ルックバックの映画版がなぜ素晴らしいのかを書いてみる。
ルックバックの映画は原作漫画を超えた素晴らしいアニメーション映画である。
丁寧な演出で、原作では分かりづらい箇所をよりダイレクトに伝わるようになっているし、haruka nakamura の音楽も素晴らしい。
でも本当に言及したい素晴らしいポイントはそこではない。
映画版には、漫画には無い、一見するとなんてこないが、非常に重要なシーンが描かれている。
ラストシーンである。
漫画版のラストは藤野が席(バランスボール)に座って漫画を書き続けるカットで終わる。
ところが、映画版では藤野はオフィスチェアに座り、漫画を書き続け、やがて夕方になり、夜になる。
讃美歌のようなharuka nakamuraのLight Songをバックにスタッフロールが流れる。
藤野は仕事終え、席を立ち、我々は、無人となった空席をたっぷり30秒間見せられる。
アニメーションには偶然はありえなく、すべてのシーンに意味がある。
この30秒間の空席は明確に監督が意図した演出である。
「次にあの席に座るのは、あなたですよ」と、観客に呼びかけているのである。
このシーンがあることで、単純に、漫画からのアニメション化ではなく、強いメッセージ性を持った原作から独立した素晴らしい映像作品になっている。
ぜひ、年末はルックバックを見て、次は自分が「あの席」に座れるように、2025への活力にしていこうぜ。
いまなら、アマプラで無料で見れるぜ!