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【動画感想】カン・フューリー

とんでもない体験をした。

とあるユーチューバーが、「カン・フューリー」という短編映画がとんでもなく面白く、かつYouTubeで無料で観れる短編映画だと語られていた。

内容についてはほぼ触れておらず、荒唐無稽な作品だというガワの雰囲気だけ話されていたので

「まぁタダで観れるってことを踏まえての評価だろう」

とたかをくくった私は

夕飯のおともに、ながら見のつもりで本作を流した。



※私のように英語が聞き取れない人はYouTubeの字幕機能をオンにして視聴ください。あるいはニコ動の日本語字幕付きを観てください

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カン・フューリー

簡単なあらすじ
1980年代のマイアミ、銃で武装した若者が跋扈する世界で、カンフーの力で戦う世界一の警官「カン・フューリー」が街を守っていた。しかしとある日にタイムスリップしてきたアドルフ・ヒトラーが携帯電話越しに警察署を銃撃する。

↑に書いてる意味わかりますか?

マジで意味わかんないよね?

でもマジなんだよ、本気と書いてマジ。

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できれば何も観ずに言わずに再生してほしい

80年代前後の映像作品たち、様々なアーケードゲーム、コミックスなどのサブカルチャーを混ぜた液体を徹底的にろ過することで倫理や道徳を排除した後に、高温で熱することで”尺”という名の水分を蒸発させ固形化させたのが本作だ。

なんの躊躇もなく登場するアドルフ・ヒトラー

息を吐くように自然に登場する頭がトリケラトプスの警官

当然のように超越する時空

一歩間違えたら何もかもが崩壊しそうな綱渡りを30分走り切る本作のバランス感覚はとんでもない。中だるみは一切なく、既視感のあるレトロな作風でありながら毎秒が新鮮だった。

”好き”を突き詰めて何が悪い、とこちらは何も言ってないのにブチ切れられたようだ。清々しい。

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お願いがひとつある。



本作を1分でいいから観てほしい。

本作は30分ある。

タイムパフォーマンスだなんて言葉が流行し、1分に満たないショート動画が乱立する昨今において、30分と聞いただけで発狂しそうになるかもしれない。これは世の中の流れがそうさせたのであって、あなたのせいではない。

重々理解しているので30分観ろだなんて言わない。

1分でいい。

1分でいいから観てほしい。

1分観れば、本作の空気があなたの肺を満たし、ヘモグロビンと結合し、体内を駆け巡るだろう。身体中の組織へ運ばれたカンフーパワーは、脳の働きを阻害し、約30分ほど何もできなくなってしまうだろう。

その後、訪れる幸福を約束する。

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あとがき

愛すべきクソ映画「アフリカン・カンフーナチス」でもそうだったが、なぜナチスドイツとカンフーは結び付けられるのだろうか。

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