米粉のパンケーキ

本日は仕事が休みなので、昨日知り合った骨の鳥と昼飯を食いに行くことにした。近場にうまいパスタ屋があるので、そこに行こうと提案したところ、小麦アレルギーなので無理とのこと。驚いて、「きみ、骨だけなのに、小麦アレルギーなんて本当かい」と聞くと、「アレルギーくらい、なんにでもあるさ。あんまり見た目で決めつけるもんじゃないぜ」とたしなめられた。確かに、先日、日光アレルギーを発症したチューリップが、酸素で栄養を取り入れることに成功したって、ニュースでやってたっけ。「そうか。偏見で話してすまない」と謝って、昼飯は、米粉のパンケーキに決めた。これまた近場に店がある。店に着くとガラガラに空いており、席にはすぐに通された。パンケーキが運ばれてきて、食い始める。なかなか美味である。向かいに座っている骨の鳥を見ると、彼が口に運んだものは、全て、首の、厳密にいうと、顎と首の隙間からバタバタと落っこちていた。店員が、テーブルと床を汚し続ける骨の鳥に、怪訝な目を向けている。

「ちょっと、行儀が悪いんじゃないか」とわたしが咎めると、骨の鳥は、ばつが悪そうに食うのをやめた。恨めしそうにパンケーキを見る彼がかわいそうになって、聞いてみる。「確かに、骨だけじゃあ、飯は食えないだろうな。いつもは、どうやって食ってるんだい」
骨の鳥は、わたしの目をまっすぐに見て答えた、「飯が食えてたら、骨だけになんか、なってるわけないだろ」

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