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ランチ時
どうしても受け付けないこと。
昼時、ゆっくり本を読みがてらランチをしたいため、喫茶店に入った。
よくある、メイン+コーヒーのメニュー。
40年前初版の片岡義男の角川文庫。今はなき赤い背表紙の文庫本だ。
現代にはない、背景と男女の格好良さが光っている文体。
このような時代が再び来るのだろうか、ある種の憧憬を感じながら読んでいた。
私より若干後に、隣のテーブルに座った男性。
やはり、メイン+コーヒー。
ところが、左手にスマホを持ったまま右手のフォークでスパゲッティをズルズル吸い、口を閉ざすことなくピチャピチャと食べる。加え、左足をひたすら揺すりながらだ。
人にはそれぞれ癖や事情があるのだろうが、傍目からもカッコ悪いし、隣にいて気になって落ち着かない。
文庫本とは対照的な男性に、この本を読んで参考にしてみればいいのにとも思った。
スマホやネットなどの単語も存在もない文庫本。
やはり、このような時代は再び来ることはないのだろう。
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