23.6.17 長崎vs大宮

大宮を若干追っている人視点

●前半

大宮は縦に早く!というよりは、ある程度ボールを保持して試合を進めたい雰囲気。大宮のビルドアップは、442を右上がりに変形させて、右SHを内側に入れた532。アンカーに6番大橋が入って、7番小島が左側を補助する。48番柴山も適宜内側に入って右側の補助をしていた。CBからのボールの受け手としてはその3枚がいるけど、一応コースが空けば背後のFWに当てるのも狙っている感じだった

長崎は442ベースでこれに臨んだ。両脇のCBがボールを持ったときには長崎のSHが前に出て寄せる、というのを長崎はやりたかったと思うんだけど、大宮のIH(小島と柴山)が長崎のSHの背後に立つことでこれを阻止した。長崎はCHがそこを潰せばいいようにも思うんだけど、そうなるとFWへのパスコースが空くからなかなかそうはいかなかった

という訳で大宮はビルドアップを成功させるような場面を度々見せたんだけど、技術的なミス、仕掛けの部分の練度の低さ、予備的マーキングや対ネガトラの配置の弱さによって、ボールを失う・失った後に取り返せない、という流れに度々なっていた

長崎もボールを得ると、大宮と同じくらいにはボールを持ちたい雰囲気があった。442から左上がりで3バックになるビルドアップをしていて、アンカーに6番鍬崎が入って、10番のカイオセザールが右IH、23番の笠原が左IHという感じ。両IHは降りてビルドアップに関与するというよりは、サイドの深くに走り込んだり、間でボールを受けたい雰囲気。長崎はIHのサイド流れをやると、2トップが中にいる状況を保ちながら攻撃ができるので強いなと思った。でも中盤はかなり空いてしまうよな…とも思った

大宮は2トップがベースなので、長崎のビルドアップにナチュラルに臨むと数的不利で押し込まれてしまう。大宮はSHを高めに押し出して2トップと連動させて、長崎のビルドアップに対抗していた。長崎の右SBの40番の白井が絞って3バックを形成することがほとんどだったから、対面のSHである高柳が前に出ることが多かった。逆サイドのSHの柴山は、CBがボールを持っているときは中を切り、長崎のSBにボールが出たら寄せるという動きが多かった。高柳の背後に浮き球を通されたことはほとんどなかった気がするんだけど、そこは画面外になっていてよくわからなかった

流れとしては、2トップ+左SHの3枚が長崎の3CBに寄せる。高柳は初期位置がサイドだから、外切りで寄せることになり、ボールは長崎の左サイドに渡ることが多かった。CHか中央のFWが長崎のアンカーを抑える。長崎の左CBにボールが出たらFWがサイドを限定してアプローチ。同時に右SH柴山が内側を切る。これでボールの行き先がほぼ限定される(ボールサイドのWBに渡すか、ボールサイドにロングボール)から、左CBのパスの受け手かその次の所でボールを奪いにいく。場面によっては右SH柴山が列を上げて、ボールサイドのSBが縦にスライドする。柴山は列を上げるときは後方を確認していた

大宮は、長崎にそんなに自由にボールを循環させることはなかった一方で、長崎からボールを取り上げるって程ではなかった。長崎はボールを動かせる範囲を限定されてはいたんだけど、結局その時々の連携やロングボールのこぼれを拾うような形でビルドアップを成功させることは普通にあった。大宮がそれなりにプレッシングを成立させていたことや、高めの位置取りをしていることもあって、長崎は1度プレッシングを交わしたらゴールを目指していて、じっくり押し込んで保持してということにはあまりならなかった

そんなこんなで、お互いに程々にビルドアップができるという状況が前半は続いた。43分に大宮がプレッシングを交わされて失点した。前半終わりかけという体力的に落ちてくる時間帯に、大宮は少し強度が落ちてしまった。また、オープンな状況への対応として、DFラインがスライドして適宜CHがラインの穴を埋める、というような対処ができなかった。ボール保持者に対峙した右SBの茂木も、強いクロスを入れられることは覚悟して、あそこは出ずに絞り切るべきだったように見えた。でも状況的にも体力的にも厳しい場面だった…

●後半

後半も同じような流れで進むかなと思ったら、47分に2-0になってしまった。プレスは嵌め込めたんだけど、蹴らせた後のルーズボールを拾われてしまって押し込まれ、クロスをねじ込まれてしまった。クロスを上げた選手への寄せが弱かったのか、得点者へのマークが弱かったのか、キーパーがニアを抜かれてはいけなかったのか、ルーズボールを拾われた時点でアンジェがダッシュで戻ってサイドチェンジを抑止すべきだったのか、わからない…

FWの控えがいないから、あそこでアンジェがスプリントできないのはわかるなと思った。前節の終盤とか足が棒になってる感じだったし

高柳が泉澤みたいに仕掛けられる選手だったらなぁvs泉澤が高柳みたいにオフザボールをこなせる選手だったらなぁ

58分にアンカーの大橋→泉澤。高柳とそのまま交代でもいい気がしたけど、コンディションとかよくわからないし

68分に中野→大山。小島がトップ下に入った

74分に都倉とクリスチアーノが入ってくるの、名前を聞くとやばい感じしかしない。77分には奥居が入った、懐かしい

大宮は76分から少しいい時間帯を作れたけど、ゴールはできなかった。そのまま2-0で長崎の勝ち

●大宮について

今日の大宮はボール保持においてはいい試合ができていたと思うんだけど、仕掛けの場面やネガトラに弱さがあったから、次の1週間でその辺の改善があると嬉しい、特にネガトラに備える位置取りや意識付け。枠内シュートを打たれ過ぎてしまったから、相手の攻撃の機会を減らせるようになってほしい

前みたいな、相手のプレッシングになされるがままなボール回しにならなかったのは普通に良かった気がするんだけど、Twitterを見るとそうではないような意見が多そうだったから、別に良くなかったのかもしれない