第二新卒転職は準備が9割
はじめに
「今よりもっと給与が欲しい」
「中小企業入ったけど、大企業に転職したい」
「就活で第一志望だった会社に転職して入社したい」
第二新卒転職は、これらの願望を叶えてくれます。
少しだけ私の話をさせてください。
実は私も納得して新卒の会社に入ったわけではありませんでした。
就職活動では32社の会社にお見送りされ、こんなことを言うと大変失礼ですが、前にいた会社くらいしか内定を貰えなかったため、その会社に新卒で営業職として入社しました。
就職活動で32社お見送りされると聞いて、すでにお察しかとは思いますがコミュニケーションが得意でありません。そのため、営業としても活躍できませんでした。
そんな落ちこぼれだった私が、約1年6ヶ月勤務した後に第二新卒枠で大手コンサルティング会社に転職することができました。転職できたのは入社した1日目から転職の準備をしていたからです。
本記事は私が準備過程に学んだノウハウをたっぷり書きました。
第二新卒とは?
まず初めに第二新卒の定義をしたいと思います。
手始めにまずは辞書で調べてみましょう。
NTTドコモが運営するgoo辞書によると、第二新卒の定義は下記です。
数年程度とは、一体どのくらいの期間でしょうか?
次に、厚生労働省の定義を見てみます。
まとめると「第二新卒の定義はそれぞれの企業によりますが、定義がない場合は学校卒業してから3年以内(職務経歴は問わない)の者を指す」とのことです。
以上を踏まえ、本記事における第二新卒は「社会人経験が3年未満のビジネスパーソン」とします。
なお、厚生労働省の定義にもあった通り各企業に第二新卒の定義がある場合があるので、実際の転職活動をする場合は上記の定義とは異なる場合があるので注意してください。
第二新卒枠での転職を邪魔する3つの思い込み
第二新卒枠で転職するにあたり壁になることがあります。
それはあなたの思い込みです。ここではハマりがちな3つの思い込みを紹介していきます。
思い込み① 大きな実績がないと転職できない
「自分には大した実績がないから、転職なんてできない」
第二新卒の方で転職を検討した方は、こんなことを一度でも頭をよぎったのではないでしょうか。
いえ、大丈夫です。
第二新卒枠での採用は実績重視ではなく、ポテンシャルが重視されているため大きな実績は必ずしも必要ありません(もちろんそんな実績が作れるのであればよいのですが)。
私は営業からエンジニアに職種を変えたのですが、その時は当然エンジニアの実績なんてないので、ポテンシャルが主な評価の材料でした。
この思い込みを持ったまま勤務歴が3年を超えるとどうなるか。
中途枠での選考になります。
第二新卒の求職者より、中途枠での求職者が増えるので競争が激化します。さらには、成果重視の採用になるので希望する条件での転職が難しくなるのです。
思い込み② 第二新卒枠の転職は年収が上がらない
前述した「大きな実績がないと転職できない」という思い込みが起因して、第二新卒枠での転職は年収が上がらないと思い込んでいませんか。
が、これも思い込みです。
そもそも年収というのは、転職先の業界と職種で決まります。
業界については、現在持つ職種の経験を元に平均年収の高い業界に移ることで年収アップが望めます。
職種に関しては、昨今エンジニアの給与が高いと聞いたことあるかと思いますが、第二新卒枠では未経験でエンジニア採用をしている企業も増えてきましたので、そのような職種に変えることで年収アップは十分狙えます。
私は後者の年収の高い職種に変えて、第二新卒枠での転職でも年収を上げることができています。
思い込み③ 大手企業は学歴がないと入れない
「大企業は学歴が必要」というのも思い込みです。確かにこれは新卒枠の就活では当たり前です。
私は日本法人が2万人規模の大企業に第二新卒で就職しましたが、周りの第二新卒で入った人の学歴が高くないことが分かり、思い込みを持っていたことに気が付きました。
中には学歴が低いから言いたくないと言い張っている人がいるくらいです。
かくいう私の学歴はというと、かなり低いです。
通っていた大学を良い大学を卒業している新卒同期に伝えたところ「良く入れたね(笑)」と小馬鹿にされたくらいです。
新卒で大企業入るには学歴が必須ですが、第二新卒枠では学歴が考慮されていない事を覚えておきましょう。
第二新卒カードが最強の武器である
皆さんは「新卒カードは最強。使わないともったいない」と聞いたことはないでしょうか。
新卒カードとは、新卒枠での採用はポテンシャルが重要視されるため就職に有利な立場にあることを示す、いわゆるネットスラングのことです。
が、私は新卒カードが有利なんて全く思いません。なぜなら、自分以外の他の全国の大学生もそのカードを持って就活しているからです。新卒カードを持つものが多ければ多いほど当然ですが価値はないです。
一方、第二新卒枠での転職はというと、新卒枠で就職する人より競争者が少ないです。つまりカードを持つものが少ないので「第二新卒カード」に価値が生まれるわけです。
そのうえポテンシャルが評価されるのは新卒と変わりないため、新卒カードより使うべきカードは「第二新卒カード」なのです。
第二新卒転職は準備が9割
転職準備の大前提
ここまで、第二新卒転職は思い込みを持たれがちですが、大きな実績は必要なく、年収アップも望めて、大企業に転職できる可能性がある上に、競争者が少ないのでチャンスであるという話をしました。
ここから具体的な転職準備の話に入りたいところですが、その前に転職準備の大前提を2つだけお伝えさせてください。
大前提① 逃げの転職は失敗する
1つ目の大前提は、今の職場から逃げだすための転職は上手くいかないという事です。
私が初めて転職活動をした時のエピソードを交えて説明します。
新卒で入社して1年経過した頃、忙しさがピークに達していました。
忙しさに比例して残業代が増えれば良いものの、固定残業代制度であり忙しくても給与が変わらないのが嫌になり、当時の環境から逃げ出したくて転職活動を始めました。今思うと、本当にプロ意識のないビジネスパーソンであったと思います。
転職活動の結果はと言うと惨敗です。応募企業は25社で書類選考通過したのはたったの2社。その2社も選考に進みましたがいずれも不合格でした。
こうした結果を招いた理由は簡単で、職場から逃げることが目的となっているためです。
職場から逃げる、つまりどこでもいいから転職できればいいと思うと十分なリサーチをしません。せいぜい見ても、残業が少ないかを確認するくらいです。
その状態で転職活動をすれば、当然面接で相手のニーズに対してアピールができませんからうまくいかないわけです。
大前提② 転職準備には時間がかかる
さらに補足すると、転職準備が時間がかかるものだとも認識していませんでした。
これは伝えたいこと2つ目なのですが、転職は長期戦で考えましょう。長期とは具体的に6ヶ月から1年と思ってください。
なぜ長期目線で考えないといけないかと言うと、社会人2, 3年目は経験が少なくマッチする求人が少ないからです。
「さっき大きな実績は必要ないって言っていたじゃないか」と思われた方もいるかと思います。確かに大きな実績は必要ありませんが、求人に書かれる要件と類似する経験、もしく何等かの課題を解決できる素養がないと書類選考を通過できません。
ゆえに転職活動を始める前から、必要な要件を把握しその要件と類似する経験、ないしは課題を解決できる素養を6ヶ月から1年かけて準備していく必要があるのです。
長期目線がなく、むしゃらに応募しても過去の私が経験したように書類選考に落ちる確率が高まります。
転職の6つのステップ
以上の大前提を踏まえたうえで、ここからは本題の転職準備について解説していきます。
転職準備は下6つのステップで進めます。
目的を明確化する
手段を選択する
求人を探す
職務経歴書を更新する
経験を得る
応募する
各ステップを具体的に見ていきましょう。
ステップ1 目的を明確にする
まず転職をするには、目的を明確にしてください。
「当たり前のことを言っているな」と思われるかもしれませんが、忘れさられがちなポイントです。なぜ転職の目的を忘れてしまうのかを、実際のエピソードを交えて説明します。
目的が分からず転職活動を始めてしまう理由
先にお伝えしたように、私は仕事が忙しく逃げ出すように転職活動を始めました。転職エージェントに登録し、当時メディアでよく取り上げられていた「週休3日制」の求人を探していました。
すると、一部の外資系企業で週休3日制を導入していました。が、求人が多くはなかったので他にも週休3日制を導入している会社がないかを確かめようと思い、エージェントに話を聞きに行きました。
転職エージェントは早く売りたい
情報収集が目的であったにも関わらず、面談が始まるがいなや、次の面談日の日程は決まり、履歴書と職務経歴書の提出を求められました。
これは転職エージェントのビジネスモデルを理解すれば、何が起きているかが分かります。
転職エージェント経由で求職者が内定を承諾すれば、その年収の30%〜35%がエージェントに入ります。つまり、求職者はエージェントに内定承諾をしてもらうことがゴールであり、ゴールを達成してもらうには選考に進んでもらう必要があります。
だから、私が体験したようにトントン拍子で話が進んでいくのです。
皆さんは会社を辞めずに転職活動をする人が多いと思いますので、履歴書と職務経歴書を求められると、その準備に追われ、肝心な転職の目的を明確にする時間を取れずに転職活動がスタートしてしまうのです。
転職エージェントとの付き合い方
目的が定まっていない状態で転職エージェントと話す場合は、エージェントに転職の期限感を伝えることが大事です。「○月に転職を開始します」と具体的な日時を伝えるのです。
そうすればエージェントも無理に営業活動を進めようとしません。
期限を伝えたにもかかわらず、転職活動を進める事を強要されれば、そのエージェントは使わないと判断して構いません。
目的がわからず転職できた後に起きる怖いこと
目的を明確にせず転職できたとしても、また転職の繰り返しになる恐れがあります。
例えば私が仮に週休3日制の会社に転職できていたとしても、休みが多いけどその分ほかの日の作業量が多いのが嫌だとか言ってまた転職をしていたかもしれません。
転職が多くなると、その理由は面接では聞かれるわけですからそこを論理的に伝えられなけばいけないわけです。
それを考えるとネガティブな理由での転職活動を避けるためにも、まずは目的を明確にしてください。
ステップ2 手段を選択する
目的が明確化できたら、その目的を達成するための手段を考えましょう。
手段としては、転職して実現するか、今の会社で実現するかの2つのアプローチがあります。
転職の話をしているのに、手段の1つに「今の会社で実現できないか」を紹介したことに違和感を感じた方もいるのではないでしょうか。
転職のデメリット
このように転職記事を書いているので、あたかも転職をゴリ押ししているかのように思われるかもしれませんがそうではありません。
転職は職場での人間関係を新たに構築したり、小さな実績を積み重ねて信頼を得るのに膨大な工数がかかります。要するに何が言いたいかというと、転職せずに今の会社で目的が達成できるのであればそれが1番なのです。
社内転職は工数が少ないうえに、未経験の職種にチャレンジがしやすいのです(第二新卒枠だと未経験職への転職チャンスがありますが、中途になると難しくなるということを頭の片隅に置いておいてください)。
例えば職種を営業からエンジニアに変えたいも思うのであれば、会社でエンジニアのポストがあるかを確認することが先決です。
もしなければ、ここでようやく手段として転職という選択肢がでてくるわけです。
私はまさに営業からエンジニアに職種を変えようと思いましたが、前職ではその体制がなかったため転職という手段を選択しました。
ステップ3 求人を探す
目的を達成するためには、どうしても転職が必要ということが分かったら、ここでようやく求人を探し始めましょう。
大抵の人がまず求人を探し始めますが、まず目的の明確化と転職の必要性を検討するのが先ということを覚えておいてください。
求人を探す方法
私が具体的にどのような求人を探していたかというと下記です。
リクルートエージェント
ビズリーチ
バイネームで検索
それぞれの求人を探した方の特徴を簡単に見ていきます。
リクルートエージェント
リクルートエージェントはすでに聞いたことがあるかと思います。
執筆時点(2024年5月)では、第二新卒のキーワードで検索をすると2万近くあるので、自身の目的にあった求人を探しやすいのが特徴です。
ビズリーチ
第二新卒枠での転職でビズリーチ?と思った方もいるかとは思いますが、稀に第二新卒枠での応募可能という旨のメッセージが企業から来ることがあります。
情報を入力しておけば後はメッセージを待っておくだけで良いので登録しておいて損はないでしょう。
バイネームで検索
すでに行きたい会社が明確な場合は、バイネームで「会社名 第二新卒」と検索すると良いでしょう。
バイネームで検索するメリットは、転職サイトには出稿していないけれど、自社のサイトにしかない情報を見つけられることです。
私はリクルートエージェントで気になっていた会社を、バイネームで検索したところマッチする求人に出会うことができています。
求人で見るべきポイント
具体的な探し方をお伝えしましたが、果たして求人の何を確認すればよいのでしょうか。
ズバリ見るべきポイントは、「足りない経験はなにか?」です。
冒頭で第二新卒枠での転職の前提をお話したとおり、経験がまだ少ないためマッチする求人が少ないとお伝えしました。
よって早い段階で必要な要件を把握して、その要件に類似する経験や課題解決できる素養を長期で準備していく必要があるので、このステップでは「足りない経験」を明確化にするのが目的と思ってください。
ステップ4 職務経歴書を更新する
ここでの職務経歴には、あなたのこれまでの実績は書きません。行きたい企業に内定をもらうために必要な経験を書き出します。
必要な経験はステップ3で明確にしているかと思います。
このように文字に起こして必要な経験が明確になることで、成果に紐づく努力を選び取れるようになります。
未来の実績を書いた時点では、どう達成するかまでは書けないと思うので、毎月追記していく必要があることを念頭に置いておいてください。
ステップ5 経験を得る
職務経歴書の更新が完了したら、必要な経験を得るための行動をしましょう。
とはいえ、未経験職に転職を考えているようでしたら欲しい実績が本来の業務と離れているので時間が取れないということもあるかと思います。
そんな人にオススメしたいのが、業務の10%だけその実績を得るための時間を作ることを目標にしてください。
フルタイムで働いている人は、160時間(8時間×20日)のうち16時間が10%に当たります。
16時間であれば1日1時間弱ですので、発言しない会議にでないとか、タスクを引き継ぐといったことで十分確保可能でしょう。
それでも難しいのであれば、期間限定で残業をするのも選択肢です。
いずれにせよ、目標を立てて具体的な数字が分からないと行動しないので10%確保、いや最初であれば5%からの確保でも構いません。まずは動くことが大事なので、今日から実践してください。
ステップ6 応募する
ここまで準備をしたら、ようやく応募をします。応募前には、これまで準備した職務経歴書を各企業の要件に沿って記載することを忘れないでください。
応募に躊躇しない
また応募時に大事なのは、応募に躊躇しないことです。
何度もお伝えしていますが、第二新卒枠はポテンシャルが重視されるため要件と少しでも類似する経験があれば、もしかしたら書類選考に通るかもしれません。
私も現職に応募する前は受かるなんて1ミリも思っていませんでしたが、当たって砕けろ精神で書類を出したら通過し面接も合格できたのです。
応募書類を出すのは無料なので少しでも気になれば応募するスタンスが良いでしょう。
選考の志望度を高く見せる方法
最後に応募時に志望度を高くみせるテクニックをご紹介します。
それは、企業の自社サイトから直接応募するのとです。
実は前職で新卒に会社説明をする等、採用のお手伝いをしていた時期があります。
また中小企業に勤めていたので、中途採用の状況も結構耳にすることがありました。
それで分かったことが、採用する際に必ず見ていたのが「応募者がどのように応募してきたか」です。
志望度が高いのはやはり自社サイトからの応募です。なぜならエージェントに紹介されるがままに応募しておらず、自分の意思で検索をして応募というアクションを取っているからです。
実は私も今の会社に転職をする際は、あえて直接応募をすることで書類選考を通過しました。
最後に
このようにステップ1から6まで書きましたが、私含めまだ若く転職の目的は変わりうることが大いにあるので定期的にステップ1(目的を明確にする)に戻ってください。
参考文献
若年者雇用を取り巻く現状
PowerPoint プレゼンテーション (mhlw.go.jp)
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?