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タロット劇場シリーズ カード占い物語

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タロットの物語シリーズ。占いマンガ。耳で読むストーリー。
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[タロット劇場#23]ペンは剣よりも強し〜ソード番外編③〜

小アルカナ劇場、覚えていらっしゃいますか? 主人公のタロ子はプリン開発に向け ソードの一番目のカード『ソード・エース』で、剣ではなく、ペンをにぎりしめました。 「ペンは剣よりも強し」 つまり、 「言論は暴力に勝る」 ということです。 この格言と類似する考えは、古今東西に存在するそうで、「言葉は剣よりも強し」という言い回しもあるそうです。 ソードは剣であり、言葉の象徴。 その言葉によって傷つけたり、傷つけられたりする、言葉にはそういう性質がある、ということです。 * 

[タロット劇場#22]ソード(10)小アルカナ物語

タロットのストーリー仕立てシリーズ II 、ソード10。 ★これはタロ子が日常のなか、幸せ見つける、小アルカナ物語。 タロット劇場、はじまりはじまり。★ 前回までのあらすじ。 タロ子が勤務する会社にて、立ち上がった新商品開発。 プリンを企画するためにぎった一本のペン。 決意を胸に、アイデア出しや社内コンペでしのぎを削ったあの争い。 たまにお休みもして、進んできたプロジェクト。 これまでこうして知恵を武器に、困難を乗り越えてきました。 今回は、ーー10番目のカード、ソードシリーズ、ファイナルです。  * * * カードをご覧ください。 湖のほとり、横たわる人物に、10本もの剣が突き立てられています。 説明なんて不要なほど、見るも無惨な姿です。 そのショッキングな絵柄に思わずギョッとして、顔を伏せてしまいそうなほどに。 そして、うつ伏せに倒れている人物に刺さる剣は、赤い布ごと突き刺しています。 この赤い布は「情熱」。それが貫通しています。つまり、情熱すら残っていないようです。 一方、タロ子さんも、自宅のベッドに横たわり、その背中にも剣のような言葉が突き刺さっています。 どうやら時すでに遅し。新商品プリン開発から外されてしまったようです。 どうにもこうにも。これまでやっとこさ重たい責任を負い、身を粉にして働いたきたのに。 でも、その背負ってきた背中に打たれたのは、“終止符“でした。無情にも、グサリと。 もう心も体もボロボロです。 人はときにこのような状況を 「失敗・不運・災難」と呼ぶのでしょう。 たしかにこのカードの意味は、「涙、悲しみ、寂しさ、苦悩」など図柄からストレートに連想されるそれらです。 ウェイト=スミス版タロットの作者であるアーサー・エドワード・ウェイトも、そのように述べています。 まるで救いようもないよう敗北に感じるでしょうか。 しかしこれは同時に、長期間の苦しみからの解放をも示すのです。 なぜなら、もうプリン開発から外され、プロジェクトは終わったのですから。 足掻いても、嘆いても、もう終わったのです。 プロジェクトに関わることもできないけれど、それに伴う苦しみを味わうこともありません。 もう、次に進んでいいのです。 ソードの10。 1桁の数字から、次のナンバーへ進めるのですから。 むしろ、 1つ前のソード9でも同じような悲しみを表すカードでしたが、 しかしそこではまだ、終わることも始めることもできないでいました。 なぜなら悲しい結末が出たものの、まだ処理しきれていないからです。 つまり、9では戻ることも進むこともできない宙ぶらりんな葛藤だったのです。それも苦しいですよね。 しかし今回のソード10では、限界の到達です。 どんなに厳しい状況であろうとも、ある意味これ以上失うものはありません。 だってプロジェクトメンバーとして、もう終わったことなんですから。 終わる、ということは、次へ進める、ということです。 悪くなることはありません。 今がもしどん底ならば、もうこれ以上、底はないのですから。 それはカードの絵でも示唆されています。 空の色にご注目ください。 「限界」を表す真っ黒な空。しかしその不穏な空には、うっすらと鮮やかな黄色の光がさしています。山から朝日がのぼり始めているのです。 夜は明けようとしています。 ピリオドを打たれ、深い悲しみに打ちひしがれた、タロ子さん。 たしかに残った痛みと疲労で動揺は隠せませんが。 タロ子さん、もうどうしようもありませんか? 取り返しのつかないことなのにって、ズタズタになったり。 突き刺さった剣のように、決定的なダメージで まだ立ち上がれそうにもありませんか? 夜明け前の空は1番暗い。 だから今が1番 黒の暗さが際立つ。 だからソードのサイクルはここでおしまい。 戦いは終わったのです。 湖のその先、黒い空は終わり、黄色い空は希望が、いつかはやってくる。 今はまだ絶望的でも、必ず未来がやってくるように。 ソード1でにぎったペンの剣が、自らの背中に還ってきたソード10。 でもペンならまたにぎったらいい。また決める時が来たら、次のサイクルで1から始めればいいのだから。 よくがんばったね、タロ子! ★ソード物語のまとめ★ 思考が限界まで増えると、かえって動けなくなることもある。 「考え抜く力」もほどほどがちょうどいいのかもしれません。  * * * ということでこの小アルカナ物語。 主人公の『タロ子』は、“一人暮らし、彼氏募集中の会社員”です。 でも、会社の新商品開発でのタロ子さん。 プリン作れなくなっちゃいましたけど……。 いったいこれからどうなるの!? そもそも これはタロ子が日常のなか、幸せ見つける物語。 ではそのために次の1番では何を始めるんでしょうか? 別の開発に参加する? プリンじゃなくて……それとも……? あなたなら、何かを手に入れたい時、何を始めますか? ということで、タロット劇場は新たに、シリーズ3・ペンタクル編が開幕です! 予告はこちら「クールに思考のソードですって?けっきょく言葉や考えだけじゃ、何も手に入れられなかったじゃない!手にしたいものがあるなら、形にしてこそナンボでしょ!」です。 どうぞお楽しみに。 * * * * * *  『星のエンタメ☆』〜タロット劇場〜 (また次回、お耳にかかります) あなたの星が実りますように。 東水みのり (※この記事の内容は、stand.fmにも投稿します) ・東水みのりstand.fmリンク https://stand.fm/channels/64a00b34b352effb9d464933 (「音楽提供:BGMer」http://bgmer.net)

[タロット劇場#21]ソード(9)小アルカナ物語

タロットのストーリー仕立てシリーズ II 、ソード9。 ★これはタロ子が日常のなか、幸せ見つける、小アルカナ物語。 タロット劇場、はじまりはじまり。★ 前回は「職場の拘束に身動きが取れないタロ子」でした。 今回はソード9番目のカードです。 『ソードは知性と言葉』。 それが9つも増えると……どうなるのでしょう? タロ子さんをみてみましょう。 おやおや……? 暗い部屋。パジャマ姿で、頭を抱えるタロ子さん。 ベッドの上で、悲しみに暮れている様子。 どうやら悪夢から醒めたのか、それとも眠れぬ夜に嘆いているのか……。 深い絶望に、心が打ちひしがれているようです。 それでは、ソード9の絵柄をご覧ください。 カードの人物も同じく、 悲観にくれた人物が、両手で顔をおおいながらベッドの上に座っています。 ……深刻そうです。 それもそのはず。 ソード9のキーワードは 「悲しみ・失望・苦悩」 といったネガティブな印象を彷彿とさせます。 たしかにこのカードは、小アルカナ・カードの中でも 特に深い「精神的な苦痛」を意味する と言われています。 それを表すのように、背景のカラーは、真っ黒。 もはや一言、「絶望」と嘆きたくなってしまいそうです……。  * しかしその望み、ほんとうに絶たれているのでしょうか? カードの絵柄に着目してみましょう。 ベッドの上の人物。 そこで過ごす人の身に、今にも恐るべき出来事が襲いかかって!……きているのでしょうか? ーーいいえ。そこはベッドの上、身は安全です。 つまり恐怖が起きている場所は現実ではなく、心の中なのです。 たとえ起因が現実に生じた出来事がキッカケだったとしても、 苦しみは内面を映しだしているのです。 とはいえ、抱えきれないないほどの悲しみ。 溢れちゃいそうだから、こぼれぬよう顔を覆ってみたけれど、その手のひらの内側では涙で濡れてのでしょうか……。  * しかし、それほど追い詰められて、苦しみ、たとえ希望を見いだせなかったとしても。 ご覧ください。 真っ黒な壁に掛かる9本のソード、その剣先が向かうのは、未来を示す『右』の方向です。 同じくカードの人物も、未来の右方向を向いている……はずのに、でも顔を突っ伏したままです。前を向きたくてもできないのでしょうか? まるで問題が今後もずっと続くかのような錯覚。将来さえ見通せないほどに。 膨らんでしまった苦しみ。えぐれすぎた喪失感。ぽっかり空いたままの孤独。だから、眠れないほどの悲しみ。  * * * でも、もし……もしも。 布団のうえ、ぽつり。嘆き悲しむタロ子さんだけど。 もし、両手を解き放ったなら、どうなるでのしょう? ふと顔をあげた時、その足元にかかる『布団の絵柄』に気づくことだってあるのではないでしょうか? その布団はどんな絵柄をしてるのだろう? カードの毛布に描かれているのは、 『バラと占星術で用いられるモチーフ』です。 バラは情熱。占星術は運気の流れ。 でも今はまだ、その目には、モチーフが映ることはないようです。だって手で顔を覆っているんですもの。 でも、もし……もしも悲しみを知って苦悩が去った後、顔をあげたら? 前を向け、その絵柄に気づけるくらいになったなら? そのモチーフがあらわすパワーを享受できるかもしれません。 たとえタロ子さんがもはや限界だとして、悪夢か現実かまるで区別がつかないほどの暗闇にいたとしても。  * * * ソードの9番目。 たしかにこのカードは、大きな悲しみが滲んできそうです。 でもそれはなぜでしょう? この「9」という数字に着目します。 そういえばあの時ーーソードの1番目では、あんなに決意したのに。 これまで2、3、4……と数字が増えるごとにいっぱい考えたり、戦力で勝ったり、そうして困難を乗り越えてきたはずなのに。 なぜ、9にもなって、不安と恐れに押しつぶされてしまいそうなんでしょうか? 今にも痛みに負けてしまいそうです。 ソードが9つ。 このソードとは「知性、思考、言葉」です。 では、それらが増え過ぎてしまったら? 考えすぎて逆に頭がこんがらがってしまうように。 ソードの1番目では決断できたのに、 9つも知性を働かせすぎたら、かえって判断できなくなります。 寝ても忘れられないほどに。 頭でっかちになって、心の居場所からはみ出てしまうかのよう。 たしか困難を切りひらくために必要だったソード。だけれど、 ソードも度が過ぎると、バランスが崩れてしまうのです。 感じるよりも、考えることを優先しすぎたタロ子さん。 このままソードが増えたらば、 いったいどんな結末を迎えるのでしょうか? 次回、いよいよソード10・ファイナルです!お楽しみに。  * * * * * *  『星のエンタメ☆』〜タロット劇場〜 あなたの星が実りますように。 東水みのり (※この記事の内容は、stand.fmにも投稿します) ・東水みのりstand.fmリンク https://stand.fm/channels/64a00b34b352effb9d464933 (「音楽提供:BGMer」http://bgmer.net)

[タロット劇場#20]ソード(8)小アルカナ物語

タロットのストーリー仕立てシリーズ II 、ソード8。 ★これはタロ子が日常のなか、幸せ見つける、小アルカナ物語。 タロット劇場、はじまりはじまり。★ 前回は、 「こっそり機転を利かせ、要領よく仕事をこなすタロ子」でした。 今回はソード8番目のカードです。 さて、新商品・プリン開発に向け、進んでいたプロジェクト。 先日、 “資料室からこっそり資料を持ち出す作戦“ のタロ子さんでしたが、 うまくいったのでしょうか……? ーーおやおや? ガチガチ……こちこち…… 肩がこりそうな重苦しい雰囲気は? いったいどこから……? あぁ! なんとまぁ!タロ子さんから発していた音だったんですね! 実はどうやら職場で規制が厳しくなり、 立てた作戦の案件も保留に。 監視と締め付けはキツくなるものの、 責任ばかりが押し付けられ、 もはや打つ手が思いつかないようです……。 いやぁ、苦しい状況ですねぇ。 * * * ……にしてもタロ子さんたら、退社したようですが ……おかしなことに、動きがないようですねぇ。 ここは満員電車? ーーいいえ、どうやら背景に会社のビルがあるようですが ……なぜ動きが止まっているのでしょう…? あらま! どうやらタロ子さん、 PC作業のしすぎで目がドライアイになっています! 周囲が見えていない様子! 一方、タロットカードの人物も同じく、 目隠しをしているようで、周囲の情報や状況が目に入っていないようです。 そりゃあ身動きしづらいですよね? カードの人物というと、 8本の剣に囲まれています。 いやいや……これでは動きようがありません! この “8本の剣“ とは、 『権力・情報』を表します。 「大きな情報の力と支配が行動を制限している図」 なのです。 タロ子さんも、プリンのアイデアがあったとしても、 “会社という権力“ には、どうにもこうにもあがけないようです。 8本の剣に囲まれる ……まさに “八方ふさがり” です! * * * * * 早く移動して休んだほうがいいのでは? ……と思うのですが、 タロ子さんたら、 仕事のしすぎで肩こりでパンパンになっています! まるで包帯でぐるぐ巻きにされて、 拘束されているかのようです。 カードの人物も肩こり……ではなく、 白い紐で体をぐるぐる巻きにされて、これじゃぁ動けようにも動けません。 * 一方、タロ子さんの足元は…というと、 パンプスで足が痛くて、不快なよう。 カードの人物も、足元はびちゃびちゃした水たまりがある荒地です。 縛られ、なすすべもなく囚われの身で、 ただ無抵抗に耐え忍んでいる。 * * しかし、本当にそうなんでしょうか? その四面楚歌、 「全く自由が無い」……と言い切れますか? カードをご覧ください。 人物を拘束する白い紐は、“ゆるそう“ なんです。 抵抗すれば、もしかしたら解ける可能性はないのでしょうか? また、足は自由に動かせます。 その気になれば、この場から離れることもできそうです。 実際、ウェイト=スミス版タロットの作者である アーサー・エドワード・ウェイトも、 このカードの意味のひとつは 「一時的な忍耐」だと解釈しています。 たしかに拘束状態ではあるものの、 自由はほんのわずか残されているのです。 * * * はてさて、 このまま目隠しで、 “見えていない情報と思い込み“ にとらわれたままでいるか? それとも、 “わずかな可能性の部分“ に着目するのか? 「制限から解放されたい“」と もしもそんな時、 あなたなら “八方ふさがりの風穴“ は どうやって開けようとしますか? 『剣のソードは情報』 その情報が、 ときに自分を縛り、ときに自由にしてくれるのです。 たとえばその剣で、ぐるぐる巻きの紐を切ることにもーー。 * * * * * ということで、 ソード8のキーワードは 「制限・活動停止・忍耐」 でした。 さて、 ソードの思考が増えると、いったいどうなる! というか、プリンは完成するの? そしてタロ子さんは、困難を切り開けるのでしょうか!? いよいよソードも最終局面を迎えます! 次回、ソード9 「ゆめゆめ夢路(ゆめじ)をたどるべからず」 です!お楽しみ  * * * * * * * * * * 『星のエンタメ☆』〜タロット劇場〜 あなたの星が実りますように。 東水みのり (※この記事の内容は、stand.fmにも投稿します) ・東水みのりstand.fmリンク https://stand.fm/channels/64a00b34b352effb9d464933 (「音楽提供:BGMer」http://bgmer.net)

[タロット劇場#19]ソード(7)小アルカナ物語

タロットのストーリー仕立てシリーズ II 、ソード7。 ★これはタロ子が日常のなか、幸せ見つける、小アルカナ物語。 タロット劇場、はじまりはじまり。★ 前回は「指導者のもと、淡々と作業していたタロ子」でした。 今回はソード7番目のカードです。 これまで上司の指導を受け、取り組みを進めていたタロ子さん。 今回も、プロジェクト仲間と一緒にいるのかと思いきや…… おやおや? デスクから離れ、いったいどこにいるのでしょうか? あぁ!ここは資料室のようです。 しかし、タロ子さんの様子が、なんだかおかしいですね。 したり顔で…この歩き方といえば……。 『抜き足・差し足・忍び足』 と言わんばかりのポーズです! もはや 唐草文様の風呂敷を鼻の下で結んだら 泥棒の佇まいですよ!  * 一方で、カードをご覧ください。 カードの人物の表情もニヤリ、ほくそ笑んでいるかのよう。 おや? 資料室にいたタロ子さん出てきましたが、 何か手に抱え……あら!資料を持ち出している! こそこそしていますが、それ……持ってきていいのでしょうか? * 一方、カードの人物もそのようです。 人物は大きな剣を抱え、持ち去っていこうとしています…が、 はてさて、その剣は、いったいぜんたい どこから持ってきたのでしょう? どうやら、カード奥の “テント“ から持ち去ったようです。 しかし カードにはこの人以外、ハッキリと描かれた人物はいませんよね? ということは…… バレていないようです。 つまり、 “誰にも気づかれずに持ち出せる“ ということは、 ーーそれ相応の機転が働いている 計算高く、策略家でもあるーー ということ。 “ずるい“ くらいに 「うまい」 んです。  * * * もちろん、盗むことは褒められたことではありませんが、 でも時に、こんなことってありませんか? たとえば、巧妙さが必要なこんな場面ーー、 「人の目を盗む」 「芸を盗む」 「心を盗む」 こういう場面、あると思うんです。  * それで思い出すのは、あのアニメ。 大怪盗の三世が主役の大人気アニメの映画では、 痺れる名言がありましたよね。 「ヤツはとんでもないものを盗んでいきました……あなたの心です」 っていう、警部のセリフです。 たとえヒロインの心が奪われたとして、 そんなステキな泥棒なら、私も盗まれてみたいものです。 さて、いかがでしょう? 「盗み・忍び」などと聞くとギョッとしますが、 でもタロットにおけるキーワードというのは、ひとつの比喩であり、象徴です。  * * * * * 日常生活のなかでも、あるのではないでしょうか? たとえば、 『気になるクラスメートのあの子。どうにかこうにか話しかけて、君の心を奪いたいよ』 そんな片思い中の人が、ライバルの目を忍んで、 好きな子を屋上に呼び出し、ライバルを出し抜こうとアピールする。 それを 「恋の作戦」 と呼ばず、なんというのでしょうか? また、こんな場面なら? 赤ちゃんがやっと眠りにつきそうな瞬間。 泣きださぬよう、そっと部屋を出てゆこうとする、そんな場面。 ひっそりと動かなければ、また1から寝かしつけをせねばならない。 そんなとき、視線は赤子に向け気遣い、体はドアへ向けそっと出てゆく…。 それを 「愛の工夫」 と呼ばず、なんというのでしょう? ステキな作戦だと、私なら思います。 だから、ソード7は 「工夫」とか「あえて1人で計画」 などという意味でとることもできるのです。  * * * このようにソード7は、 日常のなかの困りごとであるテントから、どうにかこうにか 『抜き足・差し足・忍び足』 から工夫せねばならない、 そのために“ソードという思考“を錯誤する。 そんな「策略・要領の良さ・機転」が働くとき、 人は希望をも持つことができるのです。 なぜなら…このカードの背景色にご注目ください。 “祝福” や “希望” を表す 『黄色』 に塗られているのです。  * * * 【クイズ】 * * * いや〜、タロ子さんを盗人扱いしたのが申し訳なくなったのところで、 会社のデスクにお先に戻ったのですが、 そういえば、タロ子さんのデスクにあるPC画面といえば……? 前回、ここに描かれたイラストに関するクイズを出題しました。 ということで、突然ですが、 「タロットクイズの答え合わせ〜」! クイズのおさらい。 【問題】 「前回 登場したタロ子さんのPC画面には、 ソードにちなんだ“とある絵“が描かれていたのですが、 それはいったい、“何と何“でしょうか?」 という問題でした。 ※ヒントは、 もしかしたらあなたも今日、スマホで使っているかもしれない、 アレとアレにまつわるイラストだったのですが…。 というのもソードとは “風のエレメント”。 つまり、 「情報、インターネット、SNS」 も意味しています。 そのインターネットに関連した、ソードらしい絵柄とはなんでしょう…?  * * 《答え合わせ①》 * * それでは答え合わせです。まずはひとつ目。 私も実際いま、 “答えのソレ“ にスマホの写真やデータを保存しています。 ……ではソレとは一体? ひとつ目の正解。その答えは、 「雲」 でした。 『雲』といえば、英語で『クラウド』と言います。 スマホやデジタル機器でいうこのクラウドは、 現時点ではデジタル社会において欠かすことのできないサービスです。 (※ちなみに『クラウドサービス』とは、インターネットを経由してユーザーにサービスを提供する形態のことです。) おそらく、スマホを利用している方のほとんどは、 このクラウドサービスを最低限 利用しているユーザーなのではないでしょうか? このクラウド……つまり『雲』は、ソードと密接に関連しているのです。 というのも、 ソードといえば『情報』を司どりますが、 ウェイト=スミス版タロット誕生から約100年ほど経った今、 現代風に解釈するのなら……? ソードがあらわす情報とは、 “インターネット“としても捉えることができそうですよね。 ネット社会になった昨今、ずいぶんと横文字が増えましたが、 雲を英語で言うと、「クラウド」。 ネットでいう、雲。 そのデジタル社会を支える「クラウド」は、 現代の情報化社会において、 まるで広大な空に広がるソードを表すようですね。 もちろん、ソードのカードには、 この雲が登場していますので、見つけてみてください。 以上、ひとつ目の答えは、『雲』でした。 それでは続いて、ふたつめのイラスト。  * * 《答え合わせ②》 * * まずはヒントのおさらい。 そのイラストのアイコンが目印だった“あのSNS“といえば? ほら、青色の動物がアイコンだった……? 答えは、「鳥」でした。 この、鳥。 古今東西の占いにおいて、 『コミュニケーション』を象徴する動物として司どってきました。 大空を飛ぶ鳥は、 風にのって軽やかに飛び回り、あちこちへ移動できるため、 まさに「風」のエレメントの象徴です。 また鳥の鳴き声やさえずりは、 鳥同士のコミュニケーションであり、 まさに鳥にとっての“言語“なんだそうです。 人と人とがつながる、SNSを表すのにぴったりですよね。 ということで、 ソードにまつわるふたつ目のイラストの答えは『鳥』でした。  * * * 以上、この「雲と鳥」の2つのイラストは、 もちろんソードのカードに登場しています。 なかでも注目したいのが、 ソードの 『人物カード』 です。 この人物カードとは4枚あるのですが、 それら全てに共通して、この雲と鳥が描かれているのです。 (※カードの絵を見たことがないという方も、よかったらインターネットで 「ソード 人物カード」などと検索してみてください) 4枚のカードを並べて見比べると、 “雲の形“ や、 “鳥の数“ は どう表現されているのでしょう? カードだけでなく、現代においては? インターネットを大空に例えて、“雲のような倉庫をクラウド“と呼んだり、 そのネット上でつながり合うSNSを鳥に表現したり、 情報や言葉という世界観をそんなふうに捉えることもできるんですね。 タロットもこんなふうに日常生活に置き換えてみると、 想像力が鍛えられ、息づいたリーディングに近づいていくなぁ……と思いました。  * * * * * * * * 日常生活というと…… あ……そうそう、タロ子さんのこと忘れてました! 資料室からこっそり資料を持ち出した作戦、どうなったのでしょう? その戦略の行末とは……成功の保証はあるのでしょうか? ひっそりカードのほうで確認してみますね。 ソード7には、7本のソードがあります。 人物が抱えた5本のソードと、 残りの2本の剣は、地面に突き刺さったままです。 おやおや。 カードの人物も、やはり持ち去ったテントのほうが気になるのでしょう。 “目線と体がチグハグ“ していますよ。 タロ子さんも、密かに策略を練っているようですが、 どこか後ろめたさがあるんですかね……。 知恵も、絞り過ぎると “悪知恵“ になるように、 賢さも、はたらき過ぎると “ずる賢く“ なる。 知恵と悪知恵、賢さとずる賢さ……。 その表と裏ーー まるでソードそのものを象徴しているかのようです。 なぜって……。 ソードの戦略とは、勝つか?負けるか?という 戦いが背景にあるからです。 “勝つ人がいる“ ということは、つまりーー…?? それは今後のソード物語を見守ることとしましょう。  * * * さて! タロ子さんの思考の争いの結末は? ソードの思考が増えると、いったいどうなる!? そして、プリンはぷるんっと完成するのかッ!? ということで次回、 ソード8「かんじんかなめも、がんじがらめ!」 です!お楽しみに。 * * * * * * * * * * 『星のエンタメ☆』〜タロット劇場〜 (また次回、お耳にかかります) あなたの星が実りますように。 東水みのり (※この記事の内容は、stand.fmにも投稿します) ・東水みのりstand.fmリンク https://stand.fm/channels/64a00b34b352effb9d464933 (「音楽提供:BGMer」http://bgmer.net)

[タロット劇場#18]ソード(6)小アルカナ物語

タロットのストーリー仕立てシリーズ II 、ソード6。 ★これはタロ子が日常のなか、幸せ見つける、小アルカナ物語。 タロット劇場、はじまりはじまり。★ ソード物語も折り返し。 これまでのおさらい。 新商品開発に向け、立ち上がった企画。 しのぎを削ったアイデア出しや、試食会を経て、 社内コンペでライバルに勝利したタロ子」でした。 今回はソード6番目のカードです。 タロ子さんの声を聞いてみましょう。 「カタカタカタ……」 おや?なんでしょう?このカタカタいう音は……。 社内の様子をみてみましょう。 上司:「新たなプロジェクトへ向け、各々作業に取り掛かるように」 ふむ……。どうやら新たな展開。 新商品開発に向け、本格的にプロジェクトが始動したようです。 そしてタロ子さんも、PCのキーボードで淡々と作業を進めています。 なるほど。あのカタカタいう音は、 タイピング音だったんですね。 キーボードの打鍵音がまるで波の音のよう。 * ……波といえば このソード6、絵柄をご覧ください。 カードは、漕ぎ出した船、その船出シーンです。 タロ子さんの社内も同じく、 プロジェクトは出港し、商品開発の旅が始まりました。 あら? カードの絵柄、その船には乗客がいますね。 乗客はふたり。親子に見えます。 そのうちのフードで全身を隠した女性は、 背中を丸め、船に突き刺さった剣のほうへと顔を下に向けています。 タロ子さんも同じく、背中を丸め、 キーボードに突き刺さったアルファベットの配列へと、 顔を下に向け作業しています。 順調にデータ入力作業が進んでいます。 船客が乗る船のように、作業が航進しているのです。 ところで、この “船が進む“。 なぜ船は走っているのでしょうか? だって 乗船する親子は“乗っている“ だけで、 “船を漕いで“はいないのです。 タロ子さんも同じです。 目的地へ向かい淡々と作業しているものの、 自ら指導しているわけではありません。 船頭というキャプテンではないのです。 * ではいったい誰がこの船をーーつまりプロジェクトを、 動かしているというのでしょうか……? それは、ソード6のカードに答えがありました。 絵柄をご覧ください。 乗船する親子の後ろで、船を漕ぐ人がいます。 船頭さんが先導しているのです。 そう。タロ子さんの上司が先導しているからなんです。 つまり、背景には “指導者や援助者がいる“ ということ。 だから、淡々と作業に取り掛かっているのです。 * しかし一方で、“援助やサポート“ というワードにしては、この雰囲気。 パッと見、明るいムードではありません。 なんならこの小舟に、何本もの剣までもが突き刺さっています。 船に突っ立つ剣だなんて、 前は見えにくいわ、船積みもオーバーしそうだわで ……大丈夫なんでしょうか? はい、大丈夫です。やり過ごせます。 なぜなら、奥に見える水面は穏やかでもあるからです。 静かで淡々とした旅ではあるものの、 船頭さんが漕ぐ船に乗ってさえいれば 行きたい向こう岸へと辿り着くはずです。 タロ子さんもそう。 リーダーである上司のもと 淡々と作業をこなしていれば 目的地へ進めるのです。 ほっ。一安心……。 前回までの思考の争いから脱出して、状況が回復してます! 有利な方向へ進みそうな、良い変化ですね〜。  * * * 《クイズ》 * * * ーーと、「渡りに船」を感じたところで、今回もまいります。 題して、『タロットクイズ!』 問題です。 タロ子さんのPC画面には、 ソードにちなんだ とある絵が描かれているのですが、 それはいったい、“何と何“でしょうか? (※答えは2つです) ヒントは、あなたももしかしたら 今日スマホで使っているかもしれない “アレとアレ“ にまつわるイラストです。 正解発表は次回、“ソード7“ にて答え合わせです。お楽しみに。  * * * * * * そんなわけで、 ソード6のキーワードは、 「新しい出発・過渡期・恐れを乗り越え前進する」 でした。 さて、 指導者のサポートのもと、プロジェクトが始動したプリン開発! 思考の船は動き出したばかり! 上司の船頭のもと、果たしてタロ子を乗せたプロジェクトの航路はいかに!? 次回、 ソード7「コソコソこっそり姑息(こそく)にこそ!」 です!お楽しみに。 * * * * * *  『星のエンタメ☆』〜タロット劇場〜 あなたの星が実りますように。 東水みのり (※この記事の内容は、stand.fmにも投稿します) ・東水みのりstand.fmリンク https://stand.fm/channels/64a00b34b352effb9d464933 (「音楽提供:BGMer」http://bgmer.net)

[タロット劇場#17]ソード(5)小アルカナ物語

タロットのストーリー仕立てシリーズ II 、ソード5。 ★これはタロ子が日常のなか、幸せ見つける、小アルカナ物語。 タロット劇場、はじまりはじまり。★ 前回は「休日にて、いったんお休みしたタロ子」でした。 今回はソード5番目のカードです。 ……が、なんでしょう…。 この強い風当たり…ザワザワして、不穏な空気感ですね……。 どうやらここは、ぷりんコンペの会場のようですが、 なんということでしょう…… 殺伐とした雰囲気が漂っています。 競い合う相手同士、熾烈のプレゼン合戦が繰り広げられた模様です……。 しかし、 採用枠は限りがあるようで、そのひと枠の争奪戦。 となると、勝つか負けるかの修羅場、 そこに情けや手加減は無用の世界観なのですね。 うーん、なんともピリピリした対立、 なんかもう…みていられません! ーーおっと! ちょうど現場でも動きがあったようです! * 会社の人:「A案。採用、決定〜」 あらま!タロ子さんのA案が採用されたみたいですよ! タロ子:「へへーん! ようは勝てばいいのよ、勝てば!」 タロ子さんの心の声がもれていますが、 なんともざらついた、ノイズまみれの声、ですね……。 採用枠を勝ち取リ、頭が高いタロ子さんと、 肩を落として去っていくライバルの姿。 なんというか……ワンドの勝利のときとは、 ちょっとニュアンスが違いますね。 ✳︎ では改めて、 ソード5のカードをご覧ください。 ソードの剣は5本、登場人物は3人います。 が、手前の人物は冷ややかな笑みを浮かべて、 剣を持っていますね。 一方で、奥にいる2人の人物は、 背中を丸めて去っていくようですが、 剣は置いていっちゃうんですね……。 そう、ソード5のカードでも 『戦いに敗れ剣を置き、去ってゆく人物』と、 『勝利して捕獲した剣を携える人物』、 この二手にキッパリ分かれています。 * おやおや。 ぷりんコンペ会場でも、似たような配置のようですね。 奥にいるスーツ姿の2人の人物は、 プレゼンボードを置き、背中を丸め、去っていきます。 一方、勝った手前のタロ子さんは、 チャンピオンバッジをつけたボードを携えています。 まるでその表情は、ライバルを下目に見るかのよう……。 正々堂々と勝負して勝ち得た権利なら 思う存分に応援したいんですが、ね……。 その勝負、どんな手段で勝ち取った剣ですか? 敗北者の剣……つまり、プレゼンボードが落っこちていますよ。 敗者の虚しさに ほくそ笑んでいると、 その強風なのか、それとも奪ったはずの剣なのか かまいたちのように、知らずのうちに 傷つけ合ってしまわぬように……。 剣の取り扱いには、ご用心。 なぜなら、言葉はときに剣のように誰かをーー……。 * おっと。 なりふりまっていられないタロ子さんは警戒しているようですので、 そろそろ私もすごすご、去りゆこうと思います。 そんなわけで、ソード5のキーワードは、 「私利私欲・争い・利己的な行動による、勝者か敗北」 でした。 次回、 ソード6「進むよ、たんたん、プロジェクト」 です!お楽しみに。 * * * * * *  『星のエンタメ☆』〜タロット劇場〜 (また次回、お耳にかかります) あなたの星が実りますように。 東水みのり (※この記事の内容は、stand.fmにも投稿します) ・東水みのりstand.fmリンク https://stand.fm/channels/64a00b34b352effb9d464933 (「音楽提供:BGMer」http://bgmer.net)

[タロット劇場#16]ソード(4)小アルカナ物語

タロットのストーリー仕立てシリーズ II 、ソード4。 ★これはタロ子が日常のなか、幸せ見つける、小アルカナ物語。 タロット劇場、はじまりはじまり。★ 今回は私のように更新をお休みしてた、ソード4のお話です。 前回は、「プリンの試食会での意見でハートブレイクなタロ子」でした。 上司や同僚からの剣のような鋭い意見に、悲観に暮れ、 傷心の様子でしたが、傷は癒えたのでしょうか? ちょっと声をかけてみますね。 タロ子さん?あの〜?タロ子さーん?? ……おや。 応答がありませんね? あら。今日はスーツ姿ではなく、パジャマ姿ですね。 なるほど。今日はお休みの日のようです。 というのも、ソード4のキーワードは、 「休息・休養・充電期間」。 いったん停止して、回復のためのタイミングです。 なぜかというと……。 ソードといえば、情報と思考をあらわす「風」のエレメントですが、 想像してみてください。 いわば、ソードがスマホだとして、 もし情報が増えていったら、どうでしょう……? キャッシュがたまり、ストレージがいっぱいで、 フリーズしそうになったら…どうします? 再起動したり、容量を減らしたり、しませんか? あるいは、充電が減ったなら、いかがしょう? 充電して回復させますよね。 ソードも同じこと。 人も思考や考えがいっぱいいっぱいになって、 頭がパンクしそうになったなら……? 休むが一番だったり、もしくは その思考に苛まれている状況からいったん遠ざかって、 休戦するのがいいかもしれませんよね。 または、頭を使いすぎたり情報がいっぱいで、 脳が疲れる“脳疲労“になってしまわないためには……? * こんな言葉を聞いたことがありませんか? 「勉強は休憩が重要」という言い回しを。 なぜ学校の授業時間は、あの長さなのでしょうか? それは、頭を使い続ける、それよりも、 適切に休憩をとるほうがむしろ効率的で、 集中力もより持続できるからなのではないでしょうか? 思考する場のは、なにも学びの場だけではありません。 知恵を使わない日や、情報に触れない日なんて、あまりないですよね。 タロ子さんだって、そうなんです。 どんなに勝ち取りたい「プリン新商品開発の成功」のためだって、 24時間、働けますか? いいえ、お休みも仕事の成功のうち、なのかもしれません。 しかし、それは「休憩」であり、「一時中断」です。 なぜなら、ソード4のカードをご覧ください。 眠る騎士の壁に飾られているソード。 その『飾ってある剣』のほうは、今すぐ手にできそうにはありません。 だから、今すぐ教会の外へは持って行かなそうですね。 しかし、もう一本の剣はどうでしょう? それは、騎士のそばに置かれています。 そっちは、今すぐにでも手に取れそうですね。 だからこそ、「一時中断」なだけで、また再開されたら そのソードの思考を使う場面がいずれ来るわけです。 いわば、今はインターバルなのです。 * ……と。 おやまぁ。 タロ子さん家の壁にも、ソードのような言葉が飾られていますね。 どれどれ? 『いざ!ぷりんコンペ』 ですとな? タロ子さんの新商品開発に向けた思考の戦いは、まだ続いているようですね。 でも、今はまだ、 カードに描かれたステンドグラスのように、 タロ子さん家の窓からも、夜の帷と星の煌めきが。 平和な癒しのときでゆっくりしましょう。 大丈夫。 カードの騎士が横たわってるのも、タロ子さん家のベッドも、 どちちのカラーも、 “希望と幸せの“あの色“をしているんですもの。 えっと……、何色だっけ? ……ふぁ。 そんなこと考えてたら、眠くなりました。 今は頭の回転を止めて、眠るとします…。 ……と、失礼しました。 ソード4の意味と同じく、 “仕切り直すタイミング“ ですので、幕切れのお時間です。 次回、 ソード5「勝つのは私よ!いざコンペ」 です!お楽しみに。 * * * * * *  『星のエンタメ☆』〜タロット劇場〜 あなたの星が実りますように。 東水みのり (※この記事の内容は、stand.fmにも投稿します) ・東水みのりstand.fmリンク https://stand.fm/channels/64a00b34b352effb9d464933 (「音楽提供:BGMer」http://bgmer.net)

[タロット劇場#15]ソード(3)小アルカナ物語

タロットのストーリー仕立てシリーズ II 、ソード3。 ★これはタロ子が日常のなか、幸せ見つける、小アルカナ物語。 タロット劇場、はじまりはじまり。★ 前回は、プリンの新商品・アイデア出しで 「A案とB案で板挟みだったタロ子」でした。 今回はソード3番目のカードです。 というのも、前回ではまだ思案中だったものの、 企画立案が具体的に定まり、 今回、試作品を試食することとなったようです。 では、試食会の現場を見てみましょう。 ……。 「ハート型のプリン」のようですね。 どうやら、 上司と同僚と一般モニターさんの3本のスプーンが 『ぶすりっ』 と、ハートのプリンに刺さったようです。 が…… なんということでしょう。 試食した人達の口から出たのは、 プリンの香りとともに、 辛辣な意見の数々だったのです……。 まっすぐだけどその冷たい口調は 言葉の剣のように鋭く、 タロ子さんのハートにも“グサリ“と刺さったようです。 * では、カードをご覧ください。 雨のなか、3本の剣がハートに突き刺さっています。 とは言いつつ、ソード3の解説に、言葉は必要なのでしょうか? それは、 ウェイト=スミス版タロットの作者である アーサー・エドワード・ウェイトも、こう述べています。 「カードの意味は、この絵から自然に連想できるもの」 と。 あなたなら、このカードのデザインを見て、 どんな意味をつなげますか? ーー言葉や情報を意味するソード。 だけれども、 その言葉が心にグサっと突き刺さると 傷くことだってある。 思考や言葉が、ハートに刺さるだなんて。 頭でわかっていても、心が追っつかないことだって。 カードに描かれた 垂れ込める雨雲や、鋭い矢のように降る雨。 それは、まるで傷心の涙が流れているようなのかなぁ。 * * * タロット・78枚のなかで唯一、 人物や動物などの象徴が描かれていないカードが、 2枚だけあります。 それは、「ワンド8」と、この「ソード3」です。 ワンド8は空飛ぶこん棒が8本だけ描かれた絵、 そしてこのソードの3は、雨空に剣が3本の絵です。 しかし、 ソード3には、人物が全く関わっていないか…? というと、そんなことはないのです。 むしろ、その逆です。 なぜなら、 “ソードが3本刺さったその赤いハート“、それは、 “心“ という 『感情と愛』 をあらわしているからです。 人物そのものではないものの、 “人の一部“ を象徴しているのです。 つまり “こころ“ を示すとき、人は自然と胸元に手を当てます。 引き裂かれるような心の痛みがあるときも、 締め付けられるような苦しみのときも、 その場所は胸元あたりなのではないでしょうか? そして ドキドキわくわく、心が動くときも、 高鳴るところは胸のあたりなのではないでしょうか? ……その胸ものには、何がありますか? そこには 『赤いハート型』で描かれるような、それがおさまっていますよね。 ソード3のカードには、人物が描かれていなくても、 “こころの象徴“が描かれているのです。 ーーハートは心。 ーーソードは言葉。 心に、言葉の剣が、ぶすりっと突き刺さる。 冷たいスプーンが、やわらかなプリンに刺さるかのように。 それは痛いですよね……。 そんなの、悲しくって、心が痛むときもありますよね……。 * この物語はタロットの世界観を「わかりやすく」お伝えすることを目的としているため、 カードの代表的な意味を“一部“だけ、ピックアップしています。 ソード3が出たからと言って 必ずしも悲しみ“だけ“をあらわすわけではない、ということなのです。 そのため、 カードリーディングしていてソード3が出たからといって、 どうか肩を落とさないでいただきたいのです。 どうしても まさにその絵柄からして、 ソード3が出ると「おっ」と、おののいちゃいがちです。 でも、こんなこと言ってしまうと本末転倒かもしれませんが、 カードの意味は、ひとつだけではありません。 ましてやこの物語だけで パッケージングしきれるようなものでもありません。 リーディングは平面じゃなく、立体的でもありますし、 もっというと 現実は机上で起きているのではないように、 カード解釈は、『現実を生きる相談者本人とのハーモニー』です。 つまり、 教科書と現場はクロスするけど、イコールじゃない。 * しかしながら、 タロット劇場のストーリーテラーです。 そろそろ本編に戻ります。 さて、 スプーンが3本、プリンにぷるんと刺さったタロ子さん。 その鋭い意見にあわや自信喪失のようです……。 いつの日か 心が晴れ、涙が虹になるといいのですが……。 そのためには一度、 悲しみの状況から離れることも必要なのかもしれませんね。 ということで次回、 ソード4「思考はいったん頭のスミに、お休み」 です!お楽しみに。 * * * * * *  『星のエンタメ☆』〜タロット劇場〜 あなたの星が実りますように。 東水みのり (※この記事の内容は、stand.fmにも投稿します)

[タロット劇場#14]ソード(2)小アルカナ物語

タロットのストーリー仕立てシリーズ II 、ソード2。 ★これはタロ子が日常のなか、幸せ見つける、小アルカナ物語。 タロット劇場、はじまりはじまり。★ 前回は「新商品開発へ向け、決意したタロ子」でした。 今回は、ソード2番目のカードです。 現在、会社内にて、アイデア出しのタロ子さん。 どうやら、2つの案が練られているようです。 ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ A案:昔ながらの卵プリン B案:クリーム仕立てのとろ~りプリン ↑ ↑ ↑ ↑ ↑ ↑ 進捗状況を確認してみましょう。 タロ子:「A案か、B案か……?」 ……あら? 社内は平和で静かですが、 タロ子さんのアイデア企画は進行していないようですね。 行き詰まりなのでしょうか? ……いいえ。 平常のようですし、 仕事量なども均衡が保てているようですが……。 しかし、 場当たり的な作業ばかりで、 アイデア出しは保留中。 全体的にバランスは取れて平穏なはずなのに、 膠着状態。 決め手がないようです。 いったいなぜでしょう? あら……? タロ子さんったら、胸の前で腕を交差するポーズをして まるで、子どもの頃にした 「鬼ごっこの “待った“ のバリアポーズ」 みたいですね。 いったいなにを待ってほしいのでしょうか? タロ子: 「上司とクライアント。あっちを立てれば、こっちが立たず……波風を立てずに進めるためには…」 あらまぁ。 タロ子さん、ソード2の人物のように、 口は一文字を結び、黙して語らず、 ましてや目隠しまでして、 あえて情報と思考を遮断しています。 まさに「空気を読んでいる」状態です。 カードをご覧ください。 そのカードの人物は、 目隠しを “された“ のか、 “した“ のか……。 どっちでしょう? あなたがタロ子さんなら、どうですか? カードの人物は、 2本の重たそうな剣を落とさぬようなポーズです。 タロ子さんも、 Aの札とBの札を、胸の前でクロスです。 ほら……。 A案は、上司と会社とか、社内の諸々。 一方、 B案は、取引先などの社外の諸々……。 どちらか一方を選択すれば、 つまり、一本の剣を振りかざせば、 どちらかを“切る“ということです。 選ぶ、ということは、どちらかを断ち切る、ということです。 どうします? AかBか、 もし、その間で板挟みになっているんだとするのなら。 『あえて選ばない』 という選択肢も、ときに必要なのかもしれません。 どちらも捨てない、だから どちらも選ばない、 という手段で保つ。 まさに、鬼ごっこでいう、 勝ちも負けも決まらない、「待った」のポーズです。 ーー『見ない・聞かない・触れさせない』ーー バランスを保ち、周囲の空気と、自分の作戦だけに集中する。 * 今一度カードに目を向けると、カードに描かれた “月や海“が象徴するその“心“は波立ってはおらず、 「平静」をあらわしているのです。 重そうな2本の剣は まだ、どちらも振り下ろしません。 あえてこのままです。 まるで、胸の内を隠すようにクロスして……。 そう。 カード人物の衣服の色のように、 白でも、黒でもない、 グレーの選択であるように。 * * * そんなわけで、 ソード2のキーワードは、 「均衡を保ち・冷静に集中」でした。 ーーとはいえ、タロ子さん、大丈夫かしら? いよいよ3週間後は、試食会ですよ!? アイデア考案もいいけど、そろそろ決めなくっちゃ!? 次回、 ソード3「スプーンが3本、プリンにぷるんと刺さったら……」 です!お楽しみに。 * * * * * *  『星のエンタメ☆』〜タロット劇場〜 あなたの星が実りますように。 東水みのり (※この記事の内容は、stand.fmにも投稿します) (「音楽:BGMer」http://bgmer.net)

[タロット劇場#13]ソード(1)小アルカナ物語

タロットのストーリー仕立てシリーズ II 、ソード編。 タロットの小アルカナを構成する4つのスート、 ワンド、カップ、ソード、ペンタクル。 このタロット劇場では、スートの物語を入り口に、 あなたを小アルカナの世界観へと誘います。 タロット劇場・シリーズ第2段、ソード編の開幕です。 タロットにおけるソードとは剣として描かれ、 「情報や知恵」といった、風の要素を象徴しています。 それでは、物語の登場人物を紹介しましょう。 主人公の名前は、『タロ子』。 “一人暮らし、彼氏募集中の会社員” という設定です。 ★これはタロ子が日常のなか幸せ見つける、小アルカナ物語。 タロット劇場、はじまりはじまり。★ ……おや? タロ子さん、勤めている会社にいるようですね。 お仕事、頑張っている様子です。 現場では何やら、“新企画“ が始まったようですね。 タロ子さんの声を聞いてみましょう。 タロ子:「なんとしても成功させなくっちゃ!」 強い信念と力強さが感じられます。 どうやら社内で「プリンの新商品・開発企画」 が、立ち上がったようです。 タロ子:「新しいアイデアをつくらなくっちゃ!」 と、そう決意し、ペンをにぎった瞬間のタロ子さん。 というのも、 ソード・エースのキーワードは、 「決断・意思を定める・未来を切り開く」 なのです。 それでは、 カードの絵をご覧ください。 雲から伸びる手が剣を掴んでいます。 ーー“剣を掴む“……? うん…? “なにかを掴んで、始まりそうな状況……“といえば、 あれれ…。 これってどこかで似たパターンがあったような……? “自ら棒を掴みにいって、始まるカード“ーー なるほど! それは1つ前のシリーズ、 ワンド・1番目のカードでもそうだったのですね。 確かワンドシリーズ・第1話のタロ子さんも、憧れの部屋にしようと、 “自ら“ ホウキを掴んでいましたよね? それはタロットの小アルカナでも同じです。 つまり、ワンド・1番目のカード、そのものの絵柄も、 まさに雲から伸びた手が、ワンドの棒を掴みにいっています。 手に “乗せて“ いるわけではありませんよ。 手で “掴んで“ いるのです。 つかむ? のせる? 渡す? 受け取る? * では、ここで質問です。 能動か受動か、そんなとき、 あなたならどんな手の形をしていますか? ・例えば、前者はこうです。 水道の蛇口をひねったり、 コンビニでお茶を買おうと商品を手にしたり、 誰かに物をあげようとする瞬間、 つまり「主体的なとき」、あなたの手はどんな形をしていますか? ・一方、後者はこうです。 反対に、小銭のお釣りをもらったり、 渡された物を受け取ろうとする瞬間、 いわば「受動的なとき」、 その手はどんな形状をしていますか? 手のひらは、天と地どちらを向いているのでしょうか? ーーそう。 きっと、 前者は、掴む手の形。 後者は、手のひらが上向きになるではないでしょうか? 人は主体性をもって行動するとき、 手は掴んだり、つまんだり、自ら動く形をしていることが多いでしょう。 一方で、受け取るときはどうですか? 手のひらをまぁるくさせ、器のようにこぼさぬよう、 乗っける形をしています。 ワンドとソードのエースは、前者である、主体性。 そのカードの絵柄も、 棒や剣を “掴んで“ いる手の形のです。 そりゃそうです。 棒状や長さのある物は、手に乗っけられますか? 傘回しの芸達者でない限り、基本はできませんよね。 ワンドの棒は、情熱。 ソードの長い剣は、意志。 『ワンド』 ーーそれは、自らの“情熱“で、“棒“を取ること。 『ソード』 ーーそれは、自らの“意志“で、“剣“を取ること。 情熱も意志も、 “自発的“で“主体的”な性質なのです。 だから、これら2枚のエースは、 物事が「始まる」カードではありません。 「始まる」のではなく、「始める」カードなのです。 * ところで……。 小アルカナ物語といえば、4つのシリーズですね。 『ワンド、カップ、ソード、ペンタクル』 このタロットにおける4つのスートをシリーズ化にしています。 では、 『ワンドとソード』の1番目が“掴んでいる手の形“ をしているのなら、 それならば、あと2つ、 『カップとペンタクル』の1番目はどうなんでしょうか……? 手で『ガツッ』っと、がむしゃらに掴みにいっている? それとも、『そっと』手のひらに乗っけて、やさしく受け取っている? ソードとワンドが “強さと積極性“を掴むのであれば、 対する、カップやペンタクルは “受け身とやさしさ“をあらわすのでしょうか……? と…その解説はまた、いずれ今度に。 もし、すぐさま確認したい方は、 小アルカナ・1番目のカードを4枚を並べて、 ぜひご自身で絵を見比べてみてください。 “手がどう表現し、描かれている“か? (※カードをお持ちでない方も、 ネット検索で「小アルカナ・エース」などと検索すると、画像が出てきますよ) * さてさて。閑話休題。 タロ子の物語へと、話を戻します。 剣を自ら掴みにいく、ソード1番目のストーリーです。 今はタロ子さんの商品開発が成功するかどうか、 この会社で見届けたいところです。 なぜって……。 ここだけの話…。 この新企画は、タロ子さんの昇進がかかっているとか、なんとか……。 え?なぜ社内のことを知っているか、ですって? それは、カードの絵柄にも記されているからです。 改めてソード・エースの絵柄をご覧ください。 剣を握りしめる手は、“左“から伸びています。 カード・左側は過去をあらわします。 過去から積み重ねてきた ーーつまり、これまでの仕事で得た経験値による、 知恵や判断材料があるということ。 その伸びてきた意思で剣を自ら掴んでいる、というわけですね。 では、 その剣の先は、いったいなにを貫いているでしょうか? 貫いた剣先、 それは“権力や権威を象徴する王冠“です。 まさに、強い信念の証です。 そんなわけで、ソードのエース。 掴んだペン。 それで、アイデア作りを始めたタロ子さん、でした。 そういえば、“ペン“ と聞いて、 印象的な格言に、私はこんな言葉を思い出すのです。 ーー「ペンは剣よりも強し」ーー という言葉。 タロットでいうソードーーつまり剣は、 言葉や意志を表しています。 そうですよね〜…。 まさに、この剣というペンを握りしめたタロ子! 快挙を遂げるため、決まった覚悟です。 逆境さえも跳ね返すその強い意思で はたして、未来を切り開き、 見事、新商品 開発は成功になるのでしょうか!? 次回、 ソード2「只今、合間でジレンマ」 です!お楽しみに。 * * * * * *  『星のエンタメ☆』〜タロット劇場〜 あなたの星が実りますように。 東水みのり (※この記事の内容は、stand.fmにも投稿します) (「音楽:BGMer」http://bgmer.net)

[タロット劇場#12]占いの答え、いつがいい?ワンド時間軸〜番外編②〜

「善は急げ!」 タロットのストーリー仕立てシリーズ Ⅰ ワンドの番外編② 前回は、 なぜ劇場型エンタメで占いの世界観をお伝えしているのか? ということについてお話しました。 今回は、タロット劇場・番外編。 本編の解説を通して、 タロットカードにおける“時間軸“についてのお話をします。  * 突然ですが、ここで質問です。 もし 「憧れの部屋にするために、行動するのはいつがいいか?」 といったお題のカード占いをしたとして そこで、仮に「ワンドのカード」が展開したとしましょう。 そうしたら、時期を読むとして、 あなたならワンドのカードからどうリーディングされるでしょうか? (※ちなみに、このワンドとは、 これまでの本編における物語のテーマのことです) そもそもタロットカードの小アルカナには、 トランプの4つのマークと同じく 4つのスートという世界観で構成されていて、 そのうちのワンドとは、 トランプでいうところの「クラブ」のマークのことをさします。 そしてこのワンドは、「火」の性質とコネクションしています。 というわけで、 「いつ?」とお題を立てて、ワンドが出たならば、 あなただったらどう予想を立てるでしょうか? 行動するのは、どのタイミングが良さそうですか? * それを紐解くにあたり、ここで一度 その“火の性質“から連想してみます。 ……いったん例文にしてみるとどうでしょう? 「心に火がついた」 「火を見るよりも明らか」 「火花を散らす」 さて……どうでしょうか? こういう状況になったらば、“いつ“行動するのがベストだと感じますか? 本編「タロット劇場」の登場人物、 タロ子はどうだったでしょうか? 本作を振り返ります。 これまでのワンド1〜10のストーリーのあらすじ。 タロ子という主人公が、 土日に掃除やDIYをして、月曜日に出社するまでのお話。 ひとり暮らし・会社員のタロ子の、 たった3日間のストーリーでした。 つまり、ワンドの数字カード……それが10枚もなのに、 その1番から10番のカードを、 たった3日間……束の間の出来事という、あっという間の時間軸です。 * さて、お気づきですか? この流れ。 もちろん、これにもタロット的な意味合いがあります。 小アルカナの4つのスートには、タイムラインがあります。 その時間軸は、 それぞれ占術家さんによって定義が異なるようですが、 わたしの場合は、 「(1)ワンド→(2)カップ→(3)ソード→(4)ペンタクル」 の順番を採用しています。 トランプでいうところの、 「クラブ → ハート → スペード → ダイヤ」の順序です。 その順番通りに時間軸が進行している、ということは、 つまり、ワンドが一番「早い」ということを象徴します。 「なぜワンドが一番早いの?」 そう、不可思議に思われた方もいらっしゃるかもしれません。 「なんでワンドは早くて、ソードはもうちょい時間がかかるんやろ?」 これは、そもそも小アルカナを構成する4つのスート、 このエレメントという4元素から考えてみると理解しやすいのです。 ★この4元素とは、 『火、地、風、水』 この4つのエレメントのことです。★ なかでも、 『ワンドは火』 『ソードは風』 です。 では、この元素で考えてみると…… シュボッ!っと、 マッチに火がつきました。 するとどうでしょう? 炎が立ち上がるのに、どれほど時間がかかりますか? 火を起こす “まで“、ではありませんよ。 火がついた “あと“、です。 着火した後、炎が立ち上がるまで、 どれほど時間がかかりますでしょうか? ーーあっという間ですよね? 心に火がついたなら、イスにお尻をつけていられますか? じっとしちゃいられませんよね。 まさにお尻に火がついたように、動き出したくなります。 その言葉のごとく、 情熱のワンドは、「精神性」の象徴であるとともに、 「行動」を表すゆえんは、そこにあると思います。 『パッションとアクションはセットである』と。 マッチ棒に火がついたなら、 炎はゆっくり立ち上がるーーなんてことはありえない。 まさにマッチ箱に棒をこすって発火した瞬間を思い浮かべてみると、 結果は火を見るより明らかです。 だから、火エレメントであるワンドは「早さ」を象徴するのです。 そのため、タロ子の物語も、たった3日という、 あっという間のストーリーになったのでした。 * * * * * 【 まとめ 】 そんなわけで、先ほどの質問のおさらい。 「憧れの部屋にしたい、そのために行動するのは?」 とのお題でもし“ワンドのカード“が出たなら、 “いつ“がいいのか……? その答えは 「今すぐでしょ!」 が、私なりのアンサーでした。 あなたはどう思われましたか?  * ……もし、心に火がついたのに、しけてしまいそうになったとして、 でも、ワンドのカードがヒントになるのなら。 火のような早さで行動することこそが、 “大吉“ の意味をもつのかもしれませんね。 そう、あの言葉、 ーー「善は急げ」のように。 * ……と、お話して来ましたが、 あれれ?そういえば、 ワンドの火は、すばやい早さを表すのなら、 では、風である「ソード」の時間軸はどうなんでしょうか……? 火がつくとすぐさま燃える……? では、風は?どこからやってきて?いつ追い風が吹くの? そして、タロ子のタロット物語において、 ソードのストーリーでは どんな時間を過ごしてゆくのでしょうか? ということで、次回、 「タロット劇場シリーズ II 、ソード編」 が開幕です!どうぞお楽しみに。 *   *   *   *   *   * 『星のエンタメ☆』タロット劇場 あなたの星が実りますように。 東水みのり (※この記事の内容は、stand.fmにも投稿します) (「音楽:BGMer」http://bgmer.net)

[タロット劇場#11]なぜ占いを物語に?〜番外編①〜

「役立つことってなんですか?」 今回は、タロット・小アルカナの世界観を 物語でお送りしたシリーズの番外編です。 これまで10話にてワンド編は完結したのですが、 なぜシリーズ化をしたのか? というキッカケについてお話してもいいですか? 占いの世界観を こういったマンガや物語を通して エンタメでお送りしたそもそもの契機は、 タロット占いに馴染みのある方も、そうでない方も、 もっと身近に、親しみを持っていただけたら嬉しいなぁ…… ということがキッカケでした。 * ところで、この「占い」と聞いて、どんなものを思い浮かべますか? 私なら、「西洋占星術」と「タロット」、 この2つを思い浮かべます。 これらの占いが、人にとってどう役立つのでしょうか? もしも、「人生という道」が続いているのだとするなら、 迷わず進むための道案内も欲しいし、 たまに近道も寄り道もしてみたい。 雨が降るなら傘も差したいし、 一緒に歩んでくれる仲間もいてほしい。 そこで、たまに占いを活用してみると、どうなるのだろ? 「占星術」をはじめとしたお誕生日に基づく占いは、 灯台みたいな星の灯り。 だから、「人生の地図」。 そして、 「タロット」をはじめとした卜術(ぼくじゅつ)の占いは、 より詳細に「手元・足元」を照らす懐中電灯のようである。 どっちも転ばぬ先の杖となり、 より歩みを進める助けにも……たまになってくれる。 だから私にとってどちらの占いも、 いざというときに私にとっての役に立ってくれる存在でした。 そして、もしかしたら、誰かにとっても 雨の日の傘となり、安全地図となるかもしれない。 そうなったらいいなぁと思い、タロットを物語にしました。 * では、なぜ占星術ではなく、 今回 “タロットを題材にしたのか?“ という理由について。 それは、 比べて「タロットのとっつきやすさ」が 市民権を得ていないと感じるからなのです。 というのも、 西洋占星術のほうが普段から接点が多く、 一般的に馴染みがあると思います。 例えば、朝のニュース番組では今日のラッキーな星座が見られたり、 雑誌をめくれば専門誌でなくとも、多くの紙面の巻末に星座占いが載っていたりします。 日常のなかで、星占いと出会う場面が何かとありますよね。 もちろん、これら “太陽の星座で読み解く星占い“ は、 占星術のほんの一部ではあります。 ですが、それでも、 「あなたは何座ですか?」という質問は、 「血液型はなんですか?」との質問と同じほど、 通俗的だと感じるのです。 つまり、馴染みがある、ということです。 * 一方で、『タロット占い』はどうでしょうか? 一般的には、 「神秘的・ベールに包まれている」 そういった神妙なイメージを持たれることが多い印象はありませんか? もちろん、 シンクロニシティから占う 卜術(ぼくじゅつ)という占いジャンルは、 お作法も大切です。 その風儀はなんとも神秘的でもあります。 しかし同時に、「占いは役に立つ」を、 わたしは大切にしたいとも思うのです。 なぜなら、占いを活用することで、 “日常生活や個人のこころが もっと豊かになる可能性が広がる“ ということにつながってほしいからです。 そこで今回、 タロットを題材にしたストーリー形式でお伝えすることで 「入り口広く・奥は深い」 そんな風に、 ・タロットをよく知らない方には   ↓ 間口が広がり、 ・馴染みがある方には   ↓ さらに奥行きが深まる、 そんな時間になっていただけたら嬉しいなぁと思い、 投稿の場をお借りした次第です。 * ーー“あなたにとっての役立つこと“って、どんなことですか? 私にとってのそれは、 日常のなかでたまに起こる「なんか困ったなぁ」とか 人生のなかでときに起こる「どうしたらいいんだろう」とか そういうつまづきそうなときに、 星の灯りを灯台にして 転ばぬ先の懐中電灯になる 占いを日常のなかにたまに取り入れることです。 ーータロット劇場。 登場人物のタロ子が日常のなか幸せ見つける小アルカナ物語ーー * ……なんて言いつつ 地図があっても、いつ雨が降るかわからないと傘はさせそうにありません。 懐中電灯があっても、どのタイミングにつまづきポイントがあるのか、 知りたくもあります。 つまり、 占いにおける、“いつ“とか“タイミング“ という「時間」の解釈は 大切なポイントであると思います。 さらに、タロット占いにおける「時間軸」はどうなのでしょうか。 だって、気になりませんか? 「運気がよくなるのは“いつ“だろう?」とか 「気になっていること、それはどの“タイミング“なのか?」とか。 時間軸は大切です。 というわけで、次回は番外編②。 タロットにおける時間軸について解説します。 *   *   *   *   *   * 『星のエンタメ☆』タロット劇場 あなたの星が実りますように。 東水みのり (※この記事の内容は、stand.fmにも投稿します) (「音楽:BGMer」http://bgmer.net)

[タロット劇場#10]ワンド(10)小アルカナ物語

★これはタロ子が日常のなか、幸せ見つける、小アルカナ物語。 タロット劇場、はじまりはじまり。★ 前回までのあらすじ。 ワンドの1番目で、「憧れの部屋にしたい」とやる気に満ちたタロ子。 プロの代行業者に片付けてもらったり、 友人を部屋に招いたりした、そんな土曜日。 そして「もっと理想的な部屋にしたい」と、 DIYで棚づくりが完成したものの、 家事をめいっぱいやることになった、日曜日。 昨晩はどうもお疲れの様子でしたが、 今回は月曜日、出勤の日です。 ーーワンド10番目のカード、ワンドシリーズ、ファイナルです。  * * * タロ子さんの足取り、なんだか重そうですね……。 タロ子: 「まだ終わってない家事があるし、 仕事も、アレもコレもソレもしなきゃだし、 やることいっぱい!」 ……あらま。ヘトヘトな様子。 カバンをにぎり締め、 前すら見えない状態で通勤しているようです。 カードをご覧ください。 ワンドの棒を10本、 まとめて全部運ぼうとするだなんて、 それは抱え込みすぎです。 重荷になっているではありませんか。 でも、その表情はうかがい知れません。 「背負わされている」というより、 ↓ 「抱え込んでいる」 という、引き受けすぎてしまったニュアンスです。 ワンド10のキーワードは、 「負担・課題・重圧・オーバーワーク」です。 目指すゴールはあと少し、もう一踏ん張りなんですけどね。 タロ子さん、あなたならどうする? やりたいことがあって、 でも、今はオーバーヒート。 いっぺんに10本もワンドの束は持ちきれない。 なのに、ひとりきりで抱え込んでいないかい? 疲れてはいませんか? だってほら、 ワンドの束で顔をふさいがっていては、 前も周りも見えていません。 どうでしょうか? “いったん何本か下ろしてみる“ というのは。 ……それともまだ運び続けますか? ワンドの物語、カードは環状のように。 10は、1にも、9にも、次のスートにも、つながっている。 だから、 重荷となっているワンドの荷物を下ろして たった1本になったって、 またワンドのエースから始めよう。 その抱え込んだ荷物は、 プレッシャーに圧迫されそうになっても、 でもここまで、手放さずに進んできたから。 頑張ってきた証! よくがんばったね、タロ子! * ★ワンド物語のまとめ★ 情熱が限界まで増えると、 かえってから回ることもある。 「情熱の熱さ」もときに、 ほどほどがちょうどいいのかもしれません。  * * * ということで次回、タロット劇場は新たに、 シリーズ2・ソード編が開幕です! 予告はこちら、 「情熱のワンドだって?なに言ってんだか。 勢いで行動だけじゃ勝てないゼ! 成功したけりゃ、クールに思考しなきゃ」 です。どうぞお楽しみに。  * * * * * * * * 『星のエンタメ☆』〜タロット劇場〜 あなたの星が実りますように。 東水みのり ※この記事の内容は、stand.fmにも投稿します)