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観覧車


どこからかサイレンがする真夜中の闇をきりきり引き裂きながら

裏側に数字がならぶ本を買うバーコードにはとおせないゆめ

飛行機を眺めていたの炭酸をからだにふくむようなきもちで

とつぜんのメールなんども読み返す「死」という文字の妙なあかるさ

永遠の別れの日にもわらったりしてる「おひさしぶりね」といって

かなしみはいつもおくれてとどくから電車のなかで泣いたりもする

ひとりずつ消えていくから思い出の街を今夜もまた見失う

真夜中に消える都会の観覧車かなしいゆめの魔法のせいで

(いつかのかばん掲載)

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