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音声歌集23,24より

どこにいく訳じゃないけど月夜にはあなたと歩きたい道がある

虹色のこえをたよりにあるきだす帰り道にはきみだけが咲く

こんなにも人が歩いている街でだれのなまえも知らないなんて

降りしきる雨のなかでもあまやかな傘の花びらひらひらと舞う

炭酸の抜けたコーラのままずっと夏のおわりをたしかめている

わすれたかあるいは落としていったのかしずかにひかる片割れピアス

なんとなくさびしくなってつけてみるテレビのなかに銀河の孤独

ほんとうのことはいえないメロンパン羽根が生えてる部分をちぎる

すこしだけ神を裏切りたいのですつめたい街の切符を買って

神さまの羽根に触れてはいけないとむかしのひとのとおい忠告

マニキュアが剥がれる夜に爪先の本音がみえるごめんゆるして

「関係者各位に愛を送ります」一斉送信される心臓

庭のなかいろとりどりの花たちを売って売られてまた売り暮らす

どの花もうつくしいですわたくしの育てた花を買ってください

あのひともまたあのひとも買ってゆく花のなまえもしらないままで


ありがとうあなたも買ってくれたからあなたの花も一輪買います

うつくしい花を一輪抜き取ってそっと逃げたいあなたの町へ

咲き誇る花の名前を書き記す部外者立ち入り禁止の庭で

水をやるわたしの花がうつくしくあなたの元で咲き誇るまで

あのひとの声につられて咲く花があってわたしの秘密の花園

*

まとめちゅう



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