも当然かのごとく発音してくる.日本でIKEAをアイケアなんぞ宣う女子大生がいようものなら「はいはい,ポカホンタスおつかれー」くらいの勢いで指さしてバカにしていた自分が目に浮かぶが,ここはアメリカ.さも知ってましたかの如く「そうですそのアイケアの注文が云々」と返している自分に驚く.郷に入っては郷に従え.

トラブルの発生

 そのIKEAにおいて家具を揃えた.まずは大物をと考え,ソファー,ベッド(フレーム&マットレス),ダイニングセット(テーブル&椅子6脚)を購入することとしたが,私はしがない日本人でありクソでかいピックアップトラックなど持ち合わせていない.店舗から持って帰れるだけのスペースがないことから,オンラインで発注し配送してもらうこととした.
 天下の北欧クオリティを振りかざす世界のIKEAである.オンラインの発注から全力で躓かされる.クレジットカードの決済承認が降りないのである.1回目は不正利用の疑いで弾かれたのだが,カード会社に連絡をして解除し24時間後に再チャレンジした際にはクレジット会社まで情報が飛ばず,IKEA側から拒否されている.今度はIKEAに電話し制限を解除してもらう,などのやり取りは複数回発生.3回目でようやく承認された.原因は調査して報告するとのメールが届いたっきりIKEAからは音沙汰がない.
 なんとか発注され発送まではスムースであったが,到着時に追加でトラブルが発生した.ベッドのヘッドボード,テーブルの天板が届いていないのである.IKEAの大物家具は部品が複数の箱に入って届くのだが,よりもよって一番大きい部品を持ってこないのである.配達員の目は節穴だろうか.それとも積み込んだ人間の目が節穴なんだろうか.運んでくれた配達員は忙しそうに去っていくのを引き留め,冷えたペットボトルの水を提供したは良いが,あいつらさっさと帰りたかっただけなんじゃないかと考えている.到着日はレイバーデーを含めた3連休初日であったためである.くそう.佐○急便と同じくいらいのクオリティだな.

トラブルの対処方法

 このトラブルをどうするか.解決するための行動は以下に絞られる.
① 配送業者に電話
②IKEAに電話
どちらも出る気配がない.そう,3連休初日である.5回はかけただろうか.オペレーターに繋ぐから待っとけというメッセージから一向に進まない.私は電話を諦めた.webを彷徨っていると,AIチャットボットなるものがあるのでそこに聞けと出てきた.聞いてみたところ以下の候補が出てきた.


https://www.ikea.com/us/en/customer-service/contact-us/

さすが北欧AI,どこぞのチャイナボットとはクオリティに雲泥の差がある.痒いところにピンポイントで回答を出してくる.すばらしいぞ.世界のIKEA!
 ということで中身を確認する.

https://www.ikea.com/us/en/customer-service/knowledge/articles/g7fb36d2-c919-41f3-8936-2g7e6d1e1194.html

 表面だけ謝っても許されんぞ.オンラインで頼んでおいたものに対して,はよ解決したかったら店まで来い,などと恥ずかしげもなく抜かしてくるこの北欧AIを叩き斬ってやりたい衝動に駆られるも,目の前には性能を持て余したmacが鎮座しているだけである.webでここまではっきり宣言されているので店舗に向かう.インターステート使って1時間の道のり.
 車い積めないかもしれないからオンラインで頼んだ物を店舗に取りにいく.自分は天気のいい休日に何をしているのだろうかなどと考えたら負けである.納品書と元気と勇気を小脇に抱えてカスタマーサポートデスクのキオスクで順番待ちの予約をしてひたすら待つ.対応してくれたおじいちゃんはアメ人らしからぬ丁寧な接客で好感を覚えたのも束の間,ヘッドボードと天板の箱をビリビリ破りはじめて「中身をチェックしたほうが良い!」と百万ドルの笑顔で提案してくる.破る前に言ってくれたらよかったのに..30kg程度の重さの箱(ビリビリで強度皆無)を2箱もらい,辛うじて車に搭載可能であったため,そのまま帰路に着き,組み立てる.
身も心も本当に疲れた.

結論

 結局IKEA(アイケア)が悪いのか,配達員が悪いおかは闇の中であるが,IKEAのオンライン購入で荷物破損や紛失などのトラブルに見舞われた際は,大人しく実店舗に向かうことを推奨する.このトラブルから1週間経つが配送業者やIKEAに出したメールに対する返信は一切ない(取りに行ったから要求がキャンセルされたのかもしれないが).
 ここでもしっかり自己主張をしなければ「また送るわ」と言われてしまう.また無くされるリスクを嫌い「今日持って帰らせろ」と主張すると嫌そうな顔はするものの持って帰ることができた.このような体験から英語に対する心の障壁が無くなっていくのだろう思う.

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