凡夫

たくさん本を読む
知識が増えていく
すると私は　こう思い始める

他人が知らないことを
自分は知っている

深く物事を考える
認識が変わってくる
すると私は　こう感じ始める

他人が気づいていないことに
自分は気づいている

何だか自分が
賢くなったような気がして

自分だけが
特別な存在のような気がして

そんなことあり得ないのに
そんなことわかっているのに
いい気になっている

そして最後に　こう告げられる……


「あなたの来世は蚤のみです」

そういう人間を
凡夫とは呼ばない

凡夫はみな
往生して仏ぶつになるのだから