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パンデピス

僕がこの料理に出会ったのは2017年の東京にあるとあるフランチレストランである。

シェフとサービス兼調理補助の方二人のカウンターのお店で、そこで食べたコースの最後のデザートか、チーズを選ぶ際(結局二つとも食べるのだが)チーズを選ぶと温められたそれは提供された。

何気なく、チーズも乗せずに残っていたワインといただいた時の衝撃はすごかった。

この日食べた料理で一番美味しく、なんていうパンか?と聞いたところパンデピスという名を教えてもらったのが最初。

その後、作り方を色々調べつくったものの、あの時に出会った美味しさにはなかなか出会えない。

そして、時は流れ今である。

去年、狂ったかのようにパウンドケーキを焼いていた時にたまたま、パンデピスに出会う。

改めて、つくってみたところ、やっぱりあの時のパンデピスではないことにがっくりきていたものの、その本を読んでいたら、『焼いて食べると美味しい。』と書いてあったので、焼いてしばらく放置していた、パンデピスを酒のつまみに焼いて食べる。

あれ?これあの時のパンデピスに近い。
サクッとした食感にもちっとしたコントラスト、後からやってくるハチミツの香りとスパイスの香り。

そうか、焼けばよかったんだ。

美味しいものに出会うと、どうしても作りたくなるけど、いつも再現できるわけではない。
でもこんな感じでふとしたきっかけで、出会えることもある。

邂逅のケーキ

これもいつかのメニューに乗せて、赤ワインを片手に軽く焼いたパンデピスを片手に想い出に浸ってみたい。

ハチミツ…80g
牛乳…130g
薄力粉…160g
塩…ひとつまみ
シナモン…1g
カルダモン…0.5g
ジンジャーパウダー…0.5g
クローブ…0.5g
ナツメグ…0.5g
ベーキングパウダー…4g
重曹…3g

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