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読後を害する書く気のない週末のくだらないオチ

いつもこの店に入ると、今立っているこの一人分のスペースで、4千万円近くもするのかと、買いに来た物との金額のギャップの大きさに、感嘆と申し訳なさとが交差する。
便箋と封筒、はがき、合わせて2千円でお釣りがくるくらいの買い物だが、昔から使っているため、どうしてもこの店で買わないと気が済まない。
季節に応じたシンプルなデザインのシルクはがきを数種類、縦・横罫線の便箋を一つずつ、レジに持っていった。
真っ青な袋に丁寧に包んでくれる。

東京・銀座、もともと別の場所に別の用事で来ていた。
用事が終わり、ガス灯通り、シネスイッチの側にある、いつも行く珈琲店に行った。
カウンターに座り、珈琲を淹れるのを眺めながら、自分の珈琲が来るのを待つ。
この店は、一杯20gの豆を使い提供する。
豆を挽き、ドリッパーにセットし注ぐ、その一連の流れを見ているだけでも楽しい。
やがて来た珈琲を飲みながら、ふと、そういえば便箋があと数枚しかないのを思い出した。

ちょうどいい、それならばと、便箋を買いに行った。
急遽行っただけに、




鳩居堂

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