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それはしずかな夕焼けとして 2

夕暮れのハローワークで叱られたこどもみたいなおとなの背中

ひっそりと吐かれた息に雨雲のようなことばがふとまぎれこむ

探すのをやめた瞬間うっかりと見つけてしまう鍵ばかりある

アルコール入りの抹茶を飲んでみるわたしらしさを捨てた夕方

しずめてもしずめてもまたうかぼうとする氷にも力はあって

髪を切るごとにわたしはとおくなる過去にあなたが愛したひとに

(いつかの連作から)

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