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[タロット劇場#19]ソード(7)小アルカナ物語

東水みのり
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タロットのストーリー仕立てシリーズ II 、ソード7。

★これはタロ子が日常のなか、幸せ見つける、小アルカナ物語。
タロット劇場、はじまりはじまり。★


前回は「指導者のもと、淡々と作業していたタロ子」でした。
今回はソード7番目のカードです。


これまで上司の指導を受け、取り組みを進めていたタロ子さん。
今回も、プロジェクト仲間と一緒にいるのかと思いきや……


おやおや?
デスクから離れ、いったいどこにいるのでしょうか?

あぁ!ここは資料室のようです。
しかし、タロ子さんの様子が、なんだかおかしいですね。

したり顔で…この歩き方といえば……。
『抜き足・差し足・忍び足』
と言わんばかりのポーズです!

もはや
唐草文様の風呂敷を鼻の下で結んだら
泥棒の佇まいですよ!

 *

一方で、カードをご覧ください。
カードの人物の表情もニヤリ、ほくそ笑んでいるかのよう。

おや?
資料室にいたタロ子さん出てきましたが、
何か手に抱え……あら!資料を持ち出している!

こそこそしていますが、それ……持ってきていいのでしょうか?



一方、カードの人物もそのようです。
人物は大きな剣を抱え、持ち去っていこうとしています…が、

はてさて、その剣は、いったいぜんたい どこから持ってきたのでしょう?
どうやら、カード奥の “テント“ から持ち去ったようです。


しかし
カードにはこの人以外、ハッキリと描かれた人物はいませんよね?
ということは……
バレていないようです。



つまり、 “誰にも気づかれずに持ち出せる“ ということは、
ーーそれ相応の機転が働いている
計算高く、策略家でもあるーー
ということ。

“ずるい“ くらいに 「うまい」 んです。


 * * *

もちろん、盗むことは褒められたことではありませんが、

でも時に、こんなことってありませんか?
たとえば、巧妙さが必要なこんな場面ーー、


「人の目を盗む」
「芸を盗む」
「心を盗む」


こういう場面、あると思うんです。

 *

それで思い出すのは、あのアニメ。

大怪盗の三世が主役の大人気アニメの映画では、
痺れる名言がありましたよね。

「ヤツはとんでもないものを盗んでいきました……あなたの心です」
っていう、警部のセリフです。

たとえヒロインの心が奪われたとして、
そんなステキな泥棒なら、私も盗まれてみたいものです。



さて、いかがでしょう?
「盗み・忍び」などと聞くとギョッとしますが、
でもタロットにおけるキーワードというのは、ひとつの比喩であり、象徴です。


 * * * * *


日常生活のなかでも、あるのではないでしょうか?

たとえば、

『気になるクラスメートのあの子。どうにかこうにか話しかけて、君の心を奪いたいよ』
そんな片思い中の人が、ライバルの目を忍んで、
好きな子を屋上に呼び出し、ライバルを出し抜こうとアピールする。

それを 「恋の作戦」 と呼ばず、なんというのでしょうか?


また、こんな場面なら?

赤ちゃんがやっと眠りにつきそうな瞬間。
泣きださぬよう、そっと部屋を出てゆこうとする、そんな場面。

ひっそりと動かなければ、また1から寝かしつけをせねばならない。
そんなとき、視線は赤子に向け気遣い、体はドアへ向けそっと出てゆく…。

それを 「愛の工夫」 と呼ばず、なんというのでしょう?

ステキな作戦だと、私なら思います。


だから、ソード7は
「工夫」とか「あえて1人で計画」
などという意味でとることもできるのです。


 * * *

このようにソード7は、
日常のなかの困りごとであるテントから、どうにかこうにか
『抜き足・差し足・忍び足』 から工夫せねばならない、
そのために“ソードという思考“を錯誤する。

そんな「策略・要領の良さ・機転」が働くとき、
人は希望をも持つことができるのです。

なぜなら…このカードの背景色にご注目ください。
“祝福” や “希望” を表す 『黄色』 に塗られているのです。


 * * * 【クイズ】 * * *

いや〜、タロ子さんを盗人扱いしたのが申し訳なくなったのところで、
会社のデスクにお先に戻ったのですが、
そういえば、タロ子さんのデスクにあるPC画面といえば……?

前回、ここに描かれたイラストに関するクイズを出題しました。

ということで、突然ですが、
「タロットクイズの答え合わせ〜」!

クイズのおさらい。

【問題】
「前回 登場したタロ子さんのPC画面には、
ソードにちなんだ“とある絵“が描かれていたのですが、
それはいったい、“何と何“でしょうか?」
という問題でした。

※ヒントは、
もしかしたらあなたも今日、スマホで使っているかもしれない、
アレとアレにまつわるイラストだったのですが…。


というのもソードとは “風のエレメント”。
つまり、
「情報、インターネット、SNS」
も意味しています。

そのインターネットに関連した、ソードらしい絵柄とはなんでしょう…?


 * * 《答え合わせ①》 * *

それでは答え合わせです。まずはひとつ目。


私も実際いま、
“答えのソレ“ にスマホの写真やデータを保存しています。
……ではソレとは一体?

ひとつ目の正解。その答えは、

「雲」

でした。


『雲』といえば、英語で『クラウド』と言います。

スマホやデジタル機器でいうこのクラウドは、
現時点ではデジタル社会において欠かすことのできないサービスです。

(※ちなみに『クラウドサービス』とは、インターネットを経由してユーザーにサービスを提供する形態のことです。)


おそらく、スマホを利用している方のほとんどは、
このクラウドサービスを最低限 利用しているユーザーなのではないでしょうか?

このクラウド……つまり『雲』は、ソードと密接に関連しているのです。



というのも、
ソードといえば『情報』を司どりますが、
ウェイト=スミス版タロット誕生から約100年ほど経った今、
現代風に解釈するのなら……?

ソードがあらわす情報とは、
“インターネット“としても捉えることができそうですよね。


ネット社会になった昨今、ずいぶんと横文字が増えましたが、
雲を英語で言うと、「クラウド」。
ネットでいう、雲。

そのデジタル社会を支える「クラウド」は、
現代の情報化社会において、
まるで広大な空に広がるソードを表すようですね。

もちろん、ソードのカードには、
この雲が登場していますので、見つけてみてください。


以上、ひとつ目の答えは、『雲』でした。
それでは続いて、ふたつめのイラスト。



 * * 《答え合わせ②》 * *

まずはヒントのおさらい。
そのイラストのアイコンが目印だった“あのSNS“といえば?

ほら、青色の動物がアイコンだった……?

答えは、「鳥」でした。

この、鳥。
古今東西の占いにおいて、
『コミュニケーション』を象徴する動物として司どってきました。

大空を飛ぶ鳥は、
風にのって軽やかに飛び回り、あちこちへ移動できるため、
まさに「風」のエレメントの象徴です。

また鳥の鳴き声やさえずりは、
鳥同士のコミュニケーションであり、
まさに鳥にとっての“言語“なんだそうです。

人と人とがつながる、SNSを表すのにぴったりですよね。

ということで、
ソードにまつわるふたつ目のイラストの答えは『鳥』でした。


 * * *


以上、この「雲と鳥」の2つのイラストは、
もちろんソードのカードに登場しています。

なかでも注目したいのが、
ソードの 『人物カード』 です。


この人物カードとは4枚あるのですが、
それら全てに共通して、この雲と鳥が描かれているのです。


(※カードの絵を見たことがないという方も、よかったらインターネットで
「ソード 人物カード」などと検索してみてください)

4枚のカードを並べて見比べると、

“雲の形“ や、
“鳥の数“ は

どう表現されているのでしょう?


カードだけでなく、現代においては?
インターネットを大空に例えて、“雲のような倉庫をクラウド“と呼んだり、
そのネット上でつながり合うSNSを鳥に表現したり、
情報や言葉という世界観をそんなふうに捉えることもできるんですね。


タロットもこんなふうに日常生活に置き換えてみると、
想像力が鍛えられ、息づいたリーディングに近づいていくなぁ……と思いました。


 * * * * * * * *


日常生活というと……
あ……そうそう、タロ子さんのこと忘れてました!


資料室からこっそり資料を持ち出した作戦、どうなったのでしょう?
その戦略の行末とは……成功の保証はあるのでしょうか?

ひっそりカードのほうで確認してみますね。


ソード7には、7本のソードがあります。

人物が抱えた5本のソードと、
残りの2本の剣は、地面に突き刺さったままです。


おやおや。
カードの人物も、やはり持ち去ったテントのほうが気になるのでしょう。
“目線と体がチグハグ“ していますよ。

タロ子さんも、密かに策略を練っているようですが、
どこか後ろめたさがあるんですかね……。



知恵も、絞り過ぎると “悪知恵“ になるように、
賢さも、はたらき過ぎると “ずる賢く“ なる。

知恵と悪知恵、賢さとずる賢さ……。
その表と裏ーー
まるでソードそのものを象徴しているかのようです。


なぜって……。
ソードの戦略とは、勝つか?負けるか?という
戦いが背景にあるからです。

“勝つ人がいる“ ということは、つまりーー…??

それは今後のソード物語を見守ることとしましょう。


 * * *

さて!
タロ子さんの思考の争いの結末は?
ソードの思考が増えると、いったいどうなる!?
そして、プリンはぷるんっと完成するのかッ!?


ということで次回、
ソード8「かんじんかなめも、がんじがらめ!」
です!お楽しみに。

* * * * * * * * * *

『星のエンタメ☆』〜タロット劇場〜
(また次回、お耳にかかります)
あなたの星が実りますように。

東水みのり



(※この記事の内容は、stand.fmにも投稿します)
・東水みのりstand.fmリンク
https://stand.fm/channels/64a00b34b352effb9d464933

(「音楽提供:BGMer」http://bgmer.net

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