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凡夫の詩

人並みに大学くらいは出たものの、これと言って特技もなく、何か専門的技能を習得したわけでもない。特定の分野において発揮される、人より秀でた才能などない。

人生を懸けて打ち込むほど熱中できるものもなければ、夢と呼べるような大きなものもない。

野心や野望の類いもなく、率先して社会に貢献しようという意欲もない。

未来に明るい希望を抱いているわけでもなく、かといって人生に絶望できるほど鋭い感受性など持ち合わせていない。

ただただ惰性で「惰生」を貪るだけの日々。私の人生とはだいたいこんなもの。

こういう生き方をするものを凡夫と呼ぶ。また、この真反対の生き方をするものも同様に凡夫と呼ぶ。

畢竟人間は人間であるが故にどこまでも盲目であり、その盲目性に無自覚であるが故に、たとえどのように生きようが等しく救われ難い存在なのだ。

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