画像1

[タロット劇場#15]ソード(3)小アルカナ物語

東水みのり
00:00 | 00:00
タロットのストーリー仕立てシリーズ II 、ソード3。

★これはタロ子が日常のなか、幸せ見つける、小アルカナ物語。
タロット劇場、はじまりはじまり。★



前回は、プリンの新商品・アイデア出しで
「A案とB案で板挟みだったタロ子」でした。

今回はソード3番目のカードです。

というのも、前回ではまだ思案中だったものの、
企画立案が具体的に定まり、
今回、試作品を試食することとなったようです。


では、試食会の現場を見てみましょう。
……。
「ハート型のプリン」のようですね。


どうやら、
上司と同僚と一般モニターさんの3本のスプーンが
『ぶすりっ』
と、ハートのプリンに刺さったようです。

が……
なんということでしょう。

試食した人達の口から出たのは、
プリンの香りとともに、
辛辣な意見の数々だったのです……。


まっすぐだけどその冷たい口調は
言葉の剣のように鋭く、
タロ子さんのハートにも“グサリ“と刺さったようです。





では、カードをご覧ください。

雨のなか、3本の剣がハートに突き刺さっています。


とは言いつつ、ソード3の解説に、言葉は必要なのでしょうか?

それは、
ウェイト=スミス版タロットの作者である
アーサー・エドワード・ウェイトも、こう述べています。

「カードの意味は、この絵から自然に連想できるもの」
と。

あなたなら、このカードのデザインを見て、
どんな意味をつなげますか?


ーー言葉や情報を意味するソード。

だけれども、
その言葉が心にグサっと突き刺さると
傷くことだってある。

思考や言葉が、ハートに刺さるだなんて。
頭でわかっていても、心が追っつかないことだって。

カードに描かれた
垂れ込める雨雲や、鋭い矢のように降る雨。

それは、まるで傷心の涙が流れているようなのかなぁ。


* * *

タロット・78枚のなかで唯一、
人物や動物などの象徴が描かれていないカードが、
2枚だけあります。

それは、「ワンド8」と、この「ソード3」です。

ワンド8は空飛ぶこん棒が8本だけ描かれた絵、
そしてこのソードの3は、雨空に剣が3本の絵です。

しかし、
ソード3には、人物が全く関わっていないか…?
というと、そんなことはないのです。
むしろ、その逆です。


なぜなら、
“ソードが3本刺さったその赤いハート“、それは、
“心“ という 『感情と愛』 をあらわしているからです。

人物そのものではないものの、
“人の一部“ を象徴しているのです。


つまり
“こころ“ を示すとき、人は自然と胸元に手を当てます。

引き裂かれるような心の痛みがあるときも、
締め付けられるような苦しみのときも、
その場所は胸元あたりなのではないでしょうか?

そして
ドキドキわくわく、心が動くときも、
高鳴るところは胸のあたりなのではないでしょうか?

……その胸ものには、何がありますか?

そこには
『赤いハート型』で描かれるような、それがおさまっていますよね。


ソード3のカードには、人物が描かれていなくても、
“こころの象徴“が描かれているのです。


ーーハートは心。
ーーソードは言葉。


心に、言葉の剣が、ぶすりっと突き刺さる。

冷たいスプーンが、やわらかなプリンに刺さるかのように。


それは痛いですよね……。
そんなの、悲しくって、心が痛むときもありますよね……。





この物語はタロットの世界観を「わかりやすく」お伝えすることを目的としているため、
カードの代表的な意味を“一部“だけ、ピックアップしています。


ソード3が出たからと言って
必ずしも悲しみ“だけ“をあらわすわけではない、ということなのです。

そのため、
カードリーディングしていてソード3が出たからといって、
どうか肩を落とさないでいただきたいのです。


どうしても
まさにその絵柄からして、
ソード3が出ると「おっ」と、おののいちゃいがちです。

でも、こんなこと言ってしまうと本末転倒かもしれませんが、
カードの意味は、ひとつだけではありません。

ましてやこの物語だけで
パッケージングしきれるようなものでもありません。

リーディングは平面じゃなく、立体的でもありますし、

もっというと
現実は机上で起きているのではないように、

カード解釈は、『現実を生きる相談者本人とのハーモニー』です。


つまり、
教科書と現場はクロスするけど、イコールじゃない。




しかしながら、
タロット劇場のストーリーテラーです。
そろそろ本編に戻ります。


さて、
スプーンが3本、プリンにぷるんと刺さったタロ子さん。

その鋭い意見にあわや自信喪失のようです……。

いつの日か
心が晴れ、涙が虹になるといいのですが……。

そのためには一度、
悲しみの状況から離れることも必要なのかもしれませんね。



ということで次回、
ソード4「思考はいったん頭のスミに、お休み」
です!お楽しみに。


* * * * * * 

『星のエンタメ☆』〜タロット劇場〜
あなたの星が実りますように。
東水みのり
(※この記事の内容は、stand.fmにも投稿します)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?